結婚生活21

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それから、間もなくして旦那が家に帰らない日が多くなってきた。

どこにいるのかも不明。
それでも、お義母さんたちは旦那のことは一切なにも言ってこなかった。

そして、私には、息子が三歳になるまでは家にいろ、という人達だった。

結婚式の話は私には全く聞かされない状態で、日々が過ぎていった。

私は無理やり絞り出して来てくれるかわからないような人たちを数人名簿に書いて、お姉さんに渡した。

それでも旦那側のほうは、なぜか近所の人たちが大勢くるらしい…
これが「体裁」か。

私の実家といえば、父と住んだ家になるのだろうが、近所の人たちともあまり会話がなかったため近所の人たちも呼ぶことはできない。
苗字くらいしか知らないのだ。

まして母親がくる結婚式に呼ばれたくないだろう。

そうして出した招待状のうち、半分以上の「不参加」の返信がきた。

割合でいくと、100%のうち15%が私のほうの参加者、ということになっていた。

ただ参加者の席の配置だけは、指定してくれと言われた。

その時一度だけ、結婚式関係に関わった。

あとは、どうなるかは全く知らない。

旦那も家には帰ってこない…

どうするのだろうか…

結婚式間近になってようやく旦那が家にちらほら帰ってくるようになった。

それでも子供のことは一切無関心だった。

必要最低限のことしか話さなかった。
けれど、お姉さんのことは怖いと思っているのか、お姉さんに歯向かうことはしなかった。

結婚式まであと少し、というところで旦那は夜遅くに家に帰ってきて酒を飲み、朝早くどこかへ行くという生活になっていた、
生活費など、一度ももらったことがない。

借金した返済も遅れているようで、時折家に電話がくるようになっていた。
それに関して問い詰めても、「返してる」としか言わなかった。
カードは旦那が持っていたため、どれだけ返済しているのかもわからなかった。

そして結婚式当日。

私は朝早くから「式場」というところへ連れていかれた。

連れていかれた場所は…

「公民館?」
というような場所だった。

公民館をちょっと大きくしたような…。

周りには、なにもない。

街はずれのところにあった。

そこに着いたら、急かされるように、会場の控室に入り

白無垢を着せられ
神殿式へ…。

そこには母親と再婚相手の男性も来ていた。

はたから見れば厳かな式なのだろうが、私には
「滑稽」な式にしか感じられなった。

そして、また控室に戻り
ドレスに着替えさせられ、メイク、ヘアスタイルなどをしもらい、
まるで、感情のない人形のようにされるがままになっていた。
ドレスは私には似合わない「ピンク」のドレスだった。
もちろん下見や試着もしたが、何着か候補を挙げたが、全く違うものになっていた。

もちろんスタイリストさんも初めての人なので話があまり弾まなかった。

披露宴の時間まで時間が少しあったが、ドラマや話で聞くような、旦那が様子を見に来る、などは一切なかった。

全く嬉しくも楽しくも感じない結婚式になりそうだ。

会場に参加者が揃ったので、と連絡がきた。

私はいそいそと椅子から立ち上がった。

そして、旦那と腕を組んで、と言われて組んだが、あまりうれしくは感じなかった。

そして会場の扉が開いた…。

まばゆいばかりの光が私たちを照らした。

私はどこをどう歩いていいのかサッパリわからなかったから
戸惑いながら席に着いた。

披露宴って、嬉しいとか、感動とか…
そういうものを想像していた。

私の方の参加者は、理容室で働いていた時の人の同期の人、幼少期から友達だと思っていた人。
あとは先生。

旦那の方はあまりわからない人しかいなかったと思う。

そして、披露宴の目玉?でもあるケーキ入刀の時には
お姉さん手作りのケーキだった。

あの3段とか、かわいい飾りなど一切ない

ケーキ…。

ここまでになると自分がますます惨めに感じてきた。

そして着物、ドレスと着替え

披露宴は多分、滞りなく進んだんだと思う。

そして、なぜか「息子の紹介」というコーナーができていた

息子をお姉さんが抱っこしていて
「〇〇家に待望の男の子が産まれました!」

え??

ここでもいうの?

しかもお姉さんが抱っこしている!

私には聞かされていないのでさすがに
顔に露骨に出てしまっていたと思う。

私は、自分に来てくれた人たちに申し訳なく思ってきた。

全ては旦那の家の体裁のための挙式なのだ

来てくれた人のことなど、所詮どうでもよかったのだ。

ここまでされるなら一人も呼べる人はいない、というべきだった。

披露宴の間、ずっと後悔していた
けれど、わざわざ来てくれた人に見せる顔ではない

無理やりにでも自分が笑っていないと…

そして披露宴は幕を閉じた…

着替えも済んで、さぁ帰ろうとした時に

母親がツカツカと私の前に歩いてきた

そして、いきなり
パン!!
と私の頬を平手打ちした。

私がなにをしたというのだ。

そして、物言わずその場を去っていった。





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