鹿児島空港から車で15分。
山間を流れる天降川の畔に妙見温泉はあります。
指宿温泉や霧島温泉など名高い温泉がある鹿児島県において、あまり聞き覚えのない妙見温泉。
この妙見温泉に鹿児島を代表する2軒の名旅館が天降川を挟んで建っていることをご存知でしょうか。
その一軒が今回ご紹介する、忘れの里雅叙苑です。
まるで日本の里山の集落がそのまま残されていたのかと思うような「日本の原風景」を残す、忘れの里雅叙苑。
茅葺の客室に、放し飼いの鶏、木々に囲まれた自然の香り、ここは絶妙の「時間と空間」を与えてくれる名宿です。
その魅力は「日本の懐かしさ」、そしてそれを体感させていただける品質高いスタッフの気遣いです。
田舎に帰ってきたようなアプローチ。
1つの村落に到着したような別世界が非日常感への期待を高めます。
さて客室ですが、全部で10室あり、それぞれに趣の違ったお部屋になっています。
まず、母屋に隣接するタイプAと呼ばれる客室はおすすめしません。
タイプAはお風呂がついてないお部屋になります。もちろん雅叙苑には「建湯」とよばれる浴場や、貸切風呂などもあるため、お部屋にお風呂がなくても温泉はお楽しみいただけるのですが、この「建湯」も時間貸切ができてしまうため、時間帯によってはご利用できない場合があります。
なので、やはりお部屋にお風呂があった方がいいというのは1つ目の理由です。
そしてもう1つは、雅叙苑はタイプA以外の客室以外は敷地に点在して建っており、それぞれの客室にある趣ある露天風呂から木々の音や彩を楽しみながらのんびり温泉を楽しむということがお勧めだからです。
個人的なお勧めは、囲炉裏がついているタイプBの「さくら」です。
ご夫婦やカップルで2名で滞在されるなら、タイプBかタイプCがいいのではと思います。
忘れの里雅叙苑の楽しみの1つが「食事」だと思っています。
これは賛否両論かと思いますが、雅叙苑は日本の原風景をコンセプトにしていますので、食事についても自家菜園の新鮮なお野菜をつかったものや、直営の養鶏場で育った地鶏など、自給自足の食材をつかったお料理になっています。
一般的な旅館で提供される会席料理を期待される方や、量をたくさん食べたいという方には不向きかと思います。
雅叙苑が提供する「時間や空間」の中で、食事も含めて「日本の懐かしさ」を楽しむという方には、本当においしく感じていただけるお料理だと思います。
食事は茅葺屋根の古民家を模した食事処でいただきます。
ちょっと楽しいのが朝食です。
雅叙苑の朝は、放し飼いの鶏の鳴き声から始まります。
目覚めのお風呂で朝の素敵な景色を楽しみ、食事処に向かうとオープンになった厨房から朝食準備の香りが漂います。
このオープンになった厨房では卵料理と焼き魚を準備していて、卵焼きや目玉焼き、旬のお魚から、自分でチョイスしたものを食卓へ運んでいただけます。
このちょっとした演出が朝食の楽しみを増してくれます。
雅叙苑には夜の楽しみもあります。
雅叙苑のロビーにあたる囲炉裏小屋では夜になると「かっぽ酒」が振舞われます。
かっぽ酒とは青竹の筒にお酒を入れ、囲炉裏や焚き火で燗にしたものですが、鹿児島県だけあって芋焼酎が振舞われ、ご宿泊されている皆様が集います。
囲炉裏を囲むように雅叙苑のご主人がいろんなお話をして下さいます。
皆さん、何かしらの目的や価値観があって同じ日に「忘れの里雅叙苑」にたどり着いた人達です。
お酒が進むに連れ、なぜここに来たのか?というような話も盛り上がり、人と人のつながりも生まれていきます。
忘れられ、失われていく日本の原風景。
忘れの里雅叙苑は、旅人の心や気持ちを洗い、感動を与えてくれる名宿。
空間だけでなく、働いていらっしゃるスタッフの方々が、受け入れて下さる。
日本の懐かしさ。
ぜひ、素朴な感動を味わいたい方はお泊り下さい。