投稿 その40
以前どこかのコラムで書いたことがあるかもしれませんが、私は「知っている」ということと、「できる❗️」ということは別ものだと考えております。
たとえば、10問の問題を10分で100点満点というお子さんと、同じ問題10問を3分で100点満点をとるお子さんがいたとします。
この場合、前者が「知っている」というレベルに到達したお子さんで、後者が「できる❗️」というレベルに到達したお子さんです。
もう少し具体的な例でいえば、「割合」のようなちょっと考える必要があるようなテストを、30分で100点をとるお子さんと、10分で100点をとるお子さんとの間には、割合に対する理解、定着度にかなりの「差」があります。
この場合は、前者が「知っている」というレベルで、後者が「できる❗️」というレベルに到達したお子さんといえます。
おそらく前者のお子さんは、「う〜ん。。。」と考えながら、余白に図などを描いて解いている問題もあるかもしれません。
運筆にも迷いや不安が出ているかもしれません。
一方、後者のお子さんは、ほとんど悩むことなくスラスラと答えを書いている感じでしょう。
割合のような「考えること」が要求されてくる問題を10分で仕上げるのですから、問題を読んだらすぐに内容がイメージ化でき、10分というのは問題を読む時間と計算の時間だけという感じでしょう。運筆にも自信があらわれ、スラスラスイスイ回答していることがイメージできます。
一般的には「100点」という結果を見て「合格」と判断してしまうものですが、算数、数学においてしっかり実力を身につけていくには、どのくらいの時間をかけて仕上げたものなのか、プリント等を見直すこともなく自分のちからだけで仕上げたものなのか、運筆の状況や思考手順などを参考にしながら、「知っている」という段階なのか、「できる❗️」という段階なのかを判断する必要があると私は考えております。
100点の背景にある情報。
これをしっかり集めて子どもがどのレベルまで到達しているのかを判断することが成功のポイントなのです。(もちろん100点以下のテストでも、もちろん背景をしっかり探る必要はあります)
「知っている」という段階から、「できる❗️」という段階に到達する近道は、くり返し行う復習です。
これを徹底していくと、必ず「できる❗️」という段階に到達し、学校でも、実力テストでも必ず結果がでるようになります。
そういえば、最近では就学前からドリルなどを使って先取り学習をされているお子さんが多くなりました。
就学前でよくご相談があるのが、「最近ドリルに時間がかかるようになり、勉強をするのを嫌がるようになった」というものです。
これは、おうちの方が「知っている」という段階で、次々に新しい単元を進めてしまっていることが原因であることが多いです。
おうちの方が100点をとれるようになったというところだけ見て、どんどん新しい単元の学習を進めているのです。
これは100点の背景をしっかり見ずに「合格」と判断してしまったために起こる問題で、決してそのお子さんの能力的な問題ではありません。
この場合は、「知っている」という段階までにしか到達していない単元をしっかり探り、そこからしっかり学習をしていけば、必ず「できる❗️」というレベルに到達します。そうすれば、学習に負荷がかからなくなり、勉強を嫌がるということもなくなってきます。
もしご自分のお子さんの算数定着度状況が心配なときは、遠慮なくでき太くんまでご相談ください。