ギフテッド児の中には、小学生のころに非常に高い知的能力を示す子がいます。
特に小学校高学年ごろには、理解の速さ、記憶力、推論力が際立つことがあります。
その一方で、「小6くらいを境に、思ったほど伸びなくなった」と感じる保護者もいます。
これは、子どもの才能が消えたということではありません。
むしろ、ここから必要になる力が変わってくるのです。
幼いころは、流動性知能が目立ちやすい時期です。
新しい問題を見て、すぐに法則を見抜く。
少ない説明で理解する。
パターンを直感的につかむ。
こうした力です。
けれど、成長するにつれて必要になるのは、知識や経験を使って判断する力です。
これは結晶性知能です。
学んだことを活用する。
経験から考える。
失敗を次に生かす。
専門的な知識を積み上げる。
社会や人間関係の中で考える。
この力は、自然に勝手に育つものではありません。
だからこそ、小学校高学年から中学生にかけての時期がとても大切です。
この時期に、学習習慣を持つこと。
苦手なことにも少し挑戦すること。
友だちや仲間と協同作業をすること。
幅広い教科を学ぶこと。
これらが、将来の知性を支える土台になります。
私は、ギフテッド児にとって小6前後は「才能のゴール」ではなく、「才能の育て方が変わる時期」だと考えています。
ここで必要なのは、焦りではありません。
「最近伸びていない」と責めることでもありません。
その子のひらめきを、経験と学習習慣につなげていくことです。
保護者の方は、子どもの成長曲線が一直線でないことに不安を感じるかもしれません。
でも、才能はいつも右肩上がりに伸びるわけではありません。
一度止まって見える時期は、次の段階へ進む準備かもしれないのです。