アカデミック考察(その2)金利が下がると債券価格はどう変化するのか?

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国や政府、企業が資金調達のために発行する債券。

元本が保証されている金融商品だと言われていますが、実際は債券価格が市場金利の動向により変動するとともに、変動に伴って投資収益を変えると言われています。

第2回のアカデミック考察では、金利が下がった場合、債券価格がどのように変わるかについて解説します。

債券と金利は反比例の関係

結論から言うと、債券の市場価格と金利(利子率)は反比例の関係です。

債券にはクーポン付きの利付債券とクーポンなしの割引債の2種類がありますが、いずれも債券と金利は反比例の関係にあります。

つまり、この反比例の関係を問いに当てはめると、金利が下落する場合は、債券価格は、上昇するのです。

さらに、この関係性を、計算式に表すと以下の通りになります。金利と債券価格の関係性をわかりやすくするため、債券は、満期がなく、毎期の利払いが永久に続く永久債券に設定しました。その上で、債券価格はP、金利はi、毎期に支払われる利息はdと表現しました。

P=d/(1+i)+d/(1+i)*2+d/(1+i)*3+...

さらに、右辺は、毎期の利息dが、1+iの比率で割り引かれて無限に続く等比数列であるため、

P=d/(1+i)+d/(1+i)*2+...=d/i

と表せます。これにより、債券と金利の関係は、分子を分母で割る反比例の数式であることがわかりました。

債券と金利の反比例の関係を表した数値例

新たに設定した数値例では、発行時の債券価格が100円、利率は3%とします。

この場合、反比例の計算式は、100=3/iとなるため、i=0.03。つまり、金利は3%という計算結果となります。

続いて、金利が2%に低下したと仮定した場合の債券価格を算出します。金利が低下した後の債券価格をPとすると、計算式はP=3/0.02となり、P=150。

これにより、金利が3%から2%に減少した時は、債券価格が発行時の100円から150円に上昇するということがわかりました。

以上の計算結果を踏まえると、金利が減少した時は、債券価格が上がり、投資対象としての魅力も上がるという結論が導き出せます。


私は、上記のように、アカデミックレポートの例文制作を手掛けています。経済学を中心に対応いたしますので、お気軽にお声がけください。


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