先日「[国語]成績アップにつながらない声かけ」という記事で書いた「主語・述語」の問題についてご質問があったので、詳しくお話しします。
私としては、記述力にもつながる重要な部分だと考えていますが、
細かい話になりますので、興味のない方はスルーしてください。
「たぶん国語で子どもが混乱する第1位じゃないかなと個人的に思います。」と書きました。
まず、お子さんに質問してみて下さい。
「主語と述語って、どっちから探す?」
「述語から」と答えたかたは大丈夫です。
「主語から」と答えたかたは要注意です。
中学受験専門塾などに通っている方は、たいてい「述語から」探すように教わっているかと思います。
しかし、小学校では「主語から」探すように教えている先生が多いように感じます。
これ、日本語の構造を理解していれば、ありえないはずです。
たとえば、
「太郎くんは、学校に 行った。」
くらいの短い文であれば、主語から探してもおそらく正解できるでしょう。
主語は「~は」「~が」にあたる部分ですよと言われれば、そりゃまあ「太郎くんは」をたいていの子どもは選ぶでしょう。
述語は「どうする、どんなだ、何だ」にあたる部分だと言われれば、「行った」を選ぶでしょう。
低学年のうちに、こんな指導法で「〇」をもらって主語・述語を理解していると思っていると、高学年になり、複雑な文が出てきた場合、対応しきれないと思います。
なぜか。
「日本語の文は文末に述語があり、それに対応する主題または主格を表す言葉が主語だから」
さらに
複雑な文になると、文の成分としての「主語・述語」とは別に文節と文節の関係において「文の主語・述語」以外の「主語・述語の関係」が存在することもあります。
かなりややこしいですね。
このあたりはじっくりやらないと、なかなか理解できないかもしれません。
中学の文法にもつながる部分です。
たとえば、
「母が作ってくれたケーキはとてもおいしかった。」
という文で(文の成分としての)主語・述語をさがすとき、
主語から探すお子さんは「主語って、母が?ケーキは?」となります。
もちろんこれくらいの長さでわかりやすい文であれば、主語は「ケーキは」とわかりますが、
実はそれは主語から探しているように見えて、無意識に「おいしかった」の部分を見て「ケーキは」を主語として選んでいるのです。
述語から探すお子さんは、まず迷わず述語が「おいしかった」と分かるでしょう。
そしてそれに対して「何が、だれが」にあたる部分なので
主語は「ケーキは」となります。
さらに受験レベルの話をひとつすると、主語から探すお子さんには対応困難な場合として「主語が省略された文」があります。
日本語は、同じ主題が繰り返される場合や、主題が周知の存在である場合にはいわゆる(主題としての)主語を省略することが可能です。
受験問題では、この「主語が省略された文」の主語を問う問題が出されることがあります。
このタイプの問題は「主語から探す」クセのついているお子さんは、苦手にされることが多いです。
普段から述語を意識しているお子さんにとっては、簡単な問題だったりします。
このようなブログだけでは、なかなか語りつくせない部分が多々ありますが、
とにかく「主語・述語」を探すときに「主語から」探すお子さんは、ちょっと気を付けたほうがいいかもしれません。
ここに書いた内容は、保護者の方向けに書いているので、このままお子さんが読んでも理解するのは難しいかと思います。
もし、「主語から探す」お子さんが、悩まれているようでしたらご相談ください。