ミネラルウォーター市場は平成元年からの13年間で10倍余りに
拡大しており今やミネラルウォーターは生活必需品と言えます。
日本の地形はその殆どが山地で形成されておりますので、天空から降った
雨や雪の大部分は地表を一気に駆け下って海に流れこみます。
そして、その一部が樹木の表面を濡らし、木の葉に溜まり、また一部が
地中深く染み込んでいき、長い年月をかけて砂の層を幾重にも潜り抜け、
粘土層や硬い岩盤などの不透水層にぶつかっては滞留し、また、
その層の上を流れていきます。
その間、幾層もの地層が自然のフィルターになって、濾過されると共に、
一方では地層を移動中、または滞留している間に、土壌の中の多種微量の
ミネラル成分を溶かし込んでいきます。
これらの流れている地下水や滞留している地下水を汲み上げたり、
または湧き出している地下水を容器に詰めたものが
ミネラルウォーター商品なのです。
ミネラルウォーターが「天の恵み、大地の恵み、大自然の恵み」などと
言われるのは、これに由来するのです。
ミネラルウォーターは、農林水産省のガイドラインによって
4つの品名に分類されます。
❶《ナチュラルミネラルウォーター》
特定水源より採水された地下水のうち、いわゆる鉱化された地下水を
容器詰めしたもので、かつ濾過・沈殿及び、食品衛生法で定められた
加熱殺菌以外の物理・科学的な処理を一切行っていないものです。
❷《ナチュラルウォーター》
ナチュラルミネラルウォーターの定義の中で、無機塩類の溶解が比較的に
少ない(鉱化の度合いが少ない)原水を用いたものです。
❸《ミネラルウォーター》
ナチュラルミネラルウォーターの定義の中で許されている処理用件以外に
本来成分を意図的に変化させるような次の処理を行なったものです。
・複数の原水を混合した場合
・規定以内のミネラルの加除を行なった場合
・ばっ気(微生物群に必要な酸素を供給するための操作)
などを行なった場合
❹《飲料水・ボトルウォーター》
上記の❶❷❸以外のものです。
国産と海外商品の違いとして製造工程での顕著な違いは原水を殺菌する工程 です。
日本やアメリカなどでは原水を加熱殺菌または同等以上の効力を有する方法
(殺菌または除菌ろ過など)で殺菌するのが前提となっています。
これに対しヨーロッパの国では無殺菌・無除菌で製造されています。
🔴硬水、軟水はどうやって決めるの❓
簡単に言えば、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが比較的多量に
溶け込んでいるのが硬水、含有量の少ないのが軟水と言い、その程度は
硬度という指標で表します。
即ち、硬度とはカルシウムイオンとマグネシウムイオンの量を、
これに対応する炭酸カルシウム量に換算したものです。
そもそも、軟水・硬水は「洗濯する時の石鹸の泡立ち」からきたもので、
人々の生活に密着したものです。
従ってその決め方は人により、また地域により異なります。つまりは、
何かの法律のような基準があって規定するというものではありません。
日本の場合、理化学辞典によりますと
「水100cm3中に酸化カルシウムとして1mgを含むとき、1度としてマグ ネシウムは⒈4MgO=1CaOの関係で酸化カルシウムに換算する。
通常20度以上を硬水、10度以下を軟水と言う」と定義しております。
これを硬度で換算すると以下のようになります。
178mg/1未満・・・軟水
357mg/1以上・・・硬水
日本の地下水、鉱泉水では硬度が178mg/1を超えるものが稀なので
殆どが軟水と言って良いでしょう。
硬水・軟水の使い分けとして
水は化学構造上、アルコールと同じように物の香りや味を引き出す力が
あります。それもミネラルの少ない軟水の方が抽出する力が強いのです。
なので、珈琲、紅茶、緑茶やウイスキーなど香りを大切にするものには、
軟水を用いた方が美味しくいただけます。
ご飯なども穀類のよい香りを引き出すために軟水が抜群です。
お茶には人それぞれに苦味などの好みがあり、軟水では緑茶の渋み・苦味を
楽しむ事ができますし、硬水ではよりマイルドで飲みやすくなります。
また、珈琲の場合も浅煎りのアメリカンでは軟水を用いることで豆本来の
よい香りとさっぱりとした味を楽しむことが出来ます。
一方、深煎りのエスプレッソでは硬水を用いますと渋味の成分がカルシウム などに結びついて苦味・渋味が除かれてまろやかになりコクが加わります。
昆布やカツオ出汁を取る時にも、軟水を使うとグルタミン酸・イノシン酸
などの旨みが抽出されやすい。
肉料理の場合、抽出力の強い軟水では嫌な肉の臭みまで出てしまいます。
そこで硬水を使いますと肉のタンパク質とカルシウムが結合して
硬蛋白質(アク)として抜けて良い味が出てきます。
●ミネラルウォーターの雑学 〜炭酸含有の有無〜
欧米ではミネラルウォーターの原料となる水に元々炭酸が含まれているもの
があり、ミネラルウォーターといえば炭酸水をさすことが多いです。
炭酸水を冷やさずに常温で飲むと独特の味わいになる為、日常的に炭酸水を 飲む習慣がない日本人には馴染めないことがあります。
特に「ガスなし」と断らないと炭酸水が出てくることがあるので
注意しましょう。
「ガスなし」ミネラルウォーターには、炭酸を抜く工程を加えたものや
元々炭酸を含まない水を利用したものなどがあります。
尚、オーストラリアでのミネラルウォーターとは日本で言う炭酸水に
なります。
無炭酸の物はスティルウォーターと呼ばれます。