気楽に読んでください、呼吸のおはなし ~その96~

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本日もお読みくださり誠にありがとうございます。
今回もどうぞ宜しくお願い致します。
世間に対する文句ばっかりの内容が続いておりました。
このブログ、基本そうなのかもとやっと気付きました。
今日はその反省も踏まえて、もう少し直に呼吸の話を書きたいと思います。
気楽に読んでもらえるかは分かりませんし、文句たれてる方がまだ面白いかも知れませんが。
もしも今、履歴書も自己紹介も一切不要の面接をやるとします。
一人、体一つで立っているか椅子に座っているかで、面接官と対峙しているのです。
勿論ジェスチャーで何かを表現したりも無しで、余計な動きはせずにただそこに居ることが面接の条件となります。
こんなシチュエーションに放り込まれたとして、もしも皆さんが面接官であれば、一体受験者の何処を、何を注視し感じ取ろうとするでしょう。
また、もしも受験する側であったなら、何を拠り所としてそこに居て、何を持って自分の人となりを分かってもらおうとするでしょう。
いや、分かってもらうも何も無くて、何が何だか分からず佇むだけになってしまったとしても、きっと何らかの " 情報 " は漏れ出てしまうであろうことは容易に察しが付くと思いますが、では一体何処から何が、情報として漏れ出てしまうのでしょうか。
皆さん其々に、詳しい場面設定・条件設定をしてみてください。
ご自身が何かを計画し、その協力者を探しているとして、このように書面も挨拶も無しで条件にマッチしそうな人を選ぼうとした時、相手の人の何処を見て、何を感じ取りたいですか。
その同じ場面で反対に自分が見られる立場になった時、自分が求めていた何かを、自分は発散していそうですか。もしも出来ているとして、それは何がどう出来ているのでしょう。もしも出来ていなかったとしたら、何が物足りないということなのでしょうか。
勿論これは、もしこんな面接を本当にやるとしたらの話ですが、敢えて相手をしっかり見ないこともあるでしょう。じっと目を閉じていた方が、相手の醸し出す何かや、そして、呼吸がよく感じられるかも知れません。
人はどのように地面と接しているかによって、背骨の勢いまでが変わります。
体中に呼吸の動きが波及している時、どんなに衣服を重ねて着込んでいても、それは表層部にまで滲出し、見る人が見れば充分に把握可能な具体性の高い運動となります。
ここには、それまでの人生で経験したことが恐ろしい程正確に表れてしまいます。
当然、理屈やなんかでは理解し得ない感覚の世界です。
緩んだ顎で、ある意味ボーっとして、先入観を持つ位なら他の全く関係の無い事に気を取られてた方がよっぽど捉まえ易い、それ程にちょっと普通では無い、常識の通用しない、そんな世界。
しかしこんな世界の奥にこそ、本当の意味での動かし難い " 常識 " は隠れているのかも知れません。
" 骨抜きにされる " という状態があるとするならば、そうじゃない状態を具体的に自分の中に築いてみます。
立ってやっても座ってやっても構いません。
下っ腹のなるべく低い位置の正面、体のすぐ近くで左右の手首辺りをクロスさせて上下に重ねます。
筋力を過剰に使うこと無く、手首と手首を柔らかく、しかししっかりとググっと密着させます。恐らく体はそのことで吸気をし、圧を緩めると呼気となる筈です。
このようにして、左右の手首の上下関係を順繰りに代えながら背骨を伝うように上へ上へと積み上げて行きましょう。
この動きは以前にご説明した、背骨は吸気で縮み呼気では伸びるというリアルな動きを、体の外側で手首が象徴的に見せてくれている、そんな意味合いを持っています。
急ぐことなく一呼吸一呼吸じっくりと感じ味わいながら、背骨の高さを超えて顔の前や、それをも通過して頭の上の方まで手首の積み上げを続けても一向に構いません。
そうして一通りやり終えた後の、ご自身の背骨そのものの存在感を更にゆっくりと時間を掛けて感じ味わってみてください。
どうでしょう、その躍動感とか温かさとかそういったものと比べたら、あんな履歴書なんかただの紙切れだと感じませんか。書く立場にせよ読む立場にせよ。
挨拶や自己紹介の以前に、既に体は、呼吸は、其々が背負った歴史、歩んで来た道のりを象徴するように発散し物語っているのです。
ここには、嘘や誤魔化しが入り込む余地などほんの数ミリも無いのです。
ということで、現代社会は個人情報の漏洩に関しては超神経質にならざるを得ない厄介極まりない状況です。
だからでしょうか、はっきりとした理由は分かりかねますが、このような体が背骨が発する個人情報、アイデンティフィケーションも、殆どの人が伏せて俯いて、敢えて骨抜きの状態を自ら選択して生きておられるのかも知れません。
本日も最後までお読みくださりありがとうございました。
次回もまた、どうぞ宜しくお願い致します。

つづく
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