年功序列のメリット3選

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「若手の給料が安い」「働かないおじさん/おばさんが出る」などの理由で現在ダメな制度として扱われる年功序列。確かに少子化など今の情勢を考えると制度としては適しているとは言えないでしょう。

ですが完璧に素晴らしい制度がないように、全くダメな制度というのも存在しません。これは年功序列も同じです。

では年功序列の制度にはどういった良いところがあるのでしょうか?今回は気づかれにくいであろう年功序列のメリットを3つほど考えてみました。

年功序列のメリット1、若手の雇用が増える

意外かもしれませんが年功序列では若手の雇用が増えます。若手の雇用が増えるのは「給料が抑えられている」からです。年功序列では若手や新人の給料は抑えられる傾向にあるのですが、それが雇用を生むというメリットを生み出しています。

一般的に給料の金額と求められる成果は相関関にあります。そのため給料が高くなるほど求められる成果や技術は高くなるのです。若手は年配の人と比較してスキルが低いもしくは少ない傾向があります。そのため仕事で設定される給料が高くなるほど、若手や新人は採用されにくい傾向にあるのです。

また年功序列では若手や新人の給料は押され得られる傾向にあります。これはいいかえれば成果はさほど求められないことにもつながります。(アルバイトの雇用形態なのに正社員並みの責任を求めるブラック企業は別です。)

成果が求められない仕事は基本的に給与を安く設定されるのですが、同時に雇うためのハードルも低いです。そのためそうした仕事にスキルや経験が不足している若手や新人が入ることになり、結果として雇用の増加につながっています。

年功序列のメリット2、社員の教育が充実する

年功序列では「社員の教育が充実する」というメリットがあります。意外に思えるかもしれませんが、年功序列ではある人達のおかげで会社における教育の仕組みが充実するのです。それは誰だかわかりますか。

会社内で若手や新人を教育するのが「働かないおじさん」たち。年功序列では「働かないおじさんが増える」ことをよく問題視されます。ですが働かないがために、実は彼らこそ新人や若手の教育を担っていることが多いのです。

実際に新聞社などでは若手の質の低下を問題視されています。質の低下ときくと”若手の出来が悪くなった”考える人は多いでしょう。ですが実際には”今まで若手を教育していた、働かないおじさんたちがいなくなった”という事情が大きかったりします。

忙しく仕事をしている人は成果を上げることが最優先なので、若手や新人を教育することはありません。ですがスキルの不足している若手や新人には教育が必要です。

そうしたスキルの習得が必要な若手や新人の教育をしてくれるのが「働かないおじさん」だったりします。働いていないといわれるということは、言い換えれば時間に余裕があることにもつながります。そのため彼らが裏で新人や若手らに腰を据えて教育していたりするのです。

「働かない人のスキルって役立つの?」と思う方もいるでしょう。ですが真司にゃ若手が担う仕事に関して言えば、おじさんたちが持つ”枯れた技術”も若手や新人からすれば貴重な技術です。(若手や新人が担う仕事には枯れた技術で充分にこなせるものもありますから。)

結果として「働かないおじさんたちが若手や新人の教育を担い、彼らが一人前になったら次の新人を教育する。」というループが出来上がり、おじさんたちは人知れず社員の教育に大きな貢献を果たしていることがあります

一般的に働かないおじさんは敵視されることも少なくありません。ですが時間的に余裕があり、競争にさらされていないからこそ、ほかの人の教育をしたり長期的な目線で取り組めたりと、独自のメリットがあったりするのです。


年功序列のメリット3、評価が明確になる

「評価が明確になる」のも年功序列のメリットです。
「年功序列では年齢で判断されるから、自分の頑張りが評価されない」というデメリットを年功序列でよく聞きます。確かに自分の頑張りを正確に評価されないのは辛いものです。

ですがここで考えてください。「自分の出した成果は自分の力だけで出したものなのか?」ということを

最初から最後まで何から何まで自分の力でなしたのなら文句はありません。ですが裏でサポートや根回ししてくれた人がいたり、実は陰で大変な業務をしてくれた人がいたりしていないでしょうか。そのため案外自分の力だけで大きな成果を出した、というのは案外少ないものです

そうした陰でサポートしてくれた人たちまで平等に評価してくれるものでしょうか?そんなことはありません。評価する人も人間なので、どうしても目立つ人を評価されてしまい、裏で頑張った人や陰でサポートしてくれた人に関してはあまり評価されないことがしばしばあります。

実際に「自分はタフな仕事をこなしたのに、ほかの人が評価された。」という経験をした人もいるでしょう。悔しい想いはありますが、会社もすべての面から見ることはできないので、どうしても評価に偏りが出てしまいます。

これに対して年功序列であればどうでしょうか?
年功序列であれば「頑張った/大変な業務をこなしたのに評価してもらえない。」ことがありません。おいしいところだけ持っていた人も、裏で大変な仕事をしていた人もある意味で、”年齢によって平等”に評価されるようになります。

もちろんこれでは頑張って仕事をするかといわれたら疑問しかありません。
ですが年齢だけで判断されるのであれば「自分だけが評価されない」という理不尽もないのでこれはこれでメリットになったりします。
(そもそも成果は相対的な評価なので、他者を圧倒するような成果出せるのは、どうしてもほんの一握りに限定されます・・・)


もう一つ見逃せないのは「仕事がうまくいかなかったとき」です。仕事の成果や結果で評価される場合、うまくいけば高い評価を得ますが、失敗すれば当然ながら低い評価/悪い評価を受けます。

悪い評価を重ねれば降格や減給、下手をすれば解雇なんて事態に陥るかもしれません。成果で判断する評価はそうした面もあるので注意が必要です。

年功序列であれば、年齢に占めるウェイトが大きいので仕事が失敗したことはあまり評価に影響しないことがあります

人生においては成功と失敗は同じくらい、もしくは失敗することの方が多いくらいです。とりわけ失敗が多い人であれば、結果による評価よりも年齢による評価のほうが、よかったりします。


まとめ

年功序列のメリットを3つほど上げてみました。メリットを上げてはみましたが、おそらく年功序列の制度が復活することはないでしょう。(社会や会社に余裕がないので)

とはいえ時代に合わない制度とはいえ、そこには良いところ・悪いところが必ずあります。今後新しい制度が作られたら、良いところだけでなく、悪いところも公正に判断するようにしましょう




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