カウンセラーのカズです。今回のテーマは「やめる力」です。
まずはある映画をご紹介します。
映画『リストラ・マン』(Office Space)には、ジェニファー・アニストン演じるジョアンナが、うんざりしていた仕事を辞めるシーンがあります。現状への不満から衝動的に見えつつも、どこか爽快で、新しい人生への一歩を踏み出す象徴的な場面です。
このように「やめる」という行為は、時にロマンチックに描かれます。しかし、実際の人生においては、その決断が一時的な感情の高ぶりなのか、それとも本当に正しい選択なのか、判断に迷うことが多いのではないでしょうか。
「やめ時」は存在するのか?
何かを「やめる」ことは、新しい何かを「始める」ために、非常に重要なステップとなり得ます。もちろん、できることならリスクを最小限にして、賢くやめたいものです。しかし、その「やめるべきタイミング」を見極めるのは至難の業です。
特に、誰かに「やめたい」と相談したとき、「もう少し粘り強く続けてみたら?」「あと少しだけ頑張ってみようよ」と励まされ、説得された経験を持つ方は少なくないはずです。周りの意見や常識に流され、自分の心の声に蓋をしてしまうこともあります。
では、やめずに続けていたらどうなるのでしょうか?
動物はすぐ諦める
自然界に目を向けてみると、例えば鳥は、実が取れない木にいつまでも固執しません。一つの場所で木の実をつつき続けても、得られるかどうかわからない実のために体力を消耗するより、早々に見切りをつけて新しい実を探しに行った方が、結果的に少ない労力で食料を得られる可能性が高いからです。鳥にとっては「諦める(やめる)」ことは、生存のための合理的な選択です。
私たち人間にとっても、「やめる」ことは時に非常に合理的で、前向きな選択肢となり得ます。しかし、問題はそのタイミングです。いつ、何をもって「やめる」のが最適なのか。これを見極めるのが本当に難しい...
もし、あなたが今の人生に変化を求めているのなら。もし、現状維持に息苦しさを感じているのなら。
未来のリスクを過剰に恐れるのではなく、「やめてみる」という選択肢を真剣に考えてみるのも良いかもしれません。なぜなら、多くの場合、続けても、やめても、未来がどうなるかは誰も完全には予測できないからです。
どちらの道を選んでも不確かさが伴うのであれば、「あの時やめておけばよかった」と後悔しないために、時には思い切って「やめる」勇気を持つことも大切なのではないでしょうか。
「やめる力」は、決してネガティブなものではありません。それは、自分自身の人生をより良くするために、主体的に舵を切るための大切な力なのです。