学校へ行けなくなった生徒⑧

学校へ行けなくなった生徒⑧

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コラム

給食の時間


サクラが学校で一番怖かったのは、テストではなかった。

給食だった。

班で机を合わせる。

残さず食べる。

時間内に食べる。

苦手なにおいの食べ物がある。

早く食べる子がいる。

遅いと見られる。

先生は言った。

「一口だけ頑張ろう」

その一口が、サクラには崖のようだった。

ある日、無理に飲み込んで気持ち悪くなった。

それ以来、給食の前の授業から胸が苦しくなった。

午前中に学校へ行けても、給食が近づくと帰りたくなった。

母親は言った。

「給食くらいで?」

サクラは何も言わなかった。

「くらい」という言葉は、大人が自分の苦手ではないものに使う言葉だと知った。
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