やりたいことだけではアート、望まれることだけでは仕事
僕は、自分のやりたいことを突き詰めるのは素晴らしいことだと思う。でも、それだけをやり続けると、アートに寄りすぎてしまう傾向がある。もちろん、それで生きていけるなら何の問題もない。しかし、多くの場合、仕事やビジネスとして成立させるには、人が望むことと折り合いをつける必要がある。
仕事において「望まれること」を軸にするのは自然な流れだ。けれど、全くやりたくないことばかりを続けると、気持ちが持たない。一度くらいならこなせても、長く続けるのは難しい。だからこそ、少しでも「やりたいこと」を織り交ぜていく工夫が必要だ。
「やりたいこと」と「望まれること」が重ならない場合
もし、やりたいことと望まれることが全く重ならないと、ライスワーク(生活のための仕事)とライフワーク(自分のための仕事)を分けて考えることになる。この方法がうまく機能する人もいるが、常に切り替えるのが苦手な人もいるだろう。では、その場合はどうすればいいのか。
そこで僕が提案したいのが、「やりたいこと」「望まれること」、そして「その他」の3つに分ける考え方だ。
「その他」という実験の場を持つ
「その他」とは何か。単なる逃げ道ではなく、可能性を試す場所だ。たとえば、次のようなものが含まれる。
・やりたいことの芽 … まだ明確な形にはなっていないが、興味を感じること
・これから望まれるかもしれないこと … すぐには評価されなくても、将来的にニーズが生まれそうなこと
・お金をもらわない仕事 … 誰かの役に立つが、収益にはつながらない活動
などなど。これらは思いつく限り入れてしまえばいい。
この「その他」の枠を持つことで、新しい試みを気軽にできるし、心配や不安を抱えながらも前に進める。僕はこの枠を「実験工房」と呼んでいる。これは物理的な場所ではなく、頭の中の概念だが、名前をつけるだけで意識が変わる。
バランスをとるための枠組み
やりたいことと望まれることだけでなく、その間に「その他」を置くことで、バランスがとりやすくなる。自分にとっての「伸びしろ枠」をつくるイメージだ。こうした余白があることで、仕事と創作、やりたいことと求められることの間で柔軟に動けるようになる。
完全な答えではないが、この方法を試してみることで、新しい働き方や生き方のヒントが見つかるかもしれない。