みどり壮の人々⑧

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みんな今まで住んで居たアパートが自分の不動産になったし土地まで付いているから満足であった。
六区画に分けられた土地はそれぞれが利用していた。
畑にする者や小屋を建てて物置にしたり、花壇にしたりハーブ畑にしたりしていた。
壁などは共有なのでみんなで費用を出し合って塗装をして見栄えが良くなった。
昼間はみんな仕事に出ていないので。
大宮と西村のジーさんと一緒に今日は階段に塗装をしていた。
西村の奥さんと息子のニートは家に居る。
塗料の匂いがキツイからタオルでマスクをして刷毛やローラーで色を塗っていた。
どうせなら派手な色が良いとみんなで決めたので赤に塗る事にしたのだ。
大宮が塗料を塗りながら言った。

西村さんの息子さんはずっと家に閉じこもりっきりで健康に悪いから少しは外に出るように促したら良いと思いますがね。
私もそれで頭が痛いのです。
幾ら言って聞かせても、外に行こうとしませんし増してや働こうなんて気が全く無いようで実に困った息子です。
そうですかー。
私も何か力になってあげられれば良いのですが。

実は私達がこのアパートに引っ越してくる前にもアパートに家族全員で住んでいたのですが、まだ息子が20歳代の頃です。
住んで居たアパートの隣人と揉めまして傷害事件を起こして警察沙汰になったのです。
息子がカラオケで毎晩室内で唄うものだから50才代の隣人が、うるさいと言って来た。
一回目は母親が対応して隣人は帰って行った。
息子は静かにしないし相変わらず室内で騒ぐ。
二~三日して又、隣人が、うるさいと言って来た。
その時に母親が息子に、うるさいと隣が言って来ているよと言った。
犬に喧嘩をしかけるような飼い主と同じ対応を息子にしたのだ。
母親もうるさいと隣人から言われる事に腹が立っていたのだろう拙い対応だった。
そこで喧嘩になり隣人を息子は殴った。
隣人は一時目が見えなくなった眼球にコブシが当ったのだ。
顔からも流血した。
隣人は救急車を呼んで病院に行ったがすぐさま警察が病院に来た。
消防から警察に連絡するのだろう。
殴った息子の立場が悪い、私は知り合いの人に相談したら先に殴られたとして病院で診断書を貰って警察に被害届をだしたら良いと入れ知恵をされた。
私はその通りにした。

本当は息子が先に隣人を殴ったのだ。
警察にウソを言ったので息子は一方的な加害者にならないで済んだ。
隣人の治療費も一切ださないで済んだ。

その事が原因なのか、それから息子は会社が続かなくなった。
隣人と同じような年齢50歳代くらいの同僚や上司と旨く行かなくなった。
嫌われて自分が居心地が悪く退職を余儀なくされる。
何度仕事を変えても人間関係で、つまづき続かない。
男が居ない職場でスーパーのレジー打ちなら良いだろうと思って就職しても男の上司50歳代から嫌われてしまう居心地悪く辞めてしまう。
それ以来ずっとニートになってしまっているのですと西村のジーさんは塗料を階段に塗りながら話した。

だから俺に対しても敵愾心のような目で見ていたのかと大宮は思った。
逆念、生霊の浄霊をしないといけませんねと大宮は言った。

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