みどり壮の人々⑦

記事
小説
皆様の委任状を書いて私に託して下さい。。
では、明後日に委任状を受け取りに参ります。
支払いの方法はどうすれば良いのかなと大宮が言った。
私の口座がここに書いてありますから此処へ振込みをお願いしますと言って一枚のメモを大宮に渡した。
それと金額は900万円と登記手数料5万円で905万円でお願いしますと、ちゃっかり登記料を乗せて来た。
振り込み確認後に登記手続きをして領収書をお持ちします。
深堀はそれを言うと逃げるようにして帰って行った。

アパートの割り振りは一所帯ずつで階段などは共有と言う事になります。
土地については六等分します。
内容はそれで不動産登記をしますと大宮がみんなを前にレクチャーした。
翌日、大宮は全員から905万円を六所帯で割った金額を一所帯から、それぞれ集金して深堀の口座へ905万円振り込んだ。

その夜にみんなが集まってこの土地とアパートが晴れて我々の不動産となった。
これで一件落着だ、今迄のようにみんな仲良くやって行こうじゃないかと大宮が一段高い庭石の上に立って演説した。
加島まきさんは今夜夜勤じゃなかったので参加していた。
橋田さんがビールをケースごと冷やしていたのを持って来た。
大宮が株の取引きで儲けた時に買った各地の高級名酒を持って来た。
山田の奥さんが酒の肴にと家庭料理を庭に運び込んだ
アパートの庭で酒盛りが始まった。

みなさん酒が廻って良い気分になってきたので大宮60代が俺の青春の頃の歌を歌うと言って佐々木さんが持って来たカラオケで歌い始めた。
佐々木さんは小さなリサイクルショップを経営している。
お客から安く買い取ったカラオケマシンを庭に持って来ていた。
大宮は、沢田研二の”抱きしめたい”を披露した。
結構うまく唄ったが簡易のカラオケマシンなので評価の点数などは出ない。
みんなの拍手の大きさで大体の評価が分かる。
次に50代の橋田さんはチェッカーズの”涙のリクエスト”を唄った。
拍手は義理で少し起きたので橋田さんは照れ笑いで歌い終わった。
山田の奥さんはダ・カーポの”結婚するって本当ですか”を唄った。
これはこの旦那と結婚する前に付き合っていた人がいたけど、ほんの小さな出来事で別れてしまったの、でも私は優しい便りを待っていたのだけどね今の旦那と結婚した訳よと言って笑った。
唄への拍手は大きかった。
楽しい雰囲気で散開し今夜の宴会は終わった。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す