何のために研究しているのか?
人それぞれだと思います。
その研究テーマが楽しいから、面白いから。
実はシンプルで純粋な理由だったりします。
僕もそうです。
全ての化学研究者にアンケートして集計すると、どうなるんでしょうね?
僕が今まで会って話したり、一緒に研究した人は「面白いから、好きだから」という理由が圧倒的に多いです。
「地球を救うため」という人も居ました。
論文に書かれている研究目的が後付なのはよくあることです。
論文に「面白いと思ったから研究に着手した」なんて書けないですよねw
研究テーマを選ぶとき、企業研究だと会社の方針や状況に大きく左右されてしまいます。
でも、自分の好きなテーマを片手間で持つことのできる企業もあります。
大学などの公的研究機関でもある程度の制約はあります。
そんな中でも「どんな研究をやるのか、やりたいのか」という軸は持っていたいですね。
研究テーマを選ぶ基準は、大きく分けると二つあります。
・面白い
・社会の役に立つ
この二つを両方満たすことの出来る研究テーマは最高だと思います。
最低でも、どちらか一つは満たす研究テーマを選ぶべきだと思います。
そして、面白くない上、何の役にも立たない、ということも...。
こういう研究テーマは選びたくないですねw
基礎研究は役に立つかどうかは分からない事が多いので、面白い・興味があることが重要です。
電気や周波数は、最初何の役に立つか分かりませんでした。
でも、現代では欠かせないものになっていますよね。
合成樹脂や化学繊維もそうでした。
全く関係無い研究から生まれたものも数多くあります。
仕事でも個人の研究でも、僕は色んな事をやってみることにしています。
後になって、全然関係の無い研究や経験が繋がることがあるんです。
そして、そこに軸があると色んなものを繋ぎ、新たな研究テーマを作ることが出来ます。
実際にそういう事が何度かありました。
僕の場合はゲルです。
一見、関係なさそうなセラミックスやカーボンの研究をゲルとリンクさせ、学会で発表しました。
過去にやったことも、今やっていることも、基本は面白いものを選んでいます。
そして、やっているうちに応用の目途がつくと、実用的な目的も出てくるんですよね。
ただ、製品化とか利益が絡んでくると、途端につまらないものになることもありますw
それでも、自分が関わったものなので製品化はとても嬉しいことです。
結局その製品は中途半端に終わりました...。
研究から製品化にこぎつけることは滅多にないことですが、そういうことがあるとがっかりしますね (^^;)
でも、良い経験になりました。