相手の表情、目線、口元、手の動き、沈黙の回数や時間、声の高低、話すスピードなど。
会話する時は、考えていることや思ったことを言葉にして相手に伝えます。
しかし人間は、他者とコミュニケーションをとっているとき、
言語以外から多くの情報を取得します。
相手を理解する割合として、
言語2:非言語8、と言われています。
発達障害の人はこの「8割」から情報を得ることが苦手です。
見ていないわけではないのですが、一般の人と見る場所が違ったり、情報の解釈の仕方が違ったりするため、
行き違いが発生しやすいのです。
②言葉の意味をそのまま受け取るいわゆる
・比喩
・冗談、ギャグ
・暗黙の了解
が苦手です。
例えば「人の命は地球より重い」のような比喩がすぐに理解できません。地球より人間のほうが重いはずはない、と、実際の質量で考えてしまいます。
ギャグや冗談も、その場のノリで出てくることが多い表現ですが、言葉の意味だけを真剣に考えて理解しようとするので、冗談が持つ面白みが理解しづらかったりします。
暗黙の了解も分りません。一般的には「Aという状況になったらBを試すものだ」という不文律を仕組みとして了解出来ないと、すぐに実行に移せなかったりします。
そうした特性のため、
会話ががぎくしゃくしたり、お互いに
意図が伝わらず疲れてしまいます。
③流れに合わせた雑談が苦手「僕、雑談が出来ないんです」
という相談を受けます。
普通に会話出来るし、仕事も出来る。礼儀正しく真面目で、第三者から見るととても優秀なのに、本人は休憩時間などの他愛も無い雑談に入っていけない、または自分が口を挟むことで会話の流れが止まったように感じてしまうことに強く悩んでいました。
雑談って、よく考えると確かに難しいです。
暇つぶしにその場にいるメンバーに合わせて誰もが話に入ってこれそうな話題を選び、かつプライベートに踏み込み過ぎない程度に自己開示したり知識を披露したりする。
聞いている側も相槌を打つ程度には話題について知っている必要があります。
しかし
発達障害の人は、
なんの話をしているのか、を
理解するまでに時間がかかります。やっと理解できたと思った時には、他のメンバーは既に違う話題に移っていたりする。
間に入るタイミングを逃し、ずっと黙ったままになって終わってしまうことも少なくないでしょう。
その経験から発達障害より先にうつ病などへ繋がってしまうケースは少なくないと思います。
発達障害の人のコミュニケーション上の辛さは、
自分の特性を知っているかどうか、によって異なってくるのでは、と思います。
食後ののんびりした時間に今日あったことなどをつらつら話す時、つい思い付いたことをそのまま口にしてしまいます。
話している人間の
脳内では「連想ゲーム」状態になっているのできちんと話は繋がっているのですが、連想部分をすっ飛ばして違う話題にジャンプすると、相手はついて行けません。
それでも一般の人ならそれとなく「察して」違う話題に付き合ってくれますが、発達障害の人はそうはいきません。
さっきまでは今日のランチの話をしていたのに、突然昨日見たドラマの一場面について話始められたら混乱してしまいます。
ただでさえコミュニケーションに苦手意識がある人が多いので、
「自分が理解出来ないのがいけない」と
自責思考に陥ることもあります。
「ラーメンと言えば、昨日見た〇〇のドラマの中でもラーメンを食べる場面があってね」
と、
前の会話と新しい会話の流れが明確になるように話しましょう。