シラーの「歓喜の歌」⑨第七節~空にまき散らせ~

記事
コラム
 Freude sprudelt in Pokalen,
 In der Traube goldnem Blut 
喜びは、盃の中ではじける。
ブドウの実の、黄金の血ではじける。

Trinken Sanftmut Kannibalen,
 Die Verzweiflung Heldenmut
(その喜びが中に入っている杯でワインを飲めば)
残忍な人たちは優しい気持ちになる。
絶望した人だって、立ち向かう気持ちになる。

Kannibalen・・・カニバリスト、食人鬼という意味としてもとれるので、そっち路線での意味が隠されている可能性もなくはないかも。その上にも「黄金の血」、「杯」といったワードもあるし。
・・・そうだとするなら、この詩は二重暗号になっていることになる。
1、 「自由・平等・友愛」路線のアンチ・キリスト教路線。
2、 最近問題になっている系のガッツリ悪魔崇拝。

アンチ・キリスト教という言葉は、二つの意味、方向性に分かれる。
・多神崇拝
・唯一悪魔崇拝

とりあえず、今回は私は自由・平等・友愛で多神教路線で解釈進めているので、悪魔崇拝方面の深掘りはしませんが、その可能性もある、かもしれない。
もちろん、可能性としては高くはない。「カニバリスト」なんて堂々とした「まんま」のキーワードを挟み込むようなことするかなぁ・・・。
だが「絶対にない」と言い切れるほど私は賢くない、と自信を持って言える。
特にここの部分も定冠詞がないので、何が主語で何が目的語なのか解釈次第ということになる。
色々な見方があって当然です。原文がすでにもう・・・謎だらけの詩ですから。

 Brüder, fliegt von euren Sitzen,
 Wenn der volle Römer kreist,
なみなみ注がれた大きなワイングラスが回ってきたら、
兄弟たちよ、座っている席から飛び上がれ。

Laßt den Schaum zum Himmel sprützen:
空へとそのしぶきをはじけさせよ。
Dieses Glas dem guten Geist.
このグラスを良き魂にはじけさせよ。

ここの部分、この詩をもっと深掘りしたいという人にとっては、Römerという言葉に注意!
「ローマ人」という意味なんですよね。
台付きのグラスという意味もあります。ですが、このグラス、Glasとして「このグラスを良き魂にはじけさせよ」と続いて出てくるので、Römerなんて言葉を引っ張り出してくる必要なかったんじゃないか?と不思議に思っています。

Chor
 Den der Sterne Wirbel loben,
 Den des Seraphs Hymne preist,
 Dieses Glas dem guten Geist
 Überm Sternenzelt dort oben!
コーラス
星々の(作る)渦を褒めよ。
天使の讃美歌を讃えよ。
このグラスを良き魂に
星のテントの向こう、その上へ!

この星のテントの向こう、その上へ
Überm Sternzelt(星のテントの向こう)に、この部分はdort oben(その上)が付け加えられている。「星のテントの向こう、その上だ」という意味です。
星のテントの向う、その上・・・
前回、それについてちょっとまとめましたが、その上がある!その上に別の神がいる、「未知なる者」がいる・・・喜びをもって自然の循環をつかさどる偉大なる神。

これは「星のテントの向こう」のキリスト教的神とは別の存在・・・という理解をするのが正しいのではないだろうか。

第五節のコーラス部分にも、「星のテントの向こう、その上」という表現があります。
Duldet mutig, Millionen!
 Duldet für die beßre Welt!
 Droben überm Sternenzelt
Wird ein großer Gott belohnen.
耐えるのだ、
よりよい世界のために。
星のテントの向こう、その上、
偉大なる神が褒めてくださる。

Droben=dort obenなので、同じ表現なんですよね。
どちらも、「星のテントの向こう、その上」。
「耐えろ」「よりよい世界のために耐えろ」。
キリスト教的神様の上に「偉大なる神」「未知なる者」がいる。

星々の(作る)渦を褒めよ。
天使の讃美歌を讃えよ。
このグラスを良き魂に(はじけさせよ)
星のテントの向こうへ、その上へ!

「星のテントの向こう、その上」、偉大なる循環システムの神にその喜びにあふれた良き魂を捧げること。
循環システムを喜びをもって動かすこと。星々=人々の喜びの活動、そして天使がコーラスを歌う復活という喜びの循環システム。
全身に喜びをほとばしらせよ、という感じですかね。

魂の本性を絶対的に肯定する、そういう自然の神、喜びのエネルギーで動く装置がこの宇宙を統べている。

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