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ケアラーに役立つピグマリオン効果

「ピグマリオン効果」と言う言葉をご存じでしょうか。「教師期待効果」とも言います。 人は期待されると少なからず気持ちが前へ向くものです。その心理を活用した教育・コミュニケーションの態度です。 今回は、ケアラーと要支援家族との間で役に立つピグマリオン効果の使い方を考えてみました。 1.ピグマリオン効果とは ピグマリオン効果とは、他者からの期待を受けることでその期待に沿った成果を出すことができるという心理効果のことをいいます。アメリカの教育心理学者ローゼンタール氏が発表した心理学用語で、「教師期待効果」や「ローゼンタール効果」とも呼ばれています。(SmartDB)教育や育成の場で使われることが多い言葉です。 相手に対して効果的な期待を持って接することで、それに沿った成果を出してくれる、と言うものです。 教育、というより、コミュニケーションの理論ですよね。 こちらに対して良い印象や期待を持ってくれている、と言うことが理解出来れば、多少難しくても「やってみよう」「頑張ろう」「期待に応えたい」と考えるものです。 コミュニケーションの問題なら、ケアラーと要支援家族の間でも成立するのでは、と考えました。 家族をよく見て、その人に対する肯定的な期待を意識的に強く持って接することで、双方にとって良い結果が生まれるのでは、という仮説です。 2.ケアラー⇒要支援家族間での方法 ≪事例≫うつ病による睡眠障害の影響で朝家族と同じ時間に起きられないことを悩んでいる要支援家族①今の本人の状態を把握する まずうつ病自体がどの程度改善しているか、を考慮する必要があります。 まだ初期段階の重い時に期待をかけるのは相
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うつ療養中の過ごし方 ④家族側の心得とQ&A

今回は「うつ療養中の過ごし方」シリーズの最終回です。うつ療養生活の中で家族の方に覚えておいていただきたいこと、うつ療養についてよくある疑問について考えてみました。1.うつ療養中の家族側の心得5つ①時間を味方にする辛い時、しんどい時は、えてして「きっとこれが良くなることなんてない、ずっとこの状態が続くんだ」と思い込んでしまいがちです。状況が悪いときは思考が硬直化しているので、冷静になって効果的な対策を取ることが出来ません。でも「なんとかしたい」という気持ちはあるから、思い付いたことを色々試したりしませんか?辛い中必死でやった対策がほとんど効果が無いと、更に気持ちが凹んでしまいます。その時は、「ずっとこの状態が続く」ということはない、と、思い出してほしいです。すこーーしずつかもしれませんが、必ず状況は変化します。そして人は良くも悪くも馴れる生き物です。うつ療養の辛さにも「耐性」が付いてきます。馴れてきたこと、初期から少しは変化したうつの症状を見て、冷静さが戻ってきます。冷静になれれば具体的で現実的(=ポジティブ)な対策を考える余裕が生まれます。その時に共通しているのは「時間の経過」です。放っておいても勝手に経過してくれるのが時間です。辛い時は時間の流れに任せましょう。②うつ病の人の話を遮らないうつ病の人と会話をする時、「何か相手にとって有益なことを言ってあげなければ」と意気込み過ぎて、相手の話を遮ってしまう場合があります。特にうつ症状が重い時は、思考がゆっくりになって、言葉が出てくるのもゆっくりで、話にもまとまりがなく、『結局何を言いたいんだろう?』と、聞いていてじれったくなったり
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うつ療養中の過ごし方 ②家族の役割

前回は「うつ療養生活で必要な条件」について5点考えてみました。今回は「家族の役割(出来ること)」について、掘り下げてみたいと思います。「うつ療養に必要な条件5つ」に対して家族が出来ること①通院、服薬通院は、最初は一人では行きづらい人もいます。まだ主治医に対して気を許せていないと、何か嫌なこと、自分を傷つけるようなことを言われるのでは、という不安が強かったり、通院する途中で周囲の目が怖かったり、一人だけだとドタキャンしてしまうこともあります。病院側はそうなる事態も予想しているので、もし行けなかったとしても予約を取り直せばいいだけなのですが、「予約日時に無断キャンセルしてしまった」という事実が本人を必要以上に責めてしまうこともあります。もし都合がつくなら、待合室まででもいいので同行出来ると安心でしょう。また服薬についても、飲み忘れや勝手に服薬を中断する人もいます。飲みたくないならその理由(副作用、抵抗感など)を含めて主治医に相談したほうがいいです。飲んだり飲まなかったりを繰り返すと、効果が出てくる前に「やっぱり効かない」と、間違った学習をする可能性もあります。「今日の分、飲んだ?」と声をかけてみましょう。②睡眠、食事まず一番影響が出るのが「睡眠」だと思います。入眠剤を処方されても眠るタイミングがつかめず、結局朝方まで布団の中で目が開いていた、ということも珍しくないです。当然、夜眠れないので朝から寝入ってしまい、生活リズムが狂います。それでも、全く眠れないでいるほうが危険なので、最初のうちは昼夜逆転でも眠れているならOK、と、緩く見守ることをおススメします。そして入眠剤の効果が期待し
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うつ療養中の過ごし方 ①回復までの変化と必要条件

うつ病から回復するためには、療養中をどう過ごすか、がポイントになるのは皆さまご存知の通りです。では、実際にはどう過ごせばいいのか、どんな生活になるのか、など、疑問も多いと思います。今回は、自分の経験も含めて、◆うつ発病⇒回復までの変化◆何が必要か(うつ病本人にとって)◆家族が出来ること◆セオリー通り進まないのがうつ療養の現実◆セオリーから外れた時はどう対処したらいいか◆家族の方に覚えておいていただきたい5か条◆Q&Aを、3回にわたって考えてみたいと思います。1.うつ発病⇒回復までの変化うつ病とは、仕事や趣味は言うに及ばず、日常生活の全てに対して取り組む意欲も気力も根こそぎ奪っていく病気です。なぜうつ病になるのか、の原因は人それぞれですし、病気としてのメカニズムは医療のご専門に譲るところですが、うつ病の家族を1対1で見続けてきた経験者としては、発病から安定までの経過はこんな感じだろう、というのが以下の図になります。大きく全体で見ると、直線のように順調に回復しているように見えますが、実際は細かい上下を数えきれないほど経験します。小さな上下もあれば、大きな上下もあります。大きく落ちる(下がる)時は、「前より悪くなったかもしれない」「今までの苦労はなんだったんだ」「もしかしたら治らない、ずっとこの悪い状態が続くのかも」のようにも考えて落ち込んでしまうでしょう。うつ病本人も、家族も。ですが、回復し始めると波の上下が大きくなる、というのがうつの特徴でもあります。「悪化した」のではなく、「精神活動が活発になってきた」のです。勿論いいことなのですが、ここしばらくは反応していなかったこちらの言動
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家族のうつから得られるものとは? ②心的外傷後成長

前回は「家族のうつ生活から得られるもの ①心の動きと回避したいもの」というコラムで、家族がうつ病になった時、多くの家族が辿るだろう心の動きについて考察しました。色んな体験や周囲の意見、自分の中の葛藤を経て現状に適応したとして、その適応が薄氷の上にあるなら、何かの拍子でまた元の不安定に戻ってしまったり、「また辛かった時にもどってしまうのでは」という不安に付きまとわれてしまいます。家族のうつ病というトラウマ的体験の先に何が得られるのか、を知って、「適応段階」の更に上を見つめることで、心の安定はより盤石になっていくのでは、ということを、心的外傷後成長の理論に沿って考えてみました。1.適応段階の先にある「心的外傷後成長」心的外傷後成長とは、●トラウマ的体験(地震や戦争被害、災害、事故、性的被害など、その人の生命や存在に強い衝撃をもたらす出来事)後にみられる心の成長●辛く苦しい経験をきっかけとした心の成長を指します。災害や事故に遭遇した人が、その後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症することがあるのは広く知られています。しかし、辛い経験をした人の全てがPTSDを発症するわけではありません。それと同じように、辛い経験をした人の全てがPTGに至る、ということでもありません。自分の人生観を一変させるような経験をした後に、その状況をどのように受け止めるのか、によって変わってきます。また、その間にいくつかの必要な要素が加わることでも変化します。うつ病になってよかった、という意味ではありません。家族(または本人)がうつ病になった、という経験を通して、新たな価値観や認知(ものの見方)を獲得するこ
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家族が出来るうつ病ケア術4つ

家族がうつ病になると、「自分にも何か出来ることはないか」と色々考えると思います。うつ病ケアに必要なものは色々ありますが、では家族が出来ること・家族しか出来ないことは何か、をまとめました。1.うつのケアに必要なものうつ病を改善するために必要なものは、以下の5点です。①専門家による治療(服薬、心理療法)②十分な休養(身体、メンタル両方)③周囲の理解④療養に適した環境調整⑤生活改善そして、うつ病を改善するためには、様々な人・機関が関わってきます。①病院②カウンセラー、その他悩みの相談機関③勤務先④市役所をはじめとした公的機関⑤うつ病本人⑥同居家族⑦その他家族、知人友人、ご近所さんうつ病の症状や回復度合い、発病してからどれくらい期間が経っているか、などによって、必要なものや関係者も変わってきます。しかし、唯一変わらないのは、本人と同居家族です。2.関係各所の役割うつ病療養のメインは当然うつ本人ですが、病院(主治医)の関与も絶大です。ただし、「主治医が全部解決してくれる」と思わないようにしましょう。なぜなら医師は、病気かどうかを診断して、それに必要な治療(投薬、療法、指導)を行うのが仕事だからです。うつ病が理由で家族とのケンカが増えた、復職後の不安、生活資金の枯渇、など、うつ療養中には色んな問題や悩みが出てきますが、主治医がそれを聞いてくれるとは限りません。アドバイスはもらえるかもしれませんが、本来は医療の範疇外です。病院→病気の症状への対処をするところカウンセラー→心の悩みなど、うつ病に付随して発生した問題を相談するところ勤務先→休職~復職後の処遇を相談するところ公的機関→療養中に利用
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うつ病療養に環境調整は重要

「(自分が・家族が)うつ病になったらどうすればいいか」については色んな情報が出ています。どれもすべて本当だと思います。ただ、抜け落ちているものがあります。それが「環境」をどうするか、という視点です。「うつ病の間は大事な決断をするな」というのもよく聞く言葉ですが、大事な決断をしてはいけない=環境を変えてはいけない、と思われがちです。その為に長引かせてしまっている人、回復しても再発してしまう人も多いと思います。うつ病と環境について考えてみました。1.うつ病には環境が大きく影響するこれは誰もが認めるところだと思います。うつ病は、うつ病になった人単体で発生する病気ではありません。ライフイベント(人生の中の重要事)が重なったり、合わない人達の中で無理をしたり、過重労働が続いたり、といった外部環境の結果として発症する病気です。しかし、うつ病になった時、まず最初に「ゆっくり養生して、うつ病が回復するまでは重要な決定は先送りしましょう」とアドバイスを受けます。具体的には、転職、転居、別居、離婚、離別等の決断をしないように、ということです。これは、うつ病が重い時は、自分にとって本当に良い選択とはなにか、を考えられる精神状態ではないこと、思考力が落ちていること、余裕がないことで、間違った選択をしてあとで後悔しないように、という意味です。それは本当にその通りなのですが、その言葉に縛られすぎている人も多いように見受けられます。パワハラ上司のせいでうつ病になったのに、復職後もその上司の下で働くことが決まっていれば、安心して療養することなどできるはずがありません。2.「何を変えるか・変えないか」はうつ病の
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うつ病と共倒れしないためには

うつ病は厄介で難しい病気です。目に見えないから調子の悪さを周囲に理解されづらいし、周囲も正確に状況を把握できない。本人に聞くのが一番だけど、状態によっては話せないときもある。わからないからこそ、周囲は不安が増大しすぎて、自分を省みる暇もなく心配し続ける。その結果訪れるのが「共倒れ」です。1.共倒れに繋がるものは?うつ病で苦しんでいる人がすぐそばにいるのに、「自分の趣味も大事に」と言われてその通りに出来るでしょうか。自分のケアをしたいのはやまやまだけど、そう出来ない事情のほうがたくさんあるのです。だから「とりあえず」、自分の不調や疲れやストレスは見なかったことにして、うつ病の家族のケアに奔走する。生活リズムも休日の予定も食事のメニューまで、全て相手に合わせる。そこまでするの?と、他人から言われるかもしれませんが、そこまで「せざるを得ない」環境になってしまうのです。そうした時期が、どのうつケア家庭にも一時期はあると思います。そのせいで、うつ病の人とその家族が「一心同体」になってしまいます。どう対応したらいいかわからないために、不安を解消するために、身も心も密着してしまいます。二人三脚以上です。その状態では、うつ病の症状がよくなったとしても、家族側が不調になれば同時に転んでしまいますよね。2.どこかで分離しなければいけない距離をとりたくても取れない状況で、他人から「もっと自分を大事にしなよ」と言われても、「そんなのは分かってる!わかってるけど出来る状況じゃないの!」と心の中で叫んでいます。その通りだと思います。ただ、どこかで「出来る状況」へとシフトしたいですよね。密着しすぎが問題なの
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安心して休養するための3要素

 うつ病になるとまず言われることは「ゆっくり休養してください」ということ。医師も、会社も、家族も、友人もそう言ってくれるでしょう。 しかし、言われたからといってすぐに「安心して」休める人などいるでしょうか。 会社で休職の手続きが済んでも、出社しなくて良くなっても、心では会社と同じリズムを刻んでいませんか?もうみんな仕事始めてるな、あのプロジェクトはそろそろ納期だったはずだ、今週の会議は何を話し合ったのだろう、などなど。 これで安心して休養することなど、果たして可能でしょうか。 そもそも言われてすぐ実行できるなら、うつ病にまで発展していないでしょう。 状況が許さず、性格的にも追い詰められてうつ病になってしまい、休養しなくてはいけなくなった時。 必要なものは「納得」「見通し」「生活基盤」です。1.休養することに「納得」するずっと走り続けてきた人が「止まれ、走るな」と言われても止まれません。止まること、走らないことへの罪悪感や喪失感を感じたり、そもそも止まり方が分からなかったりします。「休養する」とは、どんなことでしょうか。会社に行かないことですか? 横になっていることですか? 家から出ないことでしょうか?「休」という字には、心身をやすめる、一時停止する、そしてよろこばしい、という意味があります。「養」という字には、育てる、栄養を取る、体力をつける、という意味があります。つまり、一時停止して心身を休め、栄養をつけ体力を取り戻し喜ばしい状態にする、ということですね。決してサボること、怠けること、逃げること、負けることではないのです。今は休養を必要としている状態にいる、ということを、まず
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うつ病の見守りの難しさ -持続可能なうつ療養とは-

家族がうつ病になった時どうすればいい?という疑問に答えてくれる書籍や情報はたくさんあります。そこにまず第一に言われることは『焦らずゆっくり見守りましょう』です。本当にその通りで、本人もまずはそれを望んでいるのだと思います。ただ、正しいことでも、額面通りそのまま実行し続けることは難しいです。なぜ難しいのでしょうか。実際にはどのように『見守る』ことが出来るのでしょうか。1.難しい理由①:先が見えないうつ病になったばかりの時は、本人も家族も非常事態に対応することで頭がいっぱいです。そんな時に、あれもこれもやれ、と言われても、精神的に余裕がないので無理です。とりあえず何はともあれ『ゆっくり休んでもらう、家族はそれを見守る』という方法は実行しやすい対応です。暫く続けているうちに、『これっていつまで続くのだろう』という疑問が芽生えます。そしてその疑問に答えてくれる人はいません。2.難しい理由②:自分の疲れもたまってくるうつ病は、そう簡単には改善してくれません。難しいことを色々やらなければいけない、というよりも、とにかく時間がかかります。しかし初体験なら、『ゆっくり』といわれても、どれくらいが『ゆっくり』なのかが分かりません。どうしても自分の都合に合わせた尺度で期間を見積もってしまいますが、それより長くなるケースがほとんどです。そうなると、心の準備が出来ていないため、家族側の心身の疲労が蓄積していきます。そして見守る余裕がなくなっていきます。3.難しい理由③:うつの波うつ病には『波』があります。落ち込む時期、どん底で停滞する時期、浮上し始める時期、回復期。大きな波の間に、更に小刻みに上下しま
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