みどり壮の人々⑥

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加島まきさんは今夜夜勤で参加できませんが皆様にお任せしますと言ってたよって山田の奥さんが言った場所はアパートの庭の土の上で住人全部がそろって輪になっている所だった。
今夜もこの不動産を買う為の議論相談をする為に夕飯前に全員集まっていた。
既に空は黄昏に傾き西の空は美しいオレンジ色に雲が染まっていた。
輪の中には深堀も居た。

土地は200坪有ると言う事だけど、境界線はどこかなと佐々木さんが訊いた。
南北では裏山の一番高い所からアパートの門扉の所迄です東西では両側の郷道が境界線です。
値段はもう少し安くならないの深堀さん?
と山田の奥さんが言った。
かんべんして下さいこれでも相場より随分と安くしていますからと愛想笑いを浮かべた。

土地や建物の確定測量図、地積測量図はあるの?
と橋田さんが訊いた。
法務局に有ります。
項目としては①地番と土地の所在 ②地番 ③基準点の凡例 ➃面積の計算法 ⑤面積の結果 ⑥測量した年月日が記載されています。
う~ん。
そう言う事ならば一所帯150万円出し合って購入しても良いかなと大宮が言った。
家賃を払い続けても無駄だから買っちゃいましょうかの山田の奥さんの声で、みんなの背中を押す結果となった。
買うからと大宮が深堀に言った。
すると深堀が不動産の登記手続きをするには司法書士に頼んで25万円位かかりますので私の知り合いに精通者がいます。
ソイツに頼めば五万円でやってくれると言っています。
それは頼んでも良いのじゃないかと安く上がれば良いしと西村のジーさんが言った。
ジーさんのニートの息子は黙っていた。
50歳も越えて一円も働かないで親から面倒を見て貰っているから発言権が無い事が分かっているのかもしれない。
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