「楽しかった」の裏に隠れた、がんばり屋さんの心が静かに息をつくとき

「楽しかった」の裏に隠れた、がんばり屋さんの心が静かに息をつくとき

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コラム
楽しかった旅行の帰り道、電車の窓から流れる景色を眺めているときや、家の玄関を開けた瞬間。

さっきまであんなに笑っていたのに、胸の奥が急にぽっかりと空いて、冷たい風が吹き抜けるような、強烈な虚無感に襲われる。

そして翌日、朝起きようとしても体が鉛のように重くて、どうしても動けなくなってしまう。

あなたも、そんな経験はありませんか?

「あんなに楽しかったのに、どうしてこんなに寂しくてやるせないんだろう」

「明日からの仕事が嫌だからって、私、甘えているのかな……」

そんな風に、動けない自分を責めて、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

でもね、どうか自分を責めないでください。

心理カウンセラーとして、僕はその心の仕組みをとても愛おしく、そして当然のことだと思っています。

旅行の帰りに襲ってくるあの圧倒的な虚無感、そして翌日に動けなくなってしまう現象。

それはあなたが甘えているからでも、心が弱いからでもありません。

むしろ、あなたが普段からとても優しくて、周りに気を配り、毎日を一生懸命に生きている「がんばり屋さん」である証拠なんです。

旅行という非日常の空間は、本当に素晴らしいものです。

でも、同時に「楽しい刺激」に心が満たされているとき、私たちの脳は一種の興奮状態にあります。

特に、普段から人間関係や仕事、将来の不安などに胸を痛めやすい繊細な方ほど、旅行中は「めいっぱい楽しもう!」「一緒に行く人に楽しんでもらおう!」と、無意識のうちに五感と心をフル回転させているものなんですね。

つまり、心と体がこれ以上ないほど「全力疾走」した状態なんです。

そして、楽しかった時間が終わり、日常の境界線へと戻ってくる帰路。

張り詰めていた心の糸が、ふっと緩みます。

その瞬間に、これまで心地よい興奮で隠されていた「本当の疲れ」が、一気に溢れ出してくるのです。

あの虚無感は、心が「ねえ、実は私、とってもがんばったんだよ。ちょっと疲れちゃった」と、あなたに伝えている静かなサイン。

翌日、体が動かなくなってしまうのは、傷ついたからではなく、フル稼働した心と体を守るために、あなたの防衛本能が「今は強制的に休む時間だよ」と、お布団の中に引き留めてくれているからなんです。

心が一生懸命に、次の日常を生きるための「エネルギーの充電」を始めようとしている証拠。

だから、動けない日は、ただただその重みに身をまかせて、じっと横になっていて大丈夫です。

「楽しかった貯金」を心にそっと仕舞い込んで、今はただ、静かに息を吐き出す時間。

旅行の余韻に浸りながら、何も生み出さない、何もしない贅沢な時間を、自分に許してあげてください。

それほどまでに心が動く素敵な旅ができたこと、そして、それだけ全力で日常を離れてがんばれた自分を、少しだけ誇らしく思ってみませんか。

あなたのその繊細で、豊かな感性は、とても美しいものなのですから。

ゆっくり、ゆっくり、あなたのペースで、また歩き出せる日を待てばいい。

僕は、いつもここであなたを応援しています。

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