みどり壮の人々⑨

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ハーブや花を栽培する為に割り当てられた土地を有効利用している。
ハーブ畑は加島まきさん、花畑は山田の奥さんが作っている。
みんな思い思いに使っている。
大宮は自分に割り当てられた土地に天体観測の小屋を作り掛けていた。
そんな日々が続いていたが、大宮は深堀から何の連絡もない事に一抹の不安を抱き始めていた。
不動産登録が終わったら連絡すると言っていたし領収証も持って来ると言っていたが、あれから二週間くらい経つのに何の連絡もない。

明日こっちから連絡をしてみようと思って今夜はYouTubeを見て寝た。
翌日の昼頃に大宮は天体観測用の小屋を作る作業を一旦中断して昼飯を食べにアパートの庭迄降りて来た。
それから深堀に連絡しようと思って自分の201号室に戻ろうとした時に、後ろから声を掛ける者が居た。

見ると三人男が立って居た。
三人ともお揃いの作業服を着ている。
ここのアパートの住人の方ですかと言った。
そうですが。
その真ん中に立っている男が、いつ発ちますかと言った。
ハァ? 何ですか?
いや、いつ立ち退きますか。
立ち退く?
何言ってるのですか。
アンタ達は一体誰ですか。

ここの不動産を私どもは買ったのです。
右側に立っている男が言った。
売った人物の説明に拠ると、昨日で全員が立ち退き終了の日だと説明を受けています。
だから私どもは今日いろいろと下見を見分に来たのです。
何だって!?


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