ビジネスモデル特許

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ビジネス・マーケティング
こんにちは、アイデア考房です。

知的財産に関わる仕事をしてきて、ビジネスモデル特許について20年以上見てきました。2000年に入ってまもなくビジネスモデル特許ブームというのが到来して、特に電機・情報系の企業が質のいいものから、そうでないものまで、たくさんのアイデアを特許として出願しました。

その結果、多くの使えない特許が山積みとなり、「ビジネスモデル特許は一時的な流行で、まがいものだったね」というような考え方も知財に関わる人たちからは、言われていたことを覚えています。

でも、最近になって特にITに関わるスタートアップに関わる方々からビジネスモデル特許、という言葉をたまに聞くことがあります。他の方からは、以前に比較して、ビジネスモデル特許が登録されるハードルが下がってきた、なんて声も聞いたりします。

そこで、ビジネスモデル特許とはどんなものなのか、どんな役に立つのか、また、ビジネスを始めたり、拡大する時に、どのように取り組むべきなのか。私の考えを述べたいと思います。

1 ビジネスモデル特許とは?

ビジネスモデル特許と聞くと、ビジネスのやり方、ビジネスモデルを特許にできると思われがちです。定義はいろいろとあるみたいなのですが、私は “ビジネスを成立させるために重要なコンピュータ、ネットワーク、ソフトウエアなどを統合した仕組み” と考えています。

特許の仕事に関わっていると、「こんな新しいビジネス考えたんだけど、特許にできないかな」というような相談を受けることがあります。そのような場合
・そのビジネスでITを用いるのか
・そのITの使い方はビジネスで重要な要素なのか
・そのITの使い方は新しいことなのか を聞くようにしています。

逆に言えば、上のことを満たせば、いわゆるビジネスモデル特許を取れる可能性が出てきます。もちろん、ビジネスに関わるITの仕組みがすべて特許を取れるわけではなく、誰よりも最初に考え、特許の申請をすることは必要です。

どのような分野の発明でも特許を取るにはいくつかのハードルを越える必要があります。ただ、ビジネスモデル特許の場合には、何を特許を取るための発明と定義するかがとても重要です。ビジネスモデルを成り立たせる重要なITの仕組みである、ということがとても大切です。


2 ビジネスモデル特許は役に立つ?

特許を取ることのメリットとして、技術の内容を開示する代わりに、一定期間の独占排他権を持つことができる。つまり、しばらく自分達だけがその発明に含まれる技術を使うことができるということです。

製薬の世界では特許はとても重要で、莫大なお金をかけて開発した薬は特許が取れなければ、すぐに他社に真似されてしまい、投資回収のための利益を確保できません。特許の独占排他権は重要です。

では、ビジネスモデル特許も特許権を取得することができれば、一定の独占排他権を得ることができて、そのビジネスを自分だけが実施できるようでしょうか。

それはYesでありNoでもあります。法律的に考えれば、ビジネスモデル特許だろうと、他の技術だろうと特許の権利は変わりません。なので、独占的な実施は可能です。

ビジネスモデル特許は、ビジネスを成り立たせるITの仕組みだということを述べました。このITの仕組み、ソフトウエア、プログラム、アルゴリズムはやっかいで、簡単にいうと代替え手段がたくさんあるということです。

ソフトウエア、プログラム、アルゴリズムなどITに関わるビジネスモデル特許はそれだけで、そのビジネスを独占することは、なかなか難しいと思います。では独占できないとしたら必要ないということなのでしょうか。

私はビジネスモデル特許を取得するのは、ビジネスにおける戦略のオプションだと思っています。ビジネスを強化するためには貢献しますが、必須ではない、ビジネスモデル特許を取得すること以外にも、自分達のビジネスの強みを発揮できる方法はありえます。

ビジネスモデル特許は、ビジネスそのものが拡大したときにその価値が上がるのだと思います。つまり、ビジネスモデル特許があるから、ビジネスが拡大するのではなく、ビジネスが拡大するとビジネスモデル特許の価値が上がる。

例えば、ビジネスモデル特許をいい形で権利化することができれば、ビジネスにおいてアライアンスを策定する場合、そのビジネスが自分達のオリジナルであることの証左になります。また、回避手段が多くあるとは言え、すでに価値のあるビジネスに関わる特許があるとしたら、それを回避しながら同じようなビジネスの価値を創り出すのは、時間やコストの面でも不利になるでしょう。

そんな場合には、そのビジネスに関わりたい他社に対して、ライセンス供与や協業、アライアンス、または資金の獲得など自分達が進みたい方向性をこちらが主導権を持ちながら提案することも可能になると思います。

ビジネスモデル特許は、自分達のビジネスがITを使いながら、価値を生み出すこと、そのモデルが画期的だと思うのであれば、権利を獲得することにチャレンジしてもいいと思います。


3.ビジネスモデル特許に取り組むには?

ビジネスモデル特許に取り組むには以下の点を考慮する必要があります。

・自分達が考えたビジネスモデルにおいてITの使い方に独自性があるか
・ITの使い方はビジネスが価値を生み出すことに貢献するか
・ITの使い方を特許に合わせた形で文書化できるか

最後の文書化ができれば、公知技術(既に公開されている他社の特許)と比較して、ここが新しくて、画期的である、というポイントを見出します。

あとは特許明細書を作成して出願という流れ、その後審査をしてうまくいけば特許権を獲得できることになります。

ただ、上記の3つの点、なかなか具体的には取り組みづらいところがあるんですよね。ビジネスというのは様々な要素が関係しているため、なかなか自分達のコアであり、特許の対象となる部分を抽出し、それを文書化するのは難しいところがあると思います。

そんな場合は、以下の点で考えてみたら、もう少しポイントが明確になるかもしれません。

・インプット - 処理 - アウトプットの流れでどこに特徴があるのか
・顧客の課題とその解決方法、どのようにITで実現しているのか
・ITの仕組みとして、データのフィードバックや自動化の仕組みはないか
・エラー処理など特別な事象に対処することで全体が成り立つ部分はないか
・UIや表示方法で、これは独自性があるという部分がないか

上記のような観点で、自分達が作り出したITの仕組みを見直し、それらを以下の点でまとめます。

・上位の課題 ビジネスを成り立たせる上での課題
・下位の課題 上位の課題を解決するためのITの課題
・課題の解決方法 取り扱うデータとその処理方法、アウトプット
・効果 そのITの仕組みで顧客(ユーザー)にどんなメリットがあるのか

これらを文書化して、その後はIT(ソフトウエア、プログラム、データなど)の仕組みを図解できれば、ビジネスモデル特許の明細書作成に移れます。

明細書作成は弁理士さんに代行してもらますので、まずは、アイデアを文書化することに注力すれば、なんとかなるでしょう。弁理士さんによっては、ここまで自分達で考えなくても、何かしらのアドバイスをしながら形作りを一緒にしてくれる方もいるかもしれません。

もし、それでも専門家である弁理士さんに相談するには、まだアイデアも固まっていないし、どのように整理すればいいか難しい、という方がいましたら、以下のようなサービスをしています。

事前の相談はいつでもメッセージでお受けしています。当方で対応が可能であるかも判断いたしますので、お気軽になんでもご相談ください。






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