サブリース契約中の家賃、相場より安くなっていませんか?今の市場賃料を確認する意味

サブリース契約中の家賃、相場より安くなっていませんか?今の市場賃料を確認する意味

記事
コラム
最近、
「マンション価格がかなり上がっている」
「家賃も上昇している」
というニュースを目にすることが増えました。

実際、2026年7月のアットホームの調査でも、賃貸マンションの平均募集家賃は、東京23区をはじめ首都圏の全エリアなど、多くの地域・面積帯で前年同月を上回っています。東京23区ではカップル向きマンションが14カ月連続で2015年以降の最高値を更新するなど、賃料上昇が続いているエリアがあります。

売買についても、2026年7月の首都圏中古マンション平均価格は5,928万円となり、前年同月比・前月比ともに24カ月連続で上昇しています。

では、物件を所有している貸主さんの賃料も同じように上がっているのでしょうか。

実際に賃貸の現場で動いていると、意外とそうでもありません。
何年も同じ賃料のまま貸している物件は、まだまだあります。

特に、
「管理会社に全部任せている」
「サブリース契約だから毎月決まった賃料が入ってくる」
という貸主さんほど、
自分の物件が今、市場に出たらいくらで貸せるのかを確認する機会が少ない
ように感じています。


大手では賃料改定がかなり目立つようになった

最近、賃貸募集を見ていて感じるのが、更新時に賃料改定を行う物件が
以前より目立つようになったことです。

特に大手や中規模のデベロッパー、賃貸マンションを多く保有している会社などでは、
「現在の市場賃料はいくらなのか」
を定期的に確認し、更新時に賃料改定を提案するケースがあります。

もちろん、何でも値上げすればいいという話ではありません。

ただ、
周辺の1LDKが12万円から13万円へ上がっているのに、
自分の物件だけ10万5,000円のまま。

同じマンションの新規募集は11万円なのに、現在の契約は9万5,000円。
という状態になっているケースはあります。

長く入居してくれていることを考えて、あえて賃料を据え置く。
これも立派な貸主判断です。

ただ問題なのは、
「相場より安いと分かったうえで据え置いている」のか、「現在の相場を知らないまま据え置いている」のかです。

この2つはかなり違います。

最近、立て続けに2件の賃料査定相談がありました

最近、偶然ですが立て続けに2件、
「今の家賃が妥当なのか見てほしい」
というご相談がありました。

どちらも、
「もう少し賃料を上げられるのでは?」
と貸主さん自身は感じていました。

しかし管理会社へ相談すると、
「値上げすると入居者が退去する可能性があります」
と言われる。

さらに、
「退去したとしても、次の入居者がすぐ決まる保証はありません」
とも言われる。

貸主さんからすると、退去リスク+空室リスク
を同時に言われるわけです。

そうなると、
「それなら今のままでいいか……」
となってしまう気持ちも分かります。

もちろん管理会社の説明自体が間違っているわけではありません。
賃料を上げれば、退去のきっかけになる可能性はあります。
退去したからといって、次の入居者が翌日決まる保証もありません。

ただし、ここで一つ確認したいことがあります。
そもそも、今の賃料が市場と比べていくら安いのでしょうか?

ここを確認せず、
「退去するかもしれないから現状維持」
と決めてしまうのも、少しもったいないと思います。


実際に査定すると3,000円、5,000円の余地があった

今回ご相談いただいた2件について、周辺募集を確認しました。

同じような、
・エリア
・駅距離
・築年数
・広さ
・間取り
・設備
・建物グレード

などを比較しました。

その結果、
1件については、現在より月額3,000円程度
もう1件については、月額5,000円程度
賃料を上げても、市場から大きく外れない可能性があると判断しました。

月3,000円というと、
「それくらいなら今のままでもいいかな」
と思うかもしれません。

しかし、
月3,000円なら年間36,000円。
10年間なら36万円です。

月5,000円なら年間6万円。
10年間では60万円になります。

もちろん、その間ずっと同じ条件で貸せるという意味ではありません。
空室期間、修繕費、入居者募集費用などもあります。

ただ、毎月数千円の差でも、保有期間が長ければ決して小さな差ではない
ということです。

「上げられる」と「上げるべき」は別です

ここは非常に重要です。

賃料査定をした結果、
「5,000円くらい上げられそうです」
となったからといって、必ず5,000円値上げした方がいい
という意味ではありません。

例えば、現在の入居者が、
・長期間住んでいる
・家賃滞納がない
・トラブルがない
・丁寧に部屋を使っている
という優良な入居者であれば、
無理に満額を求めないという考え方もあります。

市場では5,000円上げられそうでも、
「今回は3,000円程度の相談にしよう」
でもいいと思います。

あるいは、
「今回は据え置いて、次回退去したときに新規募集賃料を上げよう」
という判断もあります。

大切なのは、市場賃料を知ったうえで、自分で判断することです。

管理会社の意見だけで決めなくてもいい

管理会社は、貸主さんにとって重要なパートナーです。

日常の入居者対応、家賃回収、設備トラブル、退去立会いなど、
さまざまな業務を行っています。

そのため、
「管理会社の言うことを信用してはいけない」
という話ではありません。

ただ、立場が違えば判断基準も少し変わります。

管理会社としては、
現在問題なく入居している人がそのまま住み続けてくれる方が、管理は安定します。

賃料を3,000円上げるために退去され、
新しく募集し、
内見対応し、
原状回復をして、
新しい契約をする。
こうした負担やリスクも考えます。

これは当然です。

一方で貸主からすると、
物件の収益性を長期的にどう考えるか
という視点も必要です。

だから、管理会社の、「退去するかもしれませんよ」
という意見も聞く。

その一方で、
「現在の市場賃料はいくらなのか」
も別に確認する。

この両方を見て判断するのが一番良いと思います。


サブリース契約中なら、さらに一度確認してほしい

特に今回お伝えしたいのが、サブリース契約をしている貸主さんです。

サブリースでは一般的に、
所有者 → サブリース会社 → 実際の入居者
という関係になります。

そのため、
実際の入居者がいくら払っているのか。
今、新規募集したらいくらになるのか。
周辺相場がどのくらい上昇しているのか。
こうした情報を、貸主さん自身が日常的に確認しなくなることがあります。

毎月決まった賃料が入っていると、
「特に問題ないからそのままでいい」
となりやすいからです。

ただし、5年前に決めた賃料と現在の市場賃料が同じとは限りません。

ですから、
数年に一度くらいは「この部屋を今日募集したらいくらで貸せるのか」を確認してもよいと思っています。

ただし「市場賃料が上がった=サブリース賃料も上げられる」ではありません


ここも勘違いしないでほしいポイントです。

例えば、
現在の市場賃料が10万円から11万円になった。

だから、
「サブリース会社から受け取っている賃料も1万円上げてください」
と単純になるわけではありません。

サブリース契約の場合は、
・現在の契約内容
・賃料改定に関する条項
・サブリース会社との契約賃料
・実際の転貸賃料
・管理・保証条件
なども確認する必要があります。

つまり、市場賃料の査定は「すぐ値上げ交渉するため」だけに行うものではありません。

まず、「今の物件価値はどのくらいなのか」
を知るための材料です。

その数字を持ったうえで、
今の契約を続けるのか。
将来的に見直すのか。
次回契約更新時に相談するのか。
を考えればいいと思います。

賃料査定は「同じ間取りを3件見る」だけではありません

賃料査定というと、
不動産サイトで近くの物件を検索して、
「この辺は10万円くらいですね」
と見るだけだと思われるかもしれません。

実際には、もう少し細かく見ます。

例えば、
同じ駅でも徒歩5分と徒歩12分では違います。
同じ1LDKでも35㎡と45㎡では違います。
築5年と築25年でも違います。

さらに、
・オートロック
・宅配ボックス
・独立洗面台
・浴室乾燥
・インターネット無料
・駐車場
・階数
・方角
・リフォーム状態
などによっても変わります。

また、非常に重要なのが、
現在掲載されている募集賃料=成約する賃料ではない
ということです。

13万円で掲載されているからといって、
13万円なら必ず決まるわけではありません。

半年間残っている13万円の物件を参考に、
「うちも13万円で貸せる」
と考えるのも危険です。

周辺競合を見ながら、
実際に入居者が検討してくれそうな価格帯
を考える必要があります。

今すぐ値上げしなくても、相場を知っておく意味はある

私は、
「賃料査定をしたなら値上げしましょう」
という考えではありません。

むしろ、
市場では11万円。
現在は10万5,000円。
でも長く住んでくれているから、今回は10万5,000円のまま。

これでも全く問題ないと思います。

なぜなら、5,000円安く貸していることを理解したうえで選択している
からです。

問題なのは、
市場では11万円になっているのに、
「10万5,000円が今の相場だと思っていた」
という状態です。

所有している不動産が、
今どのくらいの収益力を持っているのか。
貸主であれば、時々確認しておいて損はありません。


「今ならいくらで貸せる?」という相談も受けています

私はココナラで、住宅・事務所・店舗など、賃貸不動産について第三者の立場から相談を受けています。

現在出しているサービスでも、
「相場に合った賃料設定なのか確認してほしい」
といったご相談に対応しています。

例えば、
「サブリースで何年も同じ賃料だけど、今の相場を知りたい」
「管理会社には値上げしない方がいいと言われている」
「退去リスクを考えても値上げする価値があるのか知りたい」
「次回募集するならいくらで出せそうか知りたい」
「周辺募集と自分の物件を比較してほしい」
といった内容でも大丈夫です。

管理会社を変更してもらうためのサービスではありません。
値上げを勧めるサービスでもありません。

現在の市場を確認し、判断するための材料を増やすこと
が目的です。


 まとめ サブリースだからこそ、たまには自分の物件の「今の家賃」を確認してみる

最近は、不動産価格だけでなく賃貸マンションの募集家賃も上昇している地域が増えています。

一方で、すべての貸主さんが賃料を見直しているわけではありません。
何年も同じ金額で貸している物件もあります。
もちろん、それが悪いわけではありません。

ただ、
今いくらで貸せるのかを知らないまま、昔の賃料を続ける必要もありません。

特にサブリース契約では、日々の募集実務から離れるため、市場賃料の変化に気づきにくくなることがあります。

まずは値上げするかどうかではなく、
「この部屋、今市場に出したらいくらくらいで貸せるんだろう?」
と確認してみる。

そのうえで、
・据え置く
・少し上げる
・次回退去時に見直す
・サブリース契約の更新時に相談する
と判断すればよいと思います。

数千円の差でも、長期間保有する不動産では大きな差になります。

ご自身の物件の現在の賃料相場が気になる方は、
一度第三者の視点から確認してみてください。



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