状況が許さず、性格的にも追い詰められてうつ病になってしまい、休養しなくてはいけなくなった時。
必要なものは
「納得」「見通し」「生活基盤」です。
ずっと走り続けてきた人が「止まれ、走るな」と言われても止まれません。止まること、走らないことへの罪悪感や喪失感を感じたり、そもそも止まり方が分からなかったりします。
「休養する」とは、どんなことでしょうか。
会社に行かないことですか? 横になっていることですか? 家から出ないことでしょうか?
「休」という字には、心身をやすめる、一時停止する、そしてよろこばしい、という意味があります。
「養」という字には、育てる、栄養を取る、体力をつける、という意味があります。
つまり、
一時停止して心身を休め、栄養をつけ体力を取り戻し喜ばしい状態にする、ということですね。
決してサボること、怠けること、逃げること、負けることではないのです。
今は休養を必要としている状態にいる、ということを、まずは自分自身が納得する必要があります。
まずは休養が必要だと納得するためには、「休んだ先にどうなるか」が見通せていないと安心出来ません。
見通しは
、「情報収集」と「相談」で構築しましょう。
まず「情報収集」は、
◆自分の病気(うつ病、適応障害、自律神経失調症など)はどんな病気なのか
◆主治医はどういう見立てを立てているか
◆それに対してどんな治療法を施してくれているのか
◆今後どのような経過を辿って回復していくのか
◆一般的にどれくらいの期間がかかるのか
◆回復後はどんな状態になるのか
◆どんなことに気を付けて生活していけばいいのか
◆経験者の体験談
などでしょう。
例えば半年後に元の職場に復帰するとして、それまでにどんな状態に自分を持っていけばいいのか、復帰した自分に対して職場はどんな準備をしてくれているのか、自分はどんな段階を踏んで職場に復帰していくのか。
また、関係各所との相談も必要です。具体的には主治医、家族、職場です。
◆自分が休養している間、それぞれがどんなことをしてくれるのか
◆逆に自分には何が期待されているのか
◆それに応えるためには何が不足しているのか
◆不足を補うためにはどんな方法があるのか
など。
青写真が見えていると、休養への不安や不信感が低減されます。
もっとはっきり言うと「生活資金」です。
休養していても家賃、食費、光熱費、社会保険料、通院費や薬代、その他もろもろお金がかかります。
休職中に
傷病手当金等が貰えるよう手配出来ていればいいですが、個人事業主等で
国民健康保険に加入していれば傷病手当制度はありません。
貯蓄と自分以外の同居家族の収入、実家等からの援助などを含め、<2>の見通しと照らし合わせて、必要な資金が得られるか、削れる部分は無いかを検討する必要があります。
ここは家族との相談になるでしょう。
また、公的サービスを利用できるかどうかは、家族だけでは判断は難しいです。市役所等の相談窓口の利用、ソーシャルワーカーへの相談、ファイナンシャルプランナーのようなお金のプロに相談することも方法の一つです。
とりあえず〇カ月休んでも生活は大丈夫、自分にはやることがあるから、それを続けながら〇カ月後に復帰するために今はしっかり休もう、と考えられると、最初に色んな人から言われた
「安心して休養しましょう」が実行できるようになります。