つい感情的になってしまうあなたへ or 感情的な相手に悩むあなたへのアドバイスと方策(1)(2)

記事
学び
久しぶりの投稿となってしまいました。

この記事は、
悩み困っているあなた、心に傷を抱えたあなた向け
でもあり、
●悩んでいる、困っている、心に傷を抱えた相手への声掛けに迷うあなた向け
でもあります。

私が教員時代、多くの学生たちにかけてきた言葉と対応を記していきます。
少しでもあなたの役に立ち、心が楽になれば、私はそれで幸せです。

連載①つい感情的になってしまうあなた、もしくは相手への声掛けと対応
まずは、教員時代の経験から書かせていただきたいと思います。

語弊を恐れず、敢えて分かりやすい言葉を選んで書きますと、いわゆる「反抗的な学生」を何度も担任しました。
毎日「うざい」「消えろ」「教員向いてない」「ムカつく」「失せろ」のどれかは言われていた気がします。
言葉だけでなく、行動も粗雑でした。私は女ですが、目の前で凄まれたこと(掴みかかられる寸前でした)、手を乱暴に振り払われたこと、肩を押されたこと、何度もありました。全部男子生徒です。女子生徒からは、1対5,6,7人程度の集団で反抗され、ギャーギャーわめかれることは頻繁にありました。

でも、いつでも芯として持っていたものは、
「この子の負の感情を引き出している背景が必ずある
という、ある意味性善説にも似た思いでした。

目の前の言動、乱暴な言葉、粗雑なふるまい、反抗的な態度だけに目を向けず、もっとその奥にある、それらを生み出した心の源泉まで理解したい。

そう思い、声をかけていたのは、いつもだいたい3段階あった気がします。

(1)相手の価値を、評価を、下げさせない
いつも最初に声をかけていたのは、
「一時の感情に流されて、自分の価値を下げるようなことをしないで」
でした。

すぐには意味が分からず、言葉に詰まる生徒が多かったのを覚えています。
私はそこを逃さず、いつも相手に合わせて言葉を続けていました。

「部活で頑張る姿も知っているし、後輩から慕われているところも知ってる。でも、そうやって今だけのイライラした感情に流されて、簡単に人を傷つける人間にならないで。頑張ってる方のあなたがもったいないでしょ」とか、
「今目の前にあることが気に食わないからってそうやって暴言を吐いたら、あなたは後から後悔する優しい人間だってこと、私は知ってる。だから辞めなさい。」など、

とにかく「あなたの価値がもったいない」ことを伝えたかったのです。
みんな、「大切な生徒」で、「良い人間」だと知っていたから。

でも、一時の感情に流され、自分をコントロールできなくなり、酷い言動を起こしたがゆえに取り返しのつかない事態になったり、信頼関係が一瞬にして崩れることは、大人も子供も、誰しも有り得ることです。
そうなって欲しくない、それを伝えたかったのです。

(2)自分の気持ちを伝え、背景を探る
お互いに頭を冷やした後、私は自分の気持ちも伝えていました。
「私は〇〇って言葉、傷ついたよ。ショックだった。でも、あなたが一時の感情に流されてるだけだって信じていたんだけど、本当に〇〇って思っているの?思っているなら、私に原因があるかもしれないから、教えて」とか、
「●●のような振る舞いは、誰から見ても、私から見ても、許されることじゃないよ。たとえムカついてもね。そんなことまでしたくなるような何かがあったの?」など、

(i)「私(や他の人)が傷ついた、迷惑を被った」事実を伝え、
(ii)「その言動に至った背景を聞く」という流れです。

(i)はIメッセージといい、「私は」こう思う、「私は」こう考える、というメッセージはとても有効です。社会がどうだ、常識がこうだ、などと一般論を語るよりずっと人の心に響きます。「社会に出たら通用しないぞ」とか最悪です(笑)。私は一度も言ったことはありません。
社会に出たら社会に出たで、その子は勝手に何かを感じ、勝手にその子なりのスピードで成長して生きるでしょう。今、目の前の、学生としてのその子に向き合うことが私の使命だと思っていたので、「大人になったら」「社会に出たら」の説教は、教師の立場から見ても「余計なお世話だよな」と思っていました。(もちろん、今目の前の生徒に向き合ったうえで言っているなら、その子に響くでしょうし、段階を踏んでその話を具体的にすることは必要だとも思っています。説教として使うのが全くの無意味と申し上げています。)

(ii)は、根深いときには相当な時間を要します。私はここで、聞き方も大切だと感じています。
「何でこんなことをしたの?」と、
「何があなたにそんなことをさせたの?」では、
聞き方、そして相手の受け取り方に大きな差があると思いませんか?

よく、偶然思わぬところで会った相手に、
「何でいるの?」「何で来たの?」と言うことがあると思いますが、
ともすればこれは「(居てほしくないのに)何でいるの?」「(来てほしくないのに)何で来たの?」ともとられる可能性をはらんでいますし、実際そうとられた経験がある方も多いのではないでしょうか。
(もちろん、相手の表情で十分にポジティブに受け取ることは可能ですし、信頼関係があればそんなネガティブにはとられないでしょうが。)

しかし、まだ信頼関係を築けていない相手、まして今関係を修復しようとしている相手とのやりとりであれば、表情うんぬんではどうにかフォローできません。
目すら合わせてくれませんから。

だからこそ、言葉に心をこめるのです。(1)で書いたような、「あなたの価値を下げさせたくない」はここに通じます。価値を下げさせたくないからこそ、「私にとって価値あるあなた、大切なあなたにそこまでさせたものっていったい何だったの?」という気持ちを最大限に込めるのです。

一番心に響いたな、と実感できたのは、
「前を向いて人の話を聞ける、友達も多くて信頼されているあなたが、こんなことをしたのが信じられない。きっと、そこまでさせる何かがあなたの身に起きたんじゃないの?
でした。俯いていた顔が一瞬で上がり、目が輝き、涙がこぼれ、ぽつぽつと心境を語り出してくれた時、
「あぁ、やっと心の扉を開けた。」と、思いました。

だから、「なんでこんなことをしたんだ!(この悪い奴め!)」ではなく、
「そこまでの状態になっちゃう何かがあったんじゃないの?」という、寄り添い傾聴する聞き方が有効だと、私は自信をもって申し上げたいです。

さて。
当然ですが、こちらも相当の根気と忍耐が必要で、疲れとストレスと大きな負荷がかかります。
こういう対応を一件でも二件でも終えた日は、ぐったりして他の仕事なんて手につかないし、私は人一倍敏感で感受性の強いHSPでもありましたので、
「あの言葉が良くなかったかな」という後悔や、
「何であんなこと言われなきゃいけないの?」という悲しみで、
しばらく引きずりました。それはもう、引きずりまくりました。笑
私にとっては、お酒を飲んで、とか、誰かに語って、なんて、そんな簡単に解決できるような軽いことでは、決してなかった。
日々、全力でした。

でも、人間関係って、本気で作りたい、信頼してほしいと思うなら、
全力以外に何があるでしょう。
こちらがさらけ出さずに相手にさらけ出してほしいなんて、自惚れもいいところです。
私は常にそう思っていました。

だから。
もしあなたが、すぐ感情的になってしまうことに悩んでいるなら。
私から、(1)(2)の声掛けをされたと思い、どうぞ心を落ち着かせてください。
私に直接相談してみたい、と思われたら、メッセージをください。あなたに合わせたカウンセリングサービスをカスタマイズして、ご提供します。

もしあなたが、すぐ感情的になる相手に困っているなら。そして、その人と、本気で穏やかな関係を築きたいと願うなら。
どうぞ私の声掛けを、どんどん使ってください。あなたなりに、たくさんアレンジして。
こちらも、私に相談して相手への声掛けを一緒に考えたい、という方がいらっしゃいましたら、どうぞメッセージをください。こちらもあなたに合わせてサービスをお作り致します。


最後に。
あれ?3段階あるんじゃなかった?と思われた方も多いでしょう。
(3)は?と。
(3)は、「どうせ自分なんて」と自己肯定感が低いがゆえに、「分かる人にだけ分かってもらえばいい」「誰にもわかってもらえるはずがない」と思っているその気持ちをほぐし、「私はあなたに、『誰にも認めてもらえるあなた』になってほしい。だって、私にとってこんなに大切なあなただから」という思いを伝えて締めくくることによって、ある程度誰にも認められる存在に成長するため、乱暴で感情的な言動がいかに損かを諭していく段階です。
だって、「私」とだけ相手がうまくやっていければいいわけではありませんし、その状態になってしまってはそれはただの依存ですから。

(3)は、大変恐縮ながら次の記事にて有料版とさせていただきます。
(3)の声掛けのあと、具体的に一緒にどう行動を起こしていくか、まで書かせていただいております。

もちろん(1)(2)で十分だ、という方もたくさんいらっしゃるでしょうし、私自身(1)と(2)を実行できるくらい傾聴の能力に長けた人が増えれば、もっと人間関係は穏やかに、平和になると確信しています。
そして、そんな傾聴の姿勢ができるあなたを、周りは確実に評価し信頼します。だって、相手の心の扉を開く可能性がとても高いのですから。

相手の心の扉を開いたら、こちらも心の扉を開けます。
その繰り返しで、絆は深まっていきます。

「ウザイ」「消えろ」などと言っていた子も、女子数人で私を囲んでギャーギャー喚いていた子も、
最後には「先生がいなかったら、卒業できなかった」と泣き、「先生に見捨てられていたら、どうなっていたか分かんない」と言いながら卒業してくれました。
私の手を乱暴に振り払ったり、肩を押した男子生徒も、
卒業した年のクリスマス、私が好きなキャラクターのグッズを、就職して稼いだお金でプレゼントしてくれました。

心を込めた言葉、心を込めた対応は、必ず人を変えます。
ただ、時間がかかるだけ。そこからどうか、逃げないで。
私には、いつでもその覚悟があります。悩んでいるあなたは、ぜひご相談ください。そして、少しでもご興味があります方は、次の有料版の(3)をご覧ください。

長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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