【国家資格キャリコン面接試験ポイント・その14】相談者の気づきを促す、ある簡単な方法

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こんにちは、キャリアコンサルタントの高橋と申します。
このブログでは国家資格キャリアコンサルタント試験のポイントについて語っていきたいと思います。

前回は面接ロールプレイの相談者役について、私なりに求められる姿についてお話させていただきました。

今回は相談者に気づきを与える方法について考えてみたいと思います。
ここは、第11回でお話しした質問の続きです。
第11回でもお話ししましたが、質問は以下のような構造になっています。

質問=訊く内容+訊く方法

第11回では「訊く方法」としてオープンクエスチョンクローズドクエスチョンのお話をさせてもらいました。

今回は「訊く内容」について考えていきましょう。

訊く内容、つまり質問の内容についてですが、これはいくらでも考えられます。ただ、相手に気づきを促す場合、どうすれば気づきが促されるのかを考えなければなりません。

気づきというのは、相手の心の中で起こる「発見」です。それでは、なぜ発見が起こるのか?

それは、自分の普段の思考の外で物事を考えるからです。

例えば、上司と部下の会話をイメージしてください。
部下は色々とやりたいことがあるようです。しかし、上司はもう少し経験を積ませたいと思っていたとしましょう。
この時、上司が見ている視点は部下が見ている視点よりも広い視野で見ています。しかし、部下は自分の視点でしか物事を捉えられないので、上司の考えが理解できていません。

しかし、もし仮に部下が上司の視点で物事を考えることができたらどうでしょうか?
恐らく、自分の知らなかった考え方(=上司の視点)で物事を捉えるのではないでしょうか?その結果、上司が言いたかったことに気づくのです。

これをキャリコンに応用するのです。これを専門用語で「役割交代法」と呼びます。役割交代法はモレノのサイコドラマ(心理劇)で良く使われる技法です。

具体的な例でやってみましょう。
面接ロールプレイでキャリコン視点の問題、つまり問題の本質が「家族とのコミュニケーション不足」にあったとします。しかし、まだ合意形成されていないので、このことは相談者とは共有されていません。

キャリコンは問題の本質を家族とのコミュニケーション不足だと考えているので、それを相談者に気づいてほしいのです。これを役割交代法でやってみましょう。

ここでの役割交代法は相談者が誰かになり切って考えることだと思ってください。そうすると、相談者は誰になり切れば良いでしょうか。


そうです、家族です。
相談者には家族の立場に立って考えてもらえればいいのです。そうするとこんな問いかけが考えられそうですね。

「今の相談者さんの状況をご家族はどうお感じになられてるでしょうね?」
「もし、相談者さんが思い悩んでおられる現状を見て、ご家族は相談者さんにどんな言葉はかけられるでしょうか?」
「相談者さんがご家族の立場だったら、ご自身にどんな言葉をかけてあげられますか?」

このように、「役割交代法+オープンクエスチョン」で家族とのコミュニケーションが不足していたことを相談者に気づいてもらうのです。

この役割交代法はキャリコンの合意形成においてとても有効に働きます。使い方自体はそんな難しくありませんので、やり方をマスターすればどのパターンにでも応用できます。

慣れてくれば簡単に使えるようになりますので、ぜひ面接ロールプレイのトレーニングで使ってみてください。

また、下記サービスでは役割交代法を使ったトレーニングも行えますので、ご興味のある方はチェックしてみてくださいね。

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それでは、またお会いしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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