気楽に読んでください、呼吸のおはなし ~その37~

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呼吸によるセルフケアからパートナーワークへと、結構ハイペースで勝手に書き進めてますが、大丈夫でしょうか。
特にパートナーワークの方は、確かに誰か自分以外の人の呼吸に関与することは間違いのない事実ですので、その相手を自在にコントロールするようなことになってしまわないように、充分に注意する必要があります。
人間の裏の欲求が、あらぬタイミングで無意識の内に顔を覗かせることなどザラですので、本当に、慎重に、用心してもらいたいと思います。
相手の呼吸を尊重し、そして自分も緊張し過ぎないようにこのようなワークに取り組もうとして、多くの人が陥りがちなことがあります。
それは、自分も一緒のタイミングで呼吸して、それに合わせて相手の肩も上げ下げするというものです。
これは一見同調してお互いに心地良さそうに思われるかも知れませんが、呼吸には人其々の個性があり、もう少し突っ込んだ表現に替えると癖を持っています。
自分も一緒に呼吸を合わせて施術してしまうと、知らず知らずの内にその超個人的な事に相手を巻き込んでしまう事にもなりますので、そこはそうならないよう、気を付ける必要があるのです。
どうです、気楽に読んでくださってますか。
それで予告通り、昨日のワークにもうひと手間加える話へと進んで参ります。
一回、或いは数回、相手の肩を相手の呼吸を尊重しながら上下させ終わったら、左右両手の指をお互いに緩く組んでアーチ形を作り、それを相手の肩に上から掛けます。
傍から見ると、一人の人がもう一人の人の肩にお祈りでもしてるような光景に見えるかも知れません。
施術者は充分肩の力を抜いて、相手の肩に自然な重み、というか存在感を与えてあげます。
受け手側からすると、自分の肩の重みや存在感にプラスして、施術者の両手の存在が更に下方向へのベクトルを示唆して来ます。
施術者は、相手の体幹の様子、詰まりは両手の重みに負けそうになっていないか、体がぐしゃっと折れそうになっていないかを確かめて、もし平気そうであれば、更に圧をほんの少し足して、下方向へのベクトルを強くしてみます(※決してムキになって力ずくではやらないでくださいね)。
そうすると、受け手側では何が起きるかと言いますと、外圧に対する抵抗のエネルギーが発動します。
今ご説明したような、ゆとりを持って充分に耐え得る位の圧に対して、地面にそっと置いてある足・脚から坐骨や骨盤全体に渡る支えのエネルギー、そして椎骨と、絶妙なる協力体制が整って、姿勢を構築するエネルギーが瞬時に活性化するのです。
腹筋や背筋の意識はゼロです。
完全に集合バランスで、外圧に抵抗するのですから。
これは、色んな意味で押され弱い性格の人には特にお勧めのワークです。
どんな時も、少なくとも自分一人のスペースに真っ直ぐに存在する権利を万人が持っています。
溢れんばかりの才能を上から抑え付けて摘みに掛かって来るような力には屈するべきでは無く、その力を地球の未来の為に開花させる必要があります。
別に施術者が悪役を演じる訳ではありませんが、一人で体と対話しているだけでは気付き難い秘めたエネルギーに目覚めてもらう、そんな深淵なる意味を含んでいるのがこのワークです。
この間の呼吸は完全に自由。呼気とか吸気のタイミングは一切気に掛ける必要はありません。
相手の両手の圧を下半身から一体となって、受け入れてみてください。
受け入れることで筋トレで扱うような力とは全然別の世界観で、姿勢の維持を実現している自身の姿に出会うことが叶います。
体の深い処から立ち昇って来るその純度の高い力、人によってはそれを、勇気と呼んだりするのかも知れません。

つづく
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