はじめに
「式が立てられません」
数学が苦手な生徒さんからよく聞く言葉です。
これは、何を求めればよいのか分からなかったり、問題文の状況が頭の中で整理できなかったりすることが原因で手が止まっていることが多いのです。
そんな時、私がよく行うのが
「まず図を書こう」
という指導です。
私が板書に図をかくと、それまで全く手が動かなかった生徒が急に解き始めることがあります。
今回は、なぜ図を書くことが大切なのかをお話しします。
過不足算の文章題で手が止まった生徒
以前、方程式の文章題で過不足算を扱ったことがありました。
問題文を読んでも式が作れず、生徒さんは困っていました。
そこで私は、板書で図をかきました。
人数や個数の関係を簡単な図にして整理すると、
それまで分からなかった関係が見えるようになりました。
そして生徒さんが図を見ながら考えると、自力で式を立てることができたのです。
その生徒さんは、
式の作り方が分からなかったのではなく、
状況整理の方法が分からなかっただけでした。
速さの問題は表を書くと整理しやすい
速さの問題でも同じことがあります。
特に、途中で速さが変わる問題や、往復する問題では混乱しやすくなります。
そんな時は、距離・速さ・時間を表にまとめます。
すると、どの数字がどこに入るのかが整理できるようになります。
実際に、文章だけでは式が作れなかった生徒さんが、表を書いた後は正しく方程式を作れるようになりました。
作図応用問題も下書きが重要
作図の応用問題でも、いきなりコンパスを使い始めると失敗しやすくなります。
そこで私は、まず手書きで「完成予想図(イメージ図)」を描き、
分かっている情報を書き込むよう指導しています。
すると、どの作図を使えばよいか気づきやすくなります。
実際に作図の応用問題が苦手だった生徒さんも、
図に情報を書き込む習慣を身につけてから正答率が上がりました。
数学が得意な子も頭の中では図を書いている
数学が得意な子を見ると、図を書いていないことがあります。
すると、
「図を書かなくても解けるんだ」
と思うかもしれません。
しかし実際には、頭の中で図をイメージしていることがほとんどです。
つまり、図を書かないのではなく、頭の中で図を書いているのです。
数学が苦手なうちは、その作業を紙の上で行った方が圧倒的に分かりやすくなります。
図を書くことは遠回りではない
図を書くのが面倒だと感じる子は少なくありません。
しかし、図を書かずに悩み続けるより、
簡単な図を30秒で描いた方が早く解けることがよくあります。
私は授業で、
「図を書くのは遠回りではなく近道だよ」
と伝えています。
実際、多くの生徒さんが図を書くことで理解を深めています。
まとめ
数学が苦手な子ほど、問題を頭の中だけで処理しようとしてしまうことがあります。
しかし、
* 図を書く
* 表を書く
* 情報を書き込む
といった整理をするだけで、問題が解けるようになることは少なくありません。
私自身、これまで多くの生徒さんを指導してきましたが、
「図を書いたら解けた」
という場面を何度も見てきました。
もしお子さまが文章題や図形問題で悩んでいるなら、
まずは図や表で整理する習慣を身につけることをおすすめします。
それだけで数学の見え方が大きく変わるかもしれません。