自己顕示欲が原因でブログを書けなくなった話

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コラム
2週間前の私は浮かれていた。
ココナラでブログを書き始め、しばらく反応などあるわけないと思っていたのに、すぐにいいねがついて、私の考えに共感してくれる人がいることが嬉しかったのだ。
これまでの人生では、人から共感や理解してもらう経験が少なく、ココナラで好意的な反応を得たことで浮かれていた。

だが、自分の考えが受け入れられるという安堵と自信とともに、思い上がりも生じた。

ブログを始めたばかりで何人もの人にいいねを貰える私は、すごいのではないかと。

そしてその思い上がりにより、ブログを書けなくなった。

いいねの数を減らしたくない、多くの人にいいと思われたい、称賛されたい。
私のつまらない自己顕示欲が文章を書くことを邪魔したのだ。

自己顕示欲のせいで文章を書けないと分かったものの、どうすることもできなかったので、気分転換のために読書に逃げた。

AV監督二村ヒトシ氏の、女性向けの著書「なぜあなたは愛してくれない人を好きになるのか」で、はたと気づかされた。

この本は女性向けの人生やり直しための本だ。

二村氏の男性向け著書「すべてはモテるためである」では、自分の願望を理解と客観視することを勧めており、また自分の中にいろいろなキャラクターを認めようという内容だった。
(二村氏はこの本の執筆前はモテなかったが、執筆後にモテだしたので、この本を実践したら確実にモテるようになると思う。解説が2019年の東大入学式で祝辞を述べたフェミニストの上野千鶴子氏に書いてもらっている点も面白い。)

で、二村氏の女性向けの著書「なぜあなたは愛してくれない人を好きになるのか」の内容はというと

恋愛は、親にあけられた自分の「心の穴」に気づくためにしている。自分の「心の穴」に気づき、何を捨て、今の自分をどう受容するか真剣に考えることで、生きやすい自分に変われる。「心の穴」を認めることが自己受容ということ。自己受容しあえたカップルは恋から愛に変わる、と説いていた。
分厚くない本だが、なぜ女性は生き辛いかなども書かれていて、後半になるほど新しい価値観になるため私は読むのに3日かかった。

さすがはAV監督。
普段人が隠している様々な欲望や性質や、男女それぞれの苦しみを間近で見て、人間の本質と向き合ってきたからこそ編み出されたのだろう。

さて、私がブログを再び書くきっかけとなったのは、最終章の読者との対談。ミュージシャンを目指していた元カレが金銭的に厳しくなっても生活を改めようとしないことについて語る女性読者への二村氏の返答だ。

「表現者(中略)とか芸術家って、自分自身が変わっていくことでしか創作も制作も続けていけないものだと思うんです。」

私は勘違いしていた。
創作とは完成されたものを発信するのではなく、不完全なものを発信し表現者の変化を、表現者本人も周りも楽しむものなのだ。

たしかに、私がブログを書きたくなるときは、私の考えが変化し始めるときだ。
まだブログを15本程度しか書いていないのに自分を表現者と思うなどおこがましいが、ありきたりのことを発信するのはつまらない。
未熟な自分が日々生活するなかで感じた違和感を紐解いていくことが面白いと思って書き出したのだ。

そこに読者のウケとか気にしていたら私らしさが失われてしまう。

もちろん閲覧数やいいねの数は励みになるが、そこに縛られなくていいのだ。
閲覧数やいいねがついたらありがたい、そんな気持ちだけ持ってブログ執筆に励めばいい。そう思ったらブログに向き合うのが恐くなくなった。

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