楽しい旅行や友達とのご飯の予定が決まった瞬間、心が一瞬ふわっと浮き立つ。それなのに、次の瞬間には「ああ、でもこれが終わっちゃったら、またいつもの日常に戻るんだな」「終わった後のあの寂しさに、私は耐えられるのかな」なんて考えて、急に胸が苦しくなったり、憂鬱になったりすることはありませんか?
せっかくの楽しい予定なのに、始まる前から終わりのことを考えて寂しくなってしまう。そんな自分に対して、「どうして素直に楽しめないんだろう」「めんどくさい性格だな」って、自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
でもね、まずは声を大にしてお伝えしたいのですが、そうやって先回りして切なくなってしまうのは、あなたの心がとても繊細で、優しくて、一つひとつの時間を心から大切に愛おしもうとしている証拠なんです。決して、おかしなことでも、悪いことでもありません。
僕は、これまでたくさんの人間関係や人生の悩み、将来への不安に寄り添ってきました。その中で、あなたと同じように「幸せな瞬間ほど、消えてしまうのが怖くてたまらなくなる」というお話を、本当にたくさん聞いてきたんです。
この切ない気持ちの正体は、実はあなたの「想像力の豊かさ」と、その予定を「それだけ楽しみにしているという強い気持ち」の裏返し。それくらい、その時間があなたにとって価値があるものだからこそ、失う痛みを心が先に察知して、自分を守ろうとディフェンスに入っている状態なんですね。
もし、予定が決まった直後に寂しさが襲ってきたら、その気持ちを無理に打ち消そうとしなくて大丈夫。「そっか、それだけ楽しみなんだね」「終わるのが寂しくなるくらい、大好きな予定なんだね」って、自分の心のつぶやきを、ただそのまま受け止めてあげてください。
そして、ちょっとだけ試してみてほしいことがあります。それは、寂しさがやってきたら「今、この瞬間」に意識をそっと戻してあげること。まだ始まってもいない未来の終点に心を飛ばしてしまうのではなく、「あのお店のメニュー、何を食べようかな」「当日はどんな服を着ていこうかな」と、準備の段階のワクワクにスポットライトを当ててみるんです。
楽しんでいる最中も、「終わっちゃう」と思ったら、「今、私は最高に楽しい時間を過ごしている最中だ!」と、心の中でその瞬間をパシャリと写真に収めるようなイメージを持ってみてください。
未来の寂しさに心を奪われてしまうのは、あなたがそれだけ感受性が豊かで、目の前の幸せを全力で受け止めようとしているから。心理カウンセラーとして、そんなあなたの豊かな感性は、とても素敵で愛おしいものだと感じています。
終わった後の寂しさは、楽しかった時間の余韻、つまり「幸せの足跡」です。だから、怖がらずに、その足跡も含めてあなたの特別な時間をまるごと愛してあげてくださいね。少しでもあなたの心がふわっと軽くなりますように。