~感情に気づき、寄り添う力が信頼を生む~
職場のメンタルヘルスが注目される中で、
産業カウンセラーの役割はますます大切になってきました。
企業で働く人々の
「ストレス」「不安」「孤独」「やる気の低下」――
さまざまな感情に寄り添い、支援していく専門家。
そんな産業カウンセラーにとって欠かせない力が、
「EQ(感情知能)」です。
💡 EQとは?
EQ(Emotional Intelligence)とは、
自分や他人の感情に気づき、うまく扱う力のこと。
EQは以下の5つの要素で構成されます。
自己認識:自分の感情に気づく力
自己管理:感情に振り回されず落ち着いて対応する力
動機づけ:前向きな姿勢を保つ力
共感:相手の気持ちを理解する力
社会的スキル:信頼関係を築く力
このすべてが、カウンセリングの土台になる力です。
(個々の詳細な説明は、私の別のブログをご参照ください)
🤝 EQがあると、寄り添い方が変わる
産業カウンセラーにとって、「共感的に話を聴くこと」は基本中の基本。
でも、ただ話を“聴く”だけではなく、
「この人は、今、どんな感情の中にいるんだろう?」と感じ取れるかどうかが、とても大きな違いを生みます。
たとえば…
🗨 クライアント:「最近、なんだか朝起きるのがつらくて…」
🎧 カウンセラー(EQあり):「朝起きるのがつらいんですね」(何か気持ちの重さを感じていらっしゃるのかもしれないな・・・)見立て
ここでのカウンセラーの表情、声のトーンややさしい共感、言葉の選び方は、EQの「共感力」や「自己認識力」から生まれるものです。
✅ EQが活きる場面 ― 実践例から考える
● 1:沈黙や曖昧な表現を受け止める
→ クライアントが言葉にできない感情を、無理に言わせず「そのまま」受け止める力。
これは、自分の不安をコントロールする「自己管理力」に支えられます。
● 2:相手の言葉の“裏にある感情”に気づく
→「つかれた」「だるい」などの言葉の奥にある「怒り」「不安」「喪失感」を察知し、丁寧に関わることができる。これは「共感力」と「社会的スキル」の合わせ技です。
● 3:相手に安心感を与える存在でいる
→ 表情、声のトーン、間合いを大切にしながら、「ここでは大丈夫」と思ってもらえる空気感をつくる。これは「EQの総合力」です。
🌱 EQは後天的に伸ばせる力
EQは才能ではありません。
意識とトレーニングで伸ばすことができる、とても人間らしいスキルです。
今日からできる簡単なEQトレーニング例:
🔸 自分の感情を1日1回言葉にしてみる(例:「今日は緊張していた」)
🔸 クライアントの言葉をただ繰り返すだけでなく「気持ち」にも触れてみる
🔸 セッションのあと「自分はどんな気持ちで対応していたか」を振り返る
📌 小さな気づきの積み重ねが、EQの筋力になります。
📝 まとめ
産業カウンセラーにとってのEQは、
単なる“コミュニケーションスキル”ではなく――
🌟 クライアントの感情を「尊重し、信頼し、引き出す」力
🌟 自分の心も整えながら、安定した支援ができる力
🌟 言葉では見えない“こころの空気”を感じ取る感受性
「ちゃんと聴いてくれる人がいる」と感じてもらえること、
それが支援の第一歩です。
EQは、その“寄り添い力”のいちばん深い根っこなのかもしれません🌿
引用(日本語訳版)
ダニエル・ゴールマン著『EQ こころの知能指数』土屋京子訳、講談社、1996年。