ここで理解度にも段階があることを確認しておきます。
A.不理解・誤解
そもそも内容が伝わっていないか誤って伝わっている。 発信側と受信側に認識のずれ。言った、言わないの言い合いの原因。
B.理解
発信された情報が過不足なく伝わっている。知識や情報としての理解以上の解釈はされず、分かっていても気持ちがついてきていない。何度も繰り返すこともある。
C.納得
理解しただけではなく腑に落ちている。他人の言葉ではなく自分のこととして捉えている。なるほど、確かにという気持ち。指示に対しても肯定的な言動が反応として現れる。
D.共感・共鳴
理解し、心が動き、自らの解釈も加わっている状態。指示が無くても能動的に動き、時には期待を上回る行動として現れる。
話が伝わっていないケースのほとんどはBで止まっていると考えましょう。そして人が成長するためには少なくともCに至っている必要があります。Bの状態ではダニング・クルーガー効果の成長点を抜けることも、コンフォートゾーンからストレッチゾーンに出ることもほとんどありません。
理解度のレベルを高めたければその人との接点を増やして観察し、どのような考え方をしているのかを知り、どのような言葉であれば伝わるかを手探りで確認していくことが大事です。そのためにはザイアンス効果が発揮できるような関係づくりは有益ですし、脳の活動を最大限にするためには心理的安全性を確保することもトレーナーの役割でもあります。これらによって丁寧に基盤を作った上で、これから学んでいくコミュニケーションのテクニックを使っていきましょう。基盤が無いテクニックは小手先のものとなり、意味を成しません。この基礎教養の内容の理解が浅いなと感じたら、何度も繰り返し確認して少なくとも納得してから次に進むようにしてください。