ぶれない経営理念づくりはなぜ大切か?

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ビジネス・マーケティング
先日、とある経営者の方から相談を受けました。
「利益は出ているけど、従業員がどんどん辞めていってしまう」とのこと。
その会社は、インターネットを活用した革新的なサービスを次々と打ち出し、売上自体は堅調。しかし、組織の中が落ち着かず、人材の定着に苦しんでいるとのお話でした。

その経営者がほかの経営者に共有したところ、「それ、パーパス(経営理念)が明確になってないんじゃない?」という共通の意見があり、私のところへ「ぶれない経営理念をつくりたい」と相談があったのです。

その企業にも、たしかに理念はあったそうです。しかし、「共有されていたつもりが、従業員によって勝手に解釈され、結果的に都合よく使われてしまっていた」とのこと。ある人は“自由”を「何をしてもOK」と受け取り、またある人は“人を大切にする”を「注意されない職場」と解釈していたそうです。

もちろん、従業員を大切にする姿勢はとても重要です。しかしそれは、甘やかすこととは違います。成長の機会を与え、共に高みを目指すという姿勢がなければ、いずれ従業員は「ここにいても成長できない」と感じ、去っていきます。

松下幸之助氏の有名な言葉に、「松下電器は人を創っています。ついでに電気製品も作っています。」というものがあります。
これは企業が“人づくり”を本質に置き、その結果として社会に価値を提供するという哲学の表れです。人が育たなければ、会社も社会も豊かにはなりません。

では、理念をどうすれば“ぶれない”ものにできるのでしょうか。

参考になるのが、ユニクロを展開するファーストリテイリング社の理念体系です。
彼らは「本当に良い服とは何か」「今までにない新しい価値とは何か」といった抽象的な表現に対して、社内で明確な定義をしています。これにより、全社員が共通の目的地を見据え、行動の軸がぶれないようになっているのです。

経営理念は、会社の存在意義そのものです。
理念が明確であれば、そこから導かれる基本方針や行動指針にも一貫性が生まれます。従業員による解釈の“ぶれ”がなくなり、現場の混乱も防げます。全員が同じ目的を共有し、共通の方法論で動くことで、結果として品質の高いサービスや製品を提供することができるようになります。

そしてそれが、最終的には「お客様の幸せ」につながり、同時に「働く人たちの幸せ」も実現していく。

利益を追うことと、理念を育てることは、決して相反するものではありません。むしろ理念という土台があってこそ、利益は持続可能な形で積み上がっていくのです。

経営理念がぶれない会社は、人も組織も強い。
今日もそんな企業づくりのお手伝いをしながら、「理念は“つくる”ものではなく、“育て続ける”もの」だと実感しています。
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