第30回「音屋のkatsu」の音楽あるある〜最後の武者修行編①〜
突然やってきた「最後のチャンス」。地元の楽器店オーナー「T」さんからの一言。「最後のチャンスだと思って賭けてみないか?」何でもその「相手」とは地元の人間ではなく、大学生との事。聞いたことも無いヤツです。「とにかく、すごい奴なんだよ!演奏も、歌も、桁違いにすごい奴なんだ!」どんな奴なのか、気にならない訳がありません。今思えば、確かに凄い奴です。色々な意味で…。Tさん:「アイツの演奏について来れるのは、君だけだと思ったんだよ!」私:「へぇ。そんな奴がまだ地元に隠れていたんですね?」Tさん:「それにさ、実は…。」「T」さん曰く、何でも何処かのレーベルに目を付けられているのだとか。それくらい、実力のある素質を持っている者だと。私:「ふ〜ん。ま、『T』さんが言うのならそうなんでしょうね?」Tさん:「ま、一回会ってみて手合わせしてみない?」私:「…考えておきます。」その時は一旦、話を持ち帰らせてもらいました。そうです。私は「夢」を二度も諦めた男。しかも、女絡みで。実に女々しく、実に弱々しい惨めな男。どうするか考えました。本当に何回も、何度も考えました。相談して理解できる者などいません。全部自分で決めなければ本当にこの先一生後悔して生きる事になります。もう、「他人」や「環境」にも振り回されたくない。「自分の一生は自分中心で決める。」人間、「腹を決める」と自然と行動するものです。私:「わかりました。先日の件、先方に伝えておいて下さい。」Tさん:「おぉ!了解だよ。楽しみだなぁ!」後日、相手から日時と場所が指定されました。場所は地元の大学。夕方。私はバイクで、ドラムスティック一組だけ持って来ました
0