気楽に読んでください、呼吸のおはなし ~その38~

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昨日はちょっと調子に乗り過ぎて、普段やっている呼吸の方向性と表現への架け橋のような、やや込み入った内容となってしまいました。
特に、施術者は自分自身の息を滞らせること無く相手に接しながらも、その呼吸に相手を巻き込んではいけないし、また、相手の呼吸に巻き込まれてもいけない、などと、相当難易度の高い要求がそこには書かれています。
さて、今日はもう少しシンプルな話へと、ブログのタイトル通りに回帰させましょう。
“丹田”って言葉、お好きな方、多いんじゃないでしょうか。
あの懐かしの、腹式呼吸に似た呼び名で、"丹田呼吸"なんて言ったりもしますね。
丹田とは?といった説明は、検索すれば上手な説明にきっと直ぐに辿り着けると思いますが、僕がしょっちゅう感じる、「この感覚を、ある人達は丹田と呼ぶんだろうな」というお話を、何回かに分けてさせて頂きます。
そこで先ず、仙骨という骨と知り合いになりましょう。
骨盤というエリアの背中側ど真ん中にある、亀の甲羅みたいな骨が仙骨です。
椅子に座ってやりましょう。
仙骨に手で触れると結構のっぺりとした感じを受けるかも知れません。
撫でたり、パンパンと軽く叩いてみたり、裏拳でコンコンとノックしてみたり、居場所を確かめたなら、両掌を重ねて、温めるように感じてみましょう。
丁寧に時間を掛けて、両方の手でじっと、仙骨を感じます。
この時、所謂良い姿勢に拘らないことです。
上体が前傾しても、少々猫背気味になっても気にしない。
腹式呼吸を集中攻撃した回では、お腹も確かに呼吸と共に動いてますと言いました。そう、お腹だけが動いてる訳では無いと。
それで、今両手をあててもらっている仙骨、ここも動いてるんです、当然ながら。
同じ骨盤のエリアでも、前側のお腹には壁のような形状の骨はありませんので、柔らかな動きが感じ取り易かったでしょう。
それに比べて後ろ側は、仙骨や腸骨といった骨の塊を介するので、お腹のような動きの伝わり方とは違い、地味~~~に平板な動きとして伝わって来ていると思います。
人によってはそれを、“動き”というカテゴリーになかなか入れようとしない場合もある位に、微細なムーブメントと言えます。
今はそれを、ひたすらに味わって頂きたいのです。
そして今度はこれを、パートナーと協力して交互に感じてみましょう。
やり方は極めて簡単。
一人がうつ伏せで寝て、もう一人が相手の仙骨に片手を置く、たったこれだけです。
肩の力を抜いて、楽な姿勢で座って、掌を仙骨に押し当てるのではなく、そっと置いてあげます。
今は色んな健康志向の本が出回っていて、その中には骨盤矯正のこともたくさん書かれていたりするでしょう。
今やっている仙骨へのお手当は、これだけでも仙骨と腸骨の位置関係の調整になってしまうことがある位、手軽で深いケア、リラクゼーションとなります。
やってもらってる方は、かなりの確率で眠り落ちそうになります。
出来れば眠らずに、掌が置いてある自分の仙骨の存在と、そして、呼吸と共にまるでリフトとかジャッキのように力強く上下動している様を味わう方が良いと思います。
そして何よりも、寝てしまうと交代出来ないでしょ。
これ、本当に気持ち良いし簡単なので是非やってみてください。
ホントに寝てしまわない位のある程度長めの時間を経過したら、座り直して今一度ご自身の呼吸を感じてみます。
どうでしょう、きっと、この作業をやる前よりも、仙骨も呼吸と共に動いてることが嘘では無いと認め易くなっているのでは無いでしょうか。
パートナーの人も、自分が仙骨に手を置いてあげたことによって、相手の骨盤辺りの動き、体全体の呼吸の仕方、その人の醸し出す雰囲気全般に渡って変化が無いか、優しく感じ取ってみてください。
きっと、色んな発見があると思いますから。
昨日までの内容に比べると簡単過ぎて物足りないかも知れませんね。
でもここで養った感覚が、巷では丹田と呼ばれているであろう、あの辺りの探求探索に確実に役立ちますから。
そしてその感覚を見出した時、あなたはそれを無理に丹田なんて呼ばなくても良いのです。
明日も続きを楽しみにしていてください。

つづく
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