はじめに
「うちの子は方程式が苦手なんです」
保護者の方からこのようなご相談をいただくことがあります。
しかし実際に授業で確認してみると、方程式そのものが理解できていないわけではありません。
本当の原因は、もっと前の単元にあることが少なくないのです。
今回は実際の指導経験をもとに、中学生の数学が苦手になる本当の原因についてお話しします。
方程式が苦手な原因は方程式ではないことがある
ある生徒さんは方程式で苦戦していました。
移項や計算の途中で何度も手が止まってしまいます。
ところが詳しく確認すると、問題は方程式そのものではありませんでした。
つまずいていたのは、
* マイナス同士の足し算
* 正負の数の計算
* 符号の考え方
といった内容だったのです。
方程式の手順は理解できていても、途中の計算でミスをしてしまうため、結果として解けなくなっていました。
数学は積み重ねの教科
数学の特徴は、前の単元が次の単元の土台になることです。
例えば、
正負の数
↓
文字式
↓
方程式
↓
比例・反比例
↓
関数
というようにつながっています。
そのため、今習っている内容が分からないときでも、本当の原因は数か月前や1年前の内容にあることがあります。
特に多いのが、
* 符号の処理
* 分数計算
* 文字の扱い
* 割合の考え方
です。
これらが曖昧なまま先へ進むと、学年が上がるにつれて苦手意識が強くなってしまいます。
「分からない場所」を特定することが大切
数学が苦手な子ほど、
「どこから分からなくなったのか」
を本人も把握できていないことがあります。
保護者の方からは、
「関数が苦手です」
と聞いていても、
実際には比例の式を作る段階でつまずいていたり、
さらに遡ると文字式の意味が曖昧だったりすることもあります。
そのため私は授業で、問題を解くことよりも先に、
* どこで手が止まるのか
* どの考え方が曖昧なのか
* 何を勘違いしているのか
を確認するようにしています。
原因が分かれば、改善方法も見えてくるからです。
苦手克服の近道は「前に戻る勇気」
数学が苦手になると、
一度前の単元に戻って理解を整理した方が早く伸びることが多くあります。
基礎が理解できると、
今まで難しく感じていた問題も驚くほど解けるようになります。
遠回りに見えても、基礎の確認こそが一番の近道なのです。
まとめ
中学生の数学が苦手になる原因は、必ずしも今学習している単元にあるとは限りません。
方程式が苦手な原因が正負の数にあったり、関数が苦手な原因が文字式にあったりすることもあります。
大切なのは、「何が苦手か」ではなく、「どこでつまずいたのか」を見つけることです。
もしお子さまが数学に苦手意識を持っている場合は、今の単元だけでなく、少し前の内容まで振り返ってみることをおすすめします。