導入
インバウンドが戻ってきた、どころではありません。
2024年、日本を訪れた外国人旅行者は3,600万人を超え、過去最高を更新しました。
一方で、現場の声を聞くと、こんな本音もよく聞きます。
「うちは地方だから、インバウンドなんて関係ないと思っていた」
「気づけば、東京・大阪・京都ばかりが注目されている」
「LinkedInって聞くけど、正直、何に効くのか分からない」
ですが、データをよく見ると、地方や中小企業にとっても
「今だからこそ仕掛ける意味があるタイミング」であることが分かります。
この記事では、
● 日本のインバウンドの“いま”をざっくりつかみつつ、
● 地方や中小企業が取るべきグローバルマーケの4ステップ
● その中でも「LinkedIn」をどう位置づけるか
を整理していきます。
読み終わるころには、
「まず何から始めればいいか」「どこまで自社でやれるか」「どこで相談すべきか」が
自分の言葉で説明できる状態になることをゴールにしています。
【1】なぜ今、『グローバル×マーケ活用術』が重要なのか
■ 1-1.インバウンド3,600万人超・8兆円市場という現実
2024年、日本を訪れた外国人旅行者は約3,690万人。
訪日客の消費額も8兆円を超え、過去最高を記録しました。
主な訪日客の国・地域は、
韓国
中国
台湾
アメリカ
などが上位を占めています。
▼ポイントは、
「アジア近隣諸国+欧米圏」の両方から、
“リピーターを含む多様な層”が日本に来ていることです。Freetour
■ 1-2.都市部に集中する一方で、“地方の伸びしろ”は大きい
日本政府観光局や観光庁のデータによると、
訪日客の約7割が首都圏・京阪神・中京圏などの三大都市圏に集中しています。
2019年頃:都市部60%/地方40%
2024年:都市部70%/地方30%
つまり、
「都市部に人気が集中しすぎている=地方はまだ“発掘されていない”」
という見方もできます。
インバウンド客が口をそろえて言う日本の魅力は、
食のクオリティと多様性
四季や自然の美しさ
文化・歴史・温泉・ポップカルチャー
サービスの丁寧さ・清潔さ・治安の良さOne Step Beyond株式会社
これらは、むしろ地方にこそ濃く残っている資産です。
■ 1-3.旅行者の関心は「モノ」から「体験」へ
ここ数年の調査では、
「ショッピング」よりも「食文化」「自然」「体験コンテンツ」への関心が高まっています。
● ラーメン、寿司、居酒屋フードなどの“食”
● 田舎の風景、四季の移ろい、里山・海辺の景観
● 地元の人との交流、ワークショップ、ローカルツアー
▼つまり、
地方の“ふつうの暮らし”が、世界から見ると「最高のコンテンツ」になり得る、
ということです。
ここにグローバルマーケティングの視点を入れ、
「誰に」「どんな体験を」「どんなストーリーとともに届けるか」を設計する。
それが本記事のテーマである『グローバル×マーケ活用術』です。
【2】解決の全体像:4ステップのロードマップ
まずは、全体像をシンプルに整理します。
■ グローバル×マーケ活用の4ステップ
STEP1:現状と“狙う相手”を整理する
STEP2:インバウンド視点で“売り物”を再定義する
STEP3:オンライン接点(Web・SNS・LinkedIn)を設計する
STEP4:パートナー連携と改善サイクルを回す
この4つを、小さく・繰り返し回していくイメージです。
以降の章では、それぞれをもう少しかみ砕いていきます。
【3】ステップごとの具体的なやり方
■ STEP1:現状と“狙う相手”を整理する
最初にやるべきことは、「足し算」ではなく「棚卸し」です。
● まずは現状チェック
・自社サイトに、英語ページ(最低限の概要)はあるか
・Googleマップの情報(営業時間・写真・レビュー)は整っているか
・InstagramやFacebookに、外国人が見ても分かる投稿があるか
・すでに外国人客が来ているなら、「どの国から」「何を目的に」来ているか把握しているか
● 簡単チェックリスト
□ 英語 or 多言語での基本情報が用意されている
□ 写真が「外国人が見てワクワクする画」になっている
□ 価格や予約方法が、海外の人にも分かりやすく載っている
□ 問い合わせ用のメールアドレス or フォームが明記されている
ここで8割以上「NO」が並ぶなら、
いきなり広告やSNSを頑張る前に、まず“土台”づくりから始めるのが近道です。
● “狙う相手”をざっくり決める
韓国・台湾など、リピーターが多く距離が近いアジア圏を狙うのか
欧米圏の「長期滞在・ワーケーション層」を狙うのか
▼最低限、
「誰に来てほしいのか」を国・地域レベルで2〜3つに絞る
これだけでも、メッセージや写真の選び方が変わってきます。
■ STEP2:インバウンド視点で“売り物”を再定義する
次に、「何を売るのか」を日本人目線から解放して考えます。
日本人にとっての“当たり前”は、
海外から来た人にとっては“スペシャルな体験”になり得ます。
● 外国人が日本で求めているもの(ざっくり)
・日本食(ラーメン、寿司、居酒屋フード、B級グルメなど)
・四季・自然・田舎の風景
・神社仏閣・城・古い町並みなどの文化
・アニメ・マンガ・ポップカルチャー
・“きれいで、安心で、時間通り”な日本のサービス全般
● 「体験」に変換する例
・ただの“定食屋”→「地元の人に混ざってランチする体験」
・ただの“温泉旅館”→「静かな山里で、朝夕の2回入る“ととのう温泉ステイ”」
・ただの“漁港”→「ローカル漁港の朝を一緒に歩いて回る1.5時間ツアー」
▼ポイント
「商品」ではなく「体験タイトル」をつけてみると、
インバウンド向けの“売り物”が見えやすくなります。
■ STEP3:オンライン接点を設計する(Web・SNS・LinkedIn)
ここで、ようやく「発信」の話に入ります。
● 役割分担イメージ
・Webサイト:公式の情報・信頼の土台
・Instagram / TikTok:雰囲気・空気感・ファンづくり
・LinkedIn:B2B・パートナー探し・海外との商談窓口
観光地や地方の事業者にとって、
LinkedInは「B2Bの問い合わせを増やすレイヤー」で機能します。
たとえば:
海外の旅行会社・ツアーオペレーター
外国人向けメディアやインフルエンサー
海外在住の日本ファン・移住希望者
こういった人たちは、かなり高い確率でLinkedInアカウントを持っています。
● LinkedInで最低限やっておきたいこと
▼(1)プロフィール・会社ページの整備
・英語での自己紹介文(何をしていて、誰をサポートしているのか)
・事業内容を「海外にも分かる言葉」で整理
・WebサイトやInstagramへのリンクを掲載
▼(2)月1〜2本の“情報発信”
・インバウンドや地方の取り組み紹介
・訪問してくれた海外ゲストへのお礼ポスト
・新しく作った英語ページ・体験コンテンツのお知らせ
▼(3)ターゲット国の人・組織とのネットワークづくり
・狙いたい国の「トラベル」「ツーリズム」「インバウンド」関連のキーワードで検索
・気になる人・会社をフォローし、いいね・コメントで存在を知ってもらう
・ある程度関係が温まったら、メッセージでカジュアルな情報交換を提案
LinkedInは「いきなり売り込む場」ではなく、
「海外パートナーと、同じ目線で会話を始める場」として捉えるのがポイントです。
■ STEP4:パートナー連携と改善サイクルを回す
インバウンドや海外販路は、
1社だけで完結させるより、「連携したほうが圧倒的に早い」テーマです。
● 連携のイメージ
・地方の宿泊施設 × 飲食店 × 体験事業者で、パッケージ商品をつくる
・自治体や観光協会と連携し、情報発信やパンフレットを共通化
・海外の旅行会社・現地ガイドと組んでツアー化
● 改善サイクル
・どの国・地域からの問い合わせが増えているか
・どの投稿・どのページがよく見られているか
・現場で「喜ばれたポイント/困られたポイント」は何か
これらを、3か月〜半年サイクルで振り返っていくことで、
「何となくやっている発信」から「戦略的なグローバルマーケ」に変わっていきます。
【4】ミニ事例:地方観光地が『食×自然×LinkedIn』で海外とつながるまで
ここでは、架空のケースでイメージを具体化してみます。
■ ケース:日本海側の小さな温泉町
・人口1万人の温泉町
・冬はカニ、夏は海水浴、通年で温泉が売り
・インバウンドはまだ「たまに個人客が来る程度」
● Before
・Webサイトは日本語のみ
・英語での案内は、現場での“なんとかジェスチャー対応”
・海外からの問い合わせは、年に数件のメールのみ
● 取り組んだこと
1)英語ページを最低限整備
- アクセス情報/料金/写真/よくある質問を英語化
2)「食×自然×温泉」の体験コンテンツを再定義
- 「冬のカニ会席+朝の漁港散歩ツアー」
- 「静かな里山での2泊3日ワーケーションステイ」
3)Instagramで“季節の空気感”を週2回発信
4)LinkedInで、
- 町の観光協会担当者が英語プロフィールを整備
- アジア・欧米のツアーオペレーターをフォロー
- カジュアルなオンラインミーティングを月1件ペースで実施
● After(1〜2年後のイメージ)
・アジアの小規模ツアー会社と提携し、少人数ツアーを継続的に送客
・欧州の「長期滞在ワーカー」向けに、1か月単位の滞在プランを試験導入
・「冬のカニ」「静かな温泉」「清潔で丁寧なサービス」が口コミで広がる
数字は仮ですが、
「小さく始めて、少しずつ海外との接点を増やす」イメージが掴めればOKです。
ここに、J2Gのような“グローバル×マーケ×ライフデザイン”に強いパートナーが入ることで、
戦略の言語化
LinkedInやSNSの設計
英語でのメッセージ整理
などを、まとめてサポートできます。
【5】よくある質問・不安への回答(Q&A)
Q1.英語が得意ではないのですが、それでも意味がありますか?
A.十分に意味があります。
最初から完璧な英語で発信する必要はありません。
▼最低限、
基本情報(住所・料金・営業時間)
体験の簡単な説明
問い合わせ先
これだけでも整えば、「行ってみたい人」が動きやすくなります。
文章のチェックや翻訳は、外部パートナーやツールの力を借りればOKです。
Q2.LinkedInとInstagram、どちらを優先すべきですか?
A.目的によります。
個人旅行者・ファンづくり → Instagram / TikTok が強い
海外の旅行会社・B2Bパートナーとの接点 → LinkedIn が強い
インバウンド戦略としては、
●「観光地としての発信」=Instagram
●「ビジネスパートナー探し」=LinkedIn
と役割分担して考えるのがおすすめです。
Q3.小さな会社・自治体でも、やる意味はありますか?
A.むしろ“小さいほうがやりやすい”部分もあります。
意思決定が早く、現場の声をそのまま反映しやすいからです。
現場の写真
お客さんの一言コメント
日々の小さな改善
こういったものを、素早く発信していくことで、
「手触りのある情報」として世界に届けることができます。
Q4.自社でどこまで対応して、どこから外部に相談すべきですか?
A.目安としては、
● 自社でやると良いこと
- 現場の強み・ストーリーの棚卸し
- 写真・動画などの素材集め
- どんなお客さんに来てほしいかの議論
● 外部に任せたほうが良いこと
- 戦略全体の設計・優先順位づけ
- 多言語でのメッセージ設計・翻訳
- LinkedInやSNSの運用フロー設計
- AIツール・ワークフローの導入
このあたりは、
一度相談ベースで話してみると「どこまで自分たちでできそうか」が見えてきます。
【6】まとめ&行動を後押し
■ 要点の再整理
・日本のインバウンド市場は、
「3,600万人超・8兆円規模」という、もはや無視できないフェーズに入っています。
・人気は都市部に偏っている一方で、
旅行者の関心は「食・自然・体験」へとシフトしており、
地方や中小企業の“地味だけど深い魅力”にチャンスがあります。fpcj.jp+1
・グローバル×マーケ活用は、
STEP1:現状とターゲットの整理
STEP2:インバウンド視点での“体験設計”
STEP3:Web・SNS・LinkedInの役割分担
STEP4:パートナー連携と改善
という4ステップで考えると、取り組みやすくなります。
・LinkedInは、「海外のパートナー・企業との窓口」として、
観光地・中小企業・自治体にこそ活用余地があります。
■ 今すぐできる一歩
自社サイトやGoogleマップを開いて、
「英語での情報があるか?」「外国人が見て分かるか?」をチェックしてみる。
すでに外国人客が来ているなら、
「どの国から」「何をきっかけに来たのか」を一度ヒアリングしてみる。
LinkedInアカウントを持っているなら、
プロフィールの“Headline(肩書き)”だけでも、英語で書き換えてみる。
たったこれだけでも、「グローバル×マーケ活用」の1歩目になります。
■ ここから先を、一緒に整理したい方へ
もしあなたが、
・海外生活や移住、ノマド的な働き方に興味がある
・自社のグローバル展開や海外リーチを考え始めている
・AIやSNSを使って、海外向けの発信や採用を強化したい
・でも、何から手をつければいいか分からない
そんな状態なら、一度、現状を一緒に棚卸ししてみませんか。
■ LinkedIn活用 × マーケティング設計
・LinkedInプロフィール/会社ページの設計
・ターゲットに合わせたメッセージ軸の言語化
・オーガニック投稿の設計(コンテンツカレンダー作成)
・Sales Navigator/広告を組み込んだ“決裁者アプローチ”の仕組みづくり
・海外向けリーチ/人脈形成/リード獲得の戦略設計
「行動する」ことが第一歩なので、気になるタイミングで一度、状況を共有してもらえたら嬉しいです。