「突然知らない番号から電話がかかってきて、商品やサービスを勧められた。」
このような経験をされた方も多いのではないでしょうか。
このような販売方法には、法律上「電話勧誘販売」というルールが設けられており、消費者を保護するための厳しい規制があります。
今回は、電話勧誘販売とは何か、どのような規制があるのかについて解説します。
電話勧誘販売とは
電話勧誘販売とは、販売業者や事業者が電話をかけて商品の購入やサービスの契約を勧誘し、その勧誘によって契約を締結させる販売方法をいいます。
典型例としては次のようなものがあります。
投資商品の勧誘
リフォーム工事の契約
健康食品やサプリメントの定期購入
学習教材の販売
不動産投資の勧誘
光回線やウォーターサーバーの契約変更
また、一度電話を切ってから後日契約した場合であっても、その契約が最初の電話勧誘をきっかけとして成立したのであれば、電話勧誘販売に該当する可能性があります。
なぜ規制されているのか
電話では相手の顔が見えず、その場で判断を迫られることが少なくありません。
特に、
「今だけです」
「本日中に決めてください」
「皆さん契約されています」
などと言われると、十分に検討できないまま契約してしまう危険があります。
そのため、消費者が冷静な判断をできるよう、電話勧誘販売には特別なルールが設けられています。
特定商取引法による規制
電話勧誘販売は、特定商取引法によって規制されています。
代表的な規制は次のとおりです。
① 最初に会社名・目的を名乗る義務
事業者は電話をかけた際、
会社名
勧誘する目的
商品・サービスの内容
などを最初に伝えなければなりません。
「何の電話かわからないまま話を進める」ことは許されません。
② 再勧誘の禁止
一度、
「結構です」
「契約しません」
とはっきり断った消費者に対し、同じ契約について繰り返し勧誘することは禁止されています。
③ 不実告知の禁止
例えば、
必ず儲かる
絶対に効果がある
解約はいつでも自由
など、事実と異なる説明をすることは禁止されています。
重要事項について故意に説明しないことも違法となる場合があります。
④ 威迫・困惑させる勧誘の禁止
長時間電話を切らせない、
「今決めないと損です。」
など、相手を心理的に追い詰める勧誘は禁止されています。
クーリング・オフができる
電話勧誘販売では、多くの場合、契約書面を受け取ってから8日以内であれば、理由を問わず契約を解除できる「クーリング・オフ制度」が利用できます。
違約金も原則不要です。
すでに商品代金を支払っていても返金を求めることができる場合があります。
ただし、すべての契約が対象ではないため、契約内容によって確認が必要です。
事業者側も注意が必要
電話営業を行う事業者にとっても、法律違反には大きなリスクがあります。
例えば、
行政処分
業務停止命令
業務禁止命令
企業名の公表
民事上の損害賠償請求
などにつながる可能性があります。
営業担当者が善意で行った勧誘であっても、会社全体の責任が問題となることがあります。
電話勧誘販売でトラブルになりやすい契約
実務上、次のような契約では特に注意が必要です。
リフォーム工事
投資・資産運用
不動産販売
エステ・美容サービス
定期購入契約
通信サービス
各種会員権
これらは契約金額が高額になりやすく、消費者トラブルも多く見られます。
まとめ
電話勧誘販売は、便利な営業方法である一方、消費者が冷静な判断をしにくいという特性があります。
そのため、法律では、
事業者の説明義務
再勧誘の禁止
虚偽説明の禁止
威迫的勧誘の禁止
クーリング・オフ制度
など、多くのルールが定められています。
電話営業を行う事業者はもちろん、電話で契約を勧められた消費者も、これらのルールを知っておくことで不要なトラブルを防ぐことができます。
南本町行政書士事務所 特定行政書士 西本