「新しいことが身につくのには3000時間かかる」こうしたことを聞いたことがないでしょうか。何かを得たり高いパフォーマンスを得るには長時間トレーニングが必要と考える人は多いです。
ですが長時間トレーニングはそれ自体にリスクがあり、安易に選択しないほうがよかったりします。ここではそうした長時間トレーニングのリスクについて紹介していきます。
ですが「長時間トレーニング」
長時間トレーニングの弊害1、ケガをするリスク
長時間トレーニングの弊害は「けがをするリスクが上がる」ことです。
「トレーニングをすればするほどパフォーマンスは上がる」と思っていないでしょうか。実際にトレーニングする回数とパフォーマンスの向上はある程度相関関係があります。そのため練習時間の増加にはパフォーマンスを上げる効果があるといえます。
ただし常に「長時間トレーニング=パフォーマンスがあがる」とはなりませんので気を付けてください。トレーニングには必ずケガをするリスクが付きまとうからです。
ケガには突き指など突発的なケガと、腰痛や肩痛など疲労やダメージの蓄積によるけがの2種類があります。長時間トレーニングで特に増えるのが後者の疲労やダメージの蓄積によるケガです。
トレーニングに長い時間をかけるとその分だけ体に疲労やダメージがたまります。そうした疲労やダメージはパフォーマンスを落とすだけでなく、痛みや筋肉の損傷といったケガを引き起こす作用もあります。そのため長時間トレーニングをするのであればケガが増えるリスクも考慮しないといけません。
こうしたケガで厄介なのが「ケガしている最中はトレーニングできない」ことです。ケガの間は安静にしていなければいけません。言い換えればケガをしているときは回復するまでトレーニングは禁止となります。
さらに回復したら終わりでもありません。ケガから回復した後は筋力や体力が弱っているので、それを取り戻すためのリハビリを行っていくことになります。
ケガから元の状態に戻すには回復まで待って、リハビリをして取り戻すというプロセスがついてきます。言い換えれば回復とリハビリをしないと元のパフォーマンスは出せない、ということです。
「長時間トレーニングをしてパフォーマンスを上げるはずが、ケガをしたためパフォーマンスが低下した。」あなたはこんな結果を望んでいるのでしょうか。まず望んでいないはずです。
トレーニングを重ねることは大切ですが、同時にケガをするリスクとケガをしたら回復とリハビリに時間がかかることも理解していないといけません。長時間トレーニングでパフォーマンスが上がる効果よりも、ケガによるパフォーマンスの低下がみられるのであれば長時間する意味はありません。
長時間トレーニングの弊害2、ほかのことができなくなる
「ほかのことが一切できなくなる」のも長時間トレーニングの弊害です。
部活などで特定の競技を行っていると「それがすべて」なように感じますがそうではありません。学生であれば勉強は部活よりも大切です。(実際に高校や中学のスポーツ漫画は、そうした勉強に関することが結構おざなりになっています。)
こうしたことは、プロ選手であっても例外ではありません。練習のほかにも相手選手の研究や新たなトレーニング理論を習得するなど、こちらもまたやることがいっぱいあります。長時間トレーニングするとそうした学ぶべきことがおざなりになりやすく、結果として取り返しのつかない事態に遭遇することがあります。
「トレーニング後に勉強すればいいのでは」と思えそうですが、長時間トレーニングなるとそう上手くも行きません。疲労が大きければ勉強する前に睡魔が襲ってきて眠ってしまうからです。
そうした睡魔を理由に勉強するしない日々が続くと「昨日もそうしたのだから今日も同じようになる」と考えてそれが習慣となり、結果として勉強などを一切しなくなり恐れがあります。
ここまで見てきたのは「身体的な疲労」です。長時間トレーニングでは身体的な疲労のみならず「精神的な疲労」も発生し、こちらにも注意しないといけません。
身体的な疲労は睡魔を引き起こすのに対して、精神的な疲労が引き起こすのは「学習の拒否」です。精神面の疲労は新しいことを学ぶ力を奪うため、精神的疲労が蓄積していると、勉強など新しいことを学ぶ行為がすべてストップされてしまいます。
身体的、精神的に疲労が大きいのであれば練習量を見直さないといけません。
長時間トレーニングの弊害3、練習することが目的になる
練習時間が増やしたときに「どんな練習をしようか?」と考えたことはないでしょうか。実はこの考えこそが、長時間トレーニングの弊害であったりします。
長時間トレーニングできるとパフォーマンスが向上できると思えそうですが、実際にやってみると、結構時間をつぶすことに意識が行きがちです。時間をつぶすのであれば長い時間をかける必要があるのでしょうか?そうするぐらいなら勉強や趣味などほかのことをする方が時間を有意義に使えるはずです。
そもそもトレーニングを行う目的は何なのでしょうか?トレーニングするだいたいの目的は「試合に勝つため」や「パフォーマンスを上げるため」となるはずです。
言い換えれば何もしなくても試合に勝てる、良いパフォーマンスが出せるのであればトレーニングをする必要がありません。何もしなくても望む結果が手に入るのですから。ですが現実はそううまくいかないので、勝つためやパフォーマンスを上げるためにはトレーニングが必要となります。
つまり「目的:試合に勝つ、パフォーマンスを上げる。手段:トレーニングをする」という関係が成り立つのです。
ですが長時間練習をすると、上記の関係に変化が生じます。その変化をもたらすのが「どんなトレーニングをしようか?」という言葉。
「どんなトレーニングをしようか」の言葉には「どんな練習メニューをして時間をつぶそうか」という意味が隠されています。あらかじめすることが決まっていれば「どんなトレーニングをしようか」という言葉は出てきません。
そのため長時間トレーニングになると「目的:時間をつぶす。手段:練習する」という関係に変化するのです。時間をつぶすためにする練習には、試合に勝つような効果があるのでしょうか?
多少はあるかもしれませんが、高価としてはほとんどないといってよいでしょう。
もちろん勝つためやパフォーマンスを上げるために必要な練習を定めているのであれば話は別です。行わなければいけないトレーニングが長い時間を要する場合でも行う理由が明確であれば問題なく、無駄な時間ではありません。
問題なのは「時間をつぶすために行うトレーニング」です。目的が時間をつぶすになっているため、勝つことやパフォーマンスを上げることにはつながりません。
特に長い時間トレーニングしているようであれば、行っていることは一度見直してください。費用対効果(ケガや疲労のリスク:パフォーマンスの向上効果の割合)が悪いようであれば思い切ってやめてしまうのが良いでしょう。
まとめ
1つのことに長い時間をかけて取り組むことは、結果を出すことパフォーマンスを上げることに関しては良いことです。ですが同時に長い時間をかけるからこそ、ケガをするリスクが増大したり、ほかのことに手を付けられなくなったりする問題も発生します。
長時間トレーニングにはそうしたリスクが付きまといますので、必要以上にトレーニングを要求しないようにしてください。