●ある飲食店の店主Sさんは、無二のアウトドア好きです。
商売そっちのけで、仲間を集めてはキャンプやツーリングを楽しむ毎
日を過ごしていました。
そんなある日、アウトドア仲間から、意外な質問を受けました。
「ところで、Sさんって何の商売をしてるんですか?」
自分自身でも気づかなかったのですが、今まで何度となく顔を合わせ
てきた(一部の)仲間には、Sさん自身の仕事について話をしていな
かったようです。
そこで、Sさんは飲食店経営であることを話すと、それ以降、会合の
あとの懇談会をSさんのお店で開くことになったそうです。
この会合は20名以上の集まりで、毎月実施されています。
つまり、Sさんのお店には、毎月20名近くの団体客が来店する
“固定的な売上げ”が実現したわけです。
このように、「仕事」と「趣味」の分野を完全に隔絶している人が意
外と多いのですが、Sさんのように「仕事」と「趣味」の垣根を外す
ことで、自店の売上げに貢献することは少なくないのです。
●ここにヒントを得たSさんは、アウトドア以外にも、様々なイベン
トを毎月企画するようになります。
テーマをアウトドアだけに絞ると、客層が固まってしまうからです。
ただし、それぞれのイベントの理念は
『 参加者が心から楽しめる、満足度の高いイベントの開催 』
としました。
イベントをきっかけに、お店の売上げ向上を狙うと、その思いは参加
者にも伝わる…と、極力お店色を無くし、参加者の満足度の向上に
注力しました。
奥さんや知人にも相談しながら、ひとつずつのイベントを吟味・検討
し、実現していきました。
では、今現在、実施されている主なイベントをご紹介しましょう。
■夏休み!スイカ割り大会
最近めったに見られなくなった「スイカ割り」を、お店の駐車場(車
3台分)を開放し、8月下旬に開催。
駐車場には、砂を敷きつめ、海浜を演出。
子供主体のイベントですが、もちろんそこには日頃来店していただい
ているお父さん(&お母さん)がいて、そこに家族ぐるみのつきあい
が生まれ、独特のコミュニティを形成します。
店頭では生ビールと簡単なおつまみを無料提供するだけですが、話が
はずんだ参加者たちは、そのまま店内に入っていくことに…。
Sさんは「スイカ割り」係りですので、店内運営のために、若干の応
援が必要となりますが、お客様同士が仲良くなる人気のイベントとし
て定着しています。
■旦那も大喜び!短時間&簡単お弁当作り教室
Sさんの奥さん主導で、年に数回開催される「お弁当作り教室」。
飲食店経営ならではの簡単裏メニューを公開するとともに、今では仕
入先である冷凍食品メーカーの営業マンも参加し、業務用商品の紹介
とともに、秘伝のレシピをお伝えします。
地元の主婦に好評のイベントで、ほとんどクチコミだけで参加者が増
えています。
イベントのお帰りには、安い業務用商品の販売と、その日に公開した
レシピ(LINEで動画付き)をプレゼント。
地元の主婦を味方につけることで、家族連れのお客様が増えたそうで
す。
■暑中見舞い&年賀状デザイン大募集
Sさんのお店の暑中見舞い&年賀状は、毎年お客様から募集します。
デザインといっても、それほど高度なものを望んでいるわけではなく
例えばこれまでの採用例を挙げると、
趣味の切り絵や、小学生の水彩画、書道、写真などなど…。
意図的に「これくらいなら私も応募できる!」と感じられるレベルに
設定しています。
採用された作品には、お店で使える商品券1万円分を進呈。
参加者には、全員1000円分の商品券を贈呈します。
この商品券の金額分はそのまま利益減となりますが、それでもデザイ
ナーに支払うデザイン料よりも安く済むし、その後の来店促進にもつ
ながります。
また何といっても、話題作りに役立ちます。
地域では毎年注目の暑中見舞い&年賀状と、話題です。
■もらいもの一掃DAY
ビールや食材の仕入れメーカーとおつきあいをしていると、定期的に
キャンペーン用のポスターやビアグラスなどの販促グッズやプレミア
グッズをもらうことがあります。
そんな無料(タダ)で入手したグッズ類を、お客様に呼びかけて、無
料でプレゼントします。
市場では手に入らないグッズばかりなので、喜ぶお客様も多いようで
す。
■いい夫婦の次の日
11月22日=いい夫婦の日の翌日・23日に、イベントを開催しま
す。
翌日開催の理由は、Sさん自身もよくわかってないのですが(笑)、
当日は家庭で過ごし、その翌日にお店に来ていただく趣旨で開催して
いるとか…。
お客様からも、「なぜ22日じゃないの?」と突っ込まれるそうです
が、これが逆にインパクトを与えているのかもしれません。
「お弁当作り教室」同様、奥様を味方につけることで、『奥様公認の
店』になるそうです。
■願いごと成就イベント
毎年12月になると、店内では「願いごと」を記入する用紙が配られ
お客様が来年の「願いごと」をその場で書いたり、家に持ち帰り、後
日家族全員分の用紙を持参したりします。
それらをSさんがまとめて、年頭に、(地元の)神社に参り、祈願し
ていただきます。(※祈願料は2万円程度)
その後、用紙を提出したお客様へ「本日祈願してきました」というア
ナウンスをするだけの簡単イベントですが、とても有難いと好評。
特に、昇進や進入学など、具体的な願いごとを書いた人は、「見事合
格しました!」という返事をいただくこともしばしばで、そのお祝い
会は、当然のことながらSさんのお店で開かれるそうです。
■みんなで歩けば怖くないDAY
最近メタボ気味の男性客も多く、Sさんのお店では、毎年5月に
42.195キロ
を歩くイベントを実施しています。
長距離マラソンと同じ距離ですが、これを完歩するのは並大抵のこと
ではありません。
平均約10時間かけて歩きますが、最初のうちはニコニコ顔の参加者
も、次第に口数が少なくなり、やがて足が自由に動かなくなります。
なかには脱落する人もいますが、ここで参加者同士が助け合う場面が
生まれます。
ゴールした瞬間には泣き出す人も多く、このイベントで感動した参加
者たちは、このイベント(やお店のこと)について色々な場所で話し
ます。
つまり、クチコミが自然発生している、一番人気のイベントです。
●…いかがでしょうか?
Sさんのお店では、このようなイベントを毎月実施しているのです。
もともとアウトドア好きのSさん自身が喜び、それに伴って、参加者
(お客様)も喜ぶ。
この図式だけで、一切の広告展開をせずに、町一番の繁盛店になって
います。
毎月のイベントの準備で、広告を実施する暇がない、というのが本音
かもしれません。
また、驚くことに、これらの各種イベントのアナウンスはほとんど全
てLINEを使用(一部DMあり)。
告知部分では、ほとんどお金がかからないそうです。
さらに、イベント終了後には、現場で撮影した写真をハガキに貼り
(印刷ではありません)、参加者たちに一言コメント付きで郵送しま
す。
これらの写真は、店内の壁面いっぱいにも貼り出されてあり、来店時
には自由に持ち帰りOKにしています。
●Sさんにとってのイベントのコンセプトは、
『お客様を楽しませる』ことに尽きます。
単に販売商品を並べるだけの安売りはイベントではない、と考えてい
ます。
もちろん、割引販売も商売における大切な要素ではありますが、そこ
に「娯楽性」がなければお客様が楽しいと感じることはありません。
「イベント」という言葉自体、何かワクワクしますよね?
そんなワクワク感を提供し、お店(店主)とお客様の心と心の絆を深
める活動こそ、イベントだと言われてました。
心から楽しめることを、ジャンルを絞らずに実施することで、
男性・女性・子供・若い人から高齢の方まで、幅広いファン客の獲得
に成功しているSさんのイベント戦略…
いかがですか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「LINE!販促」Lステップ正規代理店・Lコン倶楽部スタッフ一同
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━