ブルーオーシャンは楽園ではない?多くの人が誤解していること

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ブルーオーシャンを楽園、もしくは桃源郷と勘違いしている人は多いです。
「自分たちがいる市場は競争の激しいレッドオーシャンだから、競争のないブルーオーシャンの市場へ行って楽して儲けたい」といっている人はあなたの周りにいないでしょうか。

儲けられる可能性のある市場は参入者も多いので競争が多く、競争がない場所を望むのは仕方ないかもしれません。

ですが「ブルーオーシャン=競争のない楽園」なのは本当なのでしょうか?そんな理想郷(ユートピア)が現代にあるのでしょうか?

今回はそうした多くの人が誤解しているブルーオーシャン実像について説明していきます。

ブルーオーシャンは「競争がない」ない場所のこと

まずはブルーオーシャンの定義を改めてみてみましょう。ブルーオーシャンとは「競争のいない市場」のことです。

対照的な言葉で使用されるレッドオーシャンは「競争相手の多い市場」を意味しています。シンプルに競争相手が多い市場がレッドオーシャン、少ないもしくは全くいない市場がブルーオーシャンといってよいでしょう。

ブルーオーシャン=新しい市場はある意味で正しい

「ブルーオーシャン=新しい市場」といわれることがあります。これは誤解なのかそれとも正解なのでしょうか?新しい市場の特性を考えれば「ブルーオーシャン=新しい市場」もまた正しいといえます。

ブルーオーシャンは「競争のいない市場」です。新しい市場も、自分が開拓した市場であるため「競争のいない市場」であるため、「ブルーオーシャン=新しい市場」という図式は成立します。

ここで気を付けてほしいのが、「新しい市場=開拓されていない市場」なことです。人がいない土地というのは未開拓であり、人がいないからブルーオーシャンになっているだけにすぎません。

そのため新しい市場でありながらすでに多くの人が集まっているのであれば、そこはブルーオーシャンではなく競争相手の多いレッドオーシャンになっている恐れがあります。

つまり新しい市場でも競争相手が多いのであれば、レッドオーシャンになりえるのです。大抵は「新しい市場=競争相手がほとんどいない」なので広い意味では間違いではないのですが。

ブルーオーシャンは競争相手こそいないが、開拓が必要

ブルーオーシャンという言葉を聞くと「楽園」やら「桃源郷」をイメージする方もいるでしょう。確かに競争相手がいないので楽園のように思えますが、実際のところ別の問題が出てきます。

ブルーオーシャンで発生する問題が「開拓しなければならない」ことです。
例えばあなたは開拓者であり、誰も踏み入れていない土地を見つけたとしましょう。どのような土地を思い浮かべましたか?

出荷できるように木材が切り取られていて並べられたり、金銀の貴金属が固まり状態となっておかれてたりする光景は想像しないはずです。誰もいない土地なのですから。

大抵の人は誰も手を入れていないありのままの自然を思い浮かべるはずです。
手つかずの自然の中にある資産はそのまま使うことができるでしょうか?
当然ながら、できません。

手つかずの資源は人間社会では使えないので、人間が使えるように開拓をしていく必要があります。

ビジネスの市場もまた例外ではありません。ブルーオーシャンといわれる市場は競争相手がいないので競争は少ない反面、誰もいないので開拓されていないことになります。

ブルーオーシャンとは競争相手がいない反面、誰もいないので自分自身で市場を作ってく必要があります。市場を作る行為はかなり面倒です。

しかも市場が開発されていけばたくさんの資産を得られるようになる反面、競争相手も参入することになるため、競争相手も招くという問題を抱えることになります。

ですが競争相手が増えるほど市場開拓の速度が上がっていくのも事実です。「競争相手が増えるのは厄介だけど、いれば市場は爆発的に拡大していく」のはブルーオーシャンのジレンマだといえるかもしれません。

ブルーオーシャンはいずれレッドオーシャンになる

ブルーオーシャンは開拓が必要な反面、開拓できればそこにある資源を独り占めできます。ですが独り占め行為は長く続きません。ブルーオーシャンは必ずと言っていいほど変化をすることになるからです。

変化は大きく分けて2つのパターンがあります。

1つ目が「レッドオーシャンに変化していく」パターン。競争相手のいないブルーオーシャンに続々と参入者が増えていくことになり、結果として競争相手が増大しレッドオーシャンになるのです。

身近な事例としては「転売」があるでしょうか(あまり身近ではないかもしれませんが)。少し前であれば転売は稼げる仕事で、実際に転売ので年収1億稼いだ人もいました。

ですが今の転売はどうでしょう。行う人が多くなりすぎ、年間で1億も稼げている人はまずいません。というより転売ヤーと一杯食わせるために偽情報を流す人との化かしあいがおこなわれるなど、稼ぐことすら困難になっています。

こうしてみる通り、転売という仕事は昔であれば競争相手のいないブルーオーシャンであったのですが、今は競争相手や市場が飽和しているレッドオーシャンだといえます。

なぜブルーオーシャンからレッドオーシャンに変化のでしょうか。これは
「みんなブルーオーシャンに入りたい」という心理があるためです。

冒頭でも「競争相手のいない楽な市場へ入りたい」と述べましたが、これを思っているのはあなただけではありません。多くの人がそう思っています。(逆に入りたいと思っている人はどれくらいいるだろうか?)

そうした人がブルーオーシャンを見つけたらどうなるでしょうか?迷いなくなくブルーオーシャンの市場に飛ぶこむこととなります。結果として競争相手が増えて結果としてレッドオーシャンへと変化していきます。

2つ目は「実入りのない市場へ変化していく」パターン。こちらは市場を開拓してもあまりうまみがないとき限定で起きるものです。通常、実入りのある市場はどんなところであっても競争者が増えていきます。

ですが新規に参入した人が十分な利益を得られないような市場だったらどうでしょうか?一人であれば十分な利益が得られるのに100人だったら、利益どころか損失が出るような市場です。

そうしたうまみのない市場に参入するような人はまずいません。仮にいたとしてもメリットがないとしてすぐに撤退します。結果として市場にいる人も少なくなり、競争もまた少なくなります。

ブルーオーシャンが変化せずにブルーオーシャン(うまみのない市場)のまま安定するといってよいでしょう。ニッチ産業といっていいかもしれません。

こちらの変化パターンもまたブルーオーシャンの行き着く先の1つです。

まとめ

ブルーオーシャンはあくまでも競争の少ない市場であり、多大な利益の得られる楽園ではありません。

外から見ると楽園に見えるように見えますが、内側から見ると、未開拓ゆえに自分で開拓しなければいけなかったり、開拓したら参入者に手を焼くなど様々な問題が見えてきます。

ブルーオーシャンの実情を理解せずにイメージだけで挑むと思わぬしっぺ返しを受けることになります。正確なイメージをここでつかむようにしましょう。



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