[Excel]自動作成!印刷用:健康観察表の作り方

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こんにちは。かづきchanです。

新型コロナなどの影響で、毎日の体温や症状について日々記録する「健康観察記録表」等のシートを、毎月用意されている所も多いのではないでしょうか。

今回は「●月」の数字を入れるだけで、日付・曜日・枠線の増減も含め、”後は印刷するだけ”の状態へ自動で変わるExcelシートの作り方を紹介します。
※VBA・マクロは使っていません。
※Excel2010以降のバージョンで作成してください。

■どんなものが出来るの?

・「●月」の所に表示させたい月の数字を入れると、日付・曜日が変わる。
 ※シート名「来月分」を使う場合は、自動的に来月用が作成される。
・シート名「2021」を変えれば、他の年にも対応可能。
・その月の最終日にあわせて、枠も含めて行数が増減する。
・週代わりを見やすくするため、日曜の下は太線で表示される。
・白黒(モノクロ)印刷向け。
・サイズは「B5」用として作成。※サイズは変更可能です。
(文字を詰め込む為に余白を狭くしており、標準ならA4で丁度ぐらい。)
健康観察記録表‗完成.jpg

■この記事の内容について

基本的に、あまりExcelを使ったことがない方でも作成できるよう、この記事からコピー&ペースト(貼り付け)で作成するための内容ですので、数式の説明などは省いています。

この記事の内容の大半は、主にスケジュール作成関連記事(無料)に書いてある内容ですので、数式の詳細についてはそちらを参考にしてください。
※スケジュール関連の記事の内容を見ていただいて、内容がわかる程度にExcelの知識がある方は、当記事を見なくても作成可能だと思います。


■記事を読む前に、最低限把握しておいてほしいこと

・Excelの画面はバージョンによって違うので、画像がご自身の使われているExcelと違う場合がありますが、基本的な場所はあまり変わりません。

・Excelの”セル”とは、記入できる四角い枠の部分のことを言います。
 ※下の画像でいえば、今12個のセルが見えています。
セルについて.jpg
・セルの場所は、A・B・C~の「列番号」と、1・2・3~の「行番号」の組み合わせで呼びます。上の画像で選択しているのは「B2」セルです。
(ちょっと将棋みたいですよね)

・セルの中で改行したい時は、[Alt]キーを押しながら、[Enter]キーを押してください。

・コピーは、コピーしたい部分をマウスなどで選択後、[Ctrl]キーを押しながら、[C]キーを押してください。
ペースト(貼り付け)は、貼り付けたい場所を選択後、[Ctrl]キーを押しながら、[V]キーを押してください。

・セルの列幅や行幅は、列番号と列番号(行番号と行番号)の区切り線の部分にマウスカーソルを合わせると、「←┃→」のようなマークに代わるので、その状態でマウスの左ボタンをクリックしつづけて左右(行なら上下)に移動することで、幅を広げたり狭めたりできます。

・上部メニュー「ホーム」には色々なフォント変更などが用意されていますので、色々使ってみてください。
書式変更.jpg

・Excelは印刷に反映するのが割と苦手です。Excel上でちゃんと見えていても、印刷すると文字が切れてしまったりする場合もあります。
印刷プレビュー確認は必須です。(ただしそれでもズレるときはあります)

■作成方法(年月指定Ver.)

では早速作っていきましょう。

【1】Excelを開いてファイルを作成する

Excelのバージョンによって起動した時の画面が違ったりするのですが、Excelを起動して下記のような画面が出てきた場合は、「空白のブック」をクリックしてください。
※他のExcelブックから開く場合等は、左側の「新規」or「新規作成」から。
エクセル起動.jpg

セルが沢山表示されている画面が出たら、左上の「ファイル」を選択します。
上部メニュー‗ファイル.jpg
左メニューの「名前を付けて保存」から、好きな保存場所を選んで名前をつけます。画像では「体調記録」とつけました。
名前を付けて保存.jpg
「←」ボタンからシートの画面にもどります。
元の画面に戻る.jpg

【2】下準備をする

(2-1)シート名の変更
画面左下の「Sheet1」と書かれているシート名をダブルクリック、または右クリック「名前の変更」を選んで、シート名を今年の年(2021)にします。
※ここで入力した年を元に日付・曜日が自動的に変動する事となります。
シート名変更.jpg

(2-2)サイズの変更
どこかのセルをクリックしてから、上部メニュー「ページレイアウト」を開き、「サイズ」ボタンを押して作りたいファイルのサイズを設定します。
サイズ変更.jpg

(3-3)レイアウトを変更
用紙サイズに対してどれくらいの幅が使えるのかある程度わかるように、参考程度ではありますが、レイアウトを「ページレイアウト」に変えておきます。
Excel画面の右下にある四角いアイコンの真ん中を選択します。
ページレイアウトにする.jpg


【3】ベースとなる部分の表を作る

1~4行目部分は、タイトルや氏名記入欄、コメントなどお好きな内容を入れていただくのですが、これは後まわしにします
先に表のベースとなる”5~8行目”を作ります。(画像:選択した灰色の部分)
5-8行目.jpg

《5行目》
・5行目はいわゆる「見出し」部分です。
「A5」セル以外は、お好きなように項目名を1セルずつクリックして記入し、必要に応じて幅や配置・フォントサイズなどを調整してください。

・枠線も、この部分に関しては最終的に表示したい内容で設定してください。
5-8行目入力例.jpg

※画像例では、「A5」セルと「B5」セルを統合していますが、これは別に統合してもしなくても大丈夫です。セル名は統合した場合左側の「A5」です。
※例として表示している画像では、「B5サイズ」ということで、あまりスペースもないこともあってI列までしか使っていませんが、もうすこし大きなサイズの用紙を使う場合は、もっと項目数を増やしても大丈夫かと思います。

・残しておいた「A5」セルに、とりあえず直近で表示したい月の数字のみを入力します。(6月なら「6」だけを入力)

・最後に「A5」セルを右クリックして、「セルの書式設定」を開きます。
 上部タブから「表示形式」画面を開き、「ユーザー定義」を選びます。
”種類(T):”と書かれている下の枠に、下記の内容を入力します。
0"月"
※灰色枠内の内容をコピーして、ペースト(貼り付け)でOKです。
 以降、灰色の枠が記事の中に出てきたときは、基本コピペでOKです。

[OK]ボタンを押して反映させます。
これで「6」とだけ入力したA5セルが、「6月」と表示されます。
A5セルの書式設定.jpg

《6行目》
・6行目は記入例を書きます。基本的に実際の入力欄にもここで入力した内容と同じものを自動的に表示できます。(画像:症状項目や、有・無 など)

・枠線も、この部分に関しては最終的に表示したい内容で設定してください。
 記入例に〇を付けたい場合は、後回しにしてください。
5-8行目入力例.jpg

《7行目》
・7行目はコピー&ペースト(コピペ)ラッシュです。
 数式が入る下記のセル番地にどんどんコピペしていってください。
 色々やることとが多い行ですが、がんばってください。

(7行目-1)数式をコピペする
▼A7セル
=IFERROR(DATE(RIGHT(CELL("filename",$A$1),LEN(CELL("filename",$A$1))-FIND("]",CELL("filename",$A$1)))*1,$A$5,1),"")
▼B7セル
=IF($A7="","",$A7)
▼C7セル
=IF($A7="","","℃")
▼D7セル
特になし(空白なのでそのまま)

▼E7セル
=IF($A7="","",E$6)
▼F7セル
=IF($A7="","",F$6)
▼G7~I7セル
特になし(空白なのでそのまま)

(7行目-2)書式を変更して、日付と曜日を表示する
・「A7」セルと「B7」セルの書式を、A5セルのように変更します。
それぞれ右クリックで「セルの書式設定」>上部タブ「表示形式」>「ユーザー定義」で、”種類(T):”の下の枠に、下記の内容を入力します。
▼A7セル
d"日"
▼B7セル
aaa

(7行目-3)枠線を引く
・まず、”縦(たて)”の枠線は普通の太さで引きます。
 ※区切りの場所など太くしたい部分は、もちろん太い線でもOKです。

・その後、A7~I7(7行目の最終列まで)を選択して、太い外枠を引きます。
7行目の枠線.jpg

(7行目-4)条件付き書式を設定する【1:日付がないときは枠線無し】
(1)(7行目-3)と同様に、A7~I7(7行目の最終列まで)を選択します。

(2)上部メニュー「ホーム」内の、「条件付き書式」ボタンを押して、「新しいルール」を選択します。

(3)「新しい書式ルール」画面が表示されたら、一番下にある「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択します。

(4)ルール内容の編集で、”次の数式を満たす場合に値を書式設定(O):”の下の枠に、下記の式を入力します。
※入力方法がちょっとセルと違うのでコピペ推奨。
=$A7=""
条件付き書式1の式.jpg

(5)「書式(F)」ボタンを押して「セルの書式設定」画面を開き、上部タブから「枠線」を選択します。

(6)左側の線のスタイルで、下記画像の「なし」部分(水色枠)をクリックしてから、青い枠で囲った3か所のボタン(?)をクリックし、下記画像のようになったら[OK]ボタンで決定します。
※間違った場合は[クリア]ボタンでやり直せます。

条件付き書式1の枠線.jpg

(7行目-5)条件付き書式を設定する【2:日曜日の下以外は普通の線】
(1)(7行目-4)と同様に、A7~I7(7行目の最終列まで)を選択して、条件付き書式の「新しいルール」>数式を使用して、書式設定するセルを決定」を開きます。

(2)ルール内容の編集で、”次の数式を満たす場合に値を書式設定(O):”の下の枠に、下記の式を入力します。
=TEXT($B7,"aaa")<>"日"

(3)「書式(F)」ボタンを押して「セルの書式設定」画面を開き、上部タブから「枠線」を選択します。

(4)左側の線のスタイルで、下記画像の「───」部分(水色枠)をクリックしてから、青い枠で囲った1か所のボタン(?)をクリックし、下記画像のようになったら[OK]ボタンで決定します。
※間違った場合は[クリア]ボタンでやり直せます。
条件付き書式2の枠線.jpg

《8行目》7行目を元に、他の行のベースを作る
7行目の部分がすべて出来上がったら、8行目を作成します。
7行目で作ったものを利用するので、こちらはすぐ出来ます。

(8行目-1)
A7~I7(7行目の最終列まで)を選択してコピーし、A8セルに貼り付けます。
7行目と同じものが表示されると思います。
A8セルに張り付け.jpg

(8行目-2)
「A8」セルの内容を、下記の数式に変えます。
=IFERROR(IF(MONTH(A7+1)<>$A$5,"",$A7+1),"")
※A8セルをクリックしてから[BackSpace]キーを押してから、下記の式をコピーしたものを張り付ければOKです。
※[BackSpace]キーを押した時点で、8行目の内容が見えなくなると思いますが、気にせずA8セルに貼り付けてください。


これでベースは出来ました。ほぼ出来上がりと言ってよいでしょう。

【4】ほかの行にコピーして表を完成させる

大項目として分けてしまって何ですが、あとは本当にコピーするだけです。
A8~I8(8行目の最終列まで)を選択して、オートフィルなどで下にコピーしていきます。
オートフィル.jpg
オートセルというのは、セルを選択した時上記画像のように小さな■が右下に表示されるですが、それを左クリックしつづけたまま下に引っ張っていくと、その内容がコピーされていくという代物です。(連続コピーなどもできます)

枠線も、日曜日の下にだけ太線、他の曜日は普通の線が引かれている状態で、下にコピーされていくと思います。

31日部分の行までコピーできれば、表の関数・書式部分は完成です。
月末が29~30日の場合でも、31日の行分までコピーしておいてください。

お疲れさまでした。

【5】表のメイン以外の部分を作りこんでいく

(5-1)文章などを入れていく
後回しにしておいたタイトル部分・氏名・注釈など、1~4行目の部分などを作りこんでいってください。
こちらについては、基本的にセルを選択して必要な文章を入力するだけですので、詳細な説明は省略させていただきます。必要に応じてフォントサイズやセルの統合、セル幅や高さなども調整します。

※画像でいうと、選択した部分(灰色の範囲)です。
その他項目.jpg

ちなみに、表を作った後であれば、1~4行の間であれば、行を挿入(追加)しても表の部分には影響はありません。(数式は自動で対応してくれます)

(5-2)記入例に○マークを付ける
記入例の部分に○などのマークを入れたい場合は、上部メニュー「挿入」を選んで「図形」ボタンを押すと、図形一覧が出てきますので、そこから基本図形の「円/楕円」を選択して入れていきます。
丸を付ける.jpg
図形を選ぶと、マウスカーソルが「+」の形になるので、円を描きたいところの左上あたりをクリックして、そのまま押し続けて右下に移動させると円が書けます。
左上から右下に.jpg

ただ、デフォルトは塗られた青丸なので塗りつぶしなしの黒丸にします。

図形を何か入力すると、上部タブに「書式(描画ツール)」が表示されるので、それを選択して選びましょう。
黒丸にするには、図形のスタイルから黒い細線の図形を選びます。
塗りつぶしをなくすには、「図形の塗りつぶし」を選択して、「塗りつぶしなし」をクリックします。
黒丸の背景無しに.jpg

これで黒丸はOKですね。図形(今回は○)をクリックすれば、大きさも後で変更できるので必要に応じて調整してください。
挿入した図形を削除したいときは、図形をクリックしてから[BackSpace]キーか[DEL]キーで削除できます。

【6】印刷設定

フォントサイズの縮小や枠の調整を行った結果、「印刷プレビュー」で確認した時に、1ページにうまく収まっている場合は問題ないかと思います。
ですが、「1ページに収まっていないけど1枚に印刷したい!」という場合は、余白を削ってみたり縮小機能などを利用するのもいいでしょう。
4ページ必要.jpg
※このままでは4枚に分かれて印刷されてしまいます。

(1)過剰な余白を削る
上部メニュー「ページレイアウト」の「余白」ボタンを押してみて、「標準」や「広い」になっている場合は、「狭い」を選択してみましょう。
余白設定.jpg
それでもまだまだ、はみ出しすぎている場合は、「ユーザー設定の余白」でプリンターが耐えられる範囲まで、余白を削ってみましょう。
ここは、ご利用のプリンターさんと要調整となりますが、大抵は5mm程度あればどうにかなると思います。(※画像は余白設定例です。)
余白設定例.jpg

(2)縮小機能も視野に入れる
余白を削ってもまだはみ出るようであれば、縮小機能も利用しましょう。
上部メニュー「ファイル」の、左メニュー「印刷」を開き、下の方で「拡大縮小無し」と表示されているのであれば、「シートを1ページに印刷」を選びます。
ちなみに、余白などをいじる前にこちらを設定しても大丈夫です。
ただ、全体的に縮小されてしまうので、文字がとても小さくなる場合があります。その場合は、縦横比が出来るだけ用紙と同じようになるようにセル幅などを調整してみたり、余白を削ったりしてみましょう。
印刷拡大縮小設定.jpg


■作成方法(来月自動Ver.)

「■作成方法(年月指定Ver.)」を読み飛ばして来られた方には申し訳ないのですが、出来上がった「■作成方法(年月指定Ver.)」を使って用意します。
ちょっと調整するだけですので、こちらはすぐ終わります。

【1】「■作成方法(年月指定Ver.)」をコピーする

「■作成方法(年月指定Ver.)」で出来上がった「2021」シートをコピー(複製)して、新しいシートを作成します。

シート名を右クリックして、「移動またはコピー」で「シートの移動またはコピー」画面が表示されたら「コピーを作成する」にチェックを入れて[OK]。
シートをコピー.jpg

「2021 (2)」というシートが出来ます。
日付部分が全然表示されておらず、焦るかもしれませんが、気にしなくて大丈夫です。これはシート名が「2021(2)」となったことで、「年」の情報が取れなくなったからですので。※”2021(2)年”という物は存在しませんよね。
コピーした2021.jpg
シート名をダブルクリックして、分かりやすいシート名に変えましょう。
このシート名は何でも良いです。例ではわかりやすく「来月自動」にします。

【2】数式を変更する

変更するセルは2か所のみです。元々入っている数式は[BackSpace]キーか、[DEL]キーで削除してから入力してください。

▼A5セル(”●月”の部分) 
※入力すると来月の月が表示されます。
=MONTH(TODAY())+1
▼A7セル(”1日”の部分)
=IFERROR(EOMONTH(TODAY(),0)+1,"")

以上です。お疲れさまでした。

■閲覧してくださった方へ

これを元にレイアウトや項目追加・その他調整のご依頼も¥500~(内容によります)承っておりますので、「見積もり」でお気軽にご相談ください。
また、同じような形式で勤怠表、スケジュール表、カレンダーなど、「健康観察記録表」以外の内容への調整も可能です。
※直接購入された場合、最低\1,000必要となりますのでご注意ください。


■あとがき

今回は、自動で日付などが切り替わってくれる、印刷用:健康観察記録表の作り方を紹介しました。イメージ通りに作成できましたでしょうか?

ブログに書いている内容への感想やご質問、記事のリクエスト等ありましたら、お気軽にメッセージをいただければ幸いです。

※スケジュール作成関連やり方は、下記の記事にまとめています。


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