「どうしてコーチングをするようになったのですか?」
「コーチングを始めたきっかけは何ですか?」
といった質問をクライアントさんからいただくことがあります。
コーチング自体に興味がある、自分でもコーチングをしてみたい、すでにしている、といったクライアントさんがこの「コーチングをするようになったきっかけ」に興味をも持たれるようです。
私のコーチングとの出会いから最近までの経緯を時系列の「クロニクル」で書くとこんな具合です。
2016年:マイケル・ボルダックの本「行動の科学」でコーチングに興味を持つ
2016年〜2019年:コーチングを受ける(77回、約300時間)
2018年:ココナラでコーチング開始
2019年:NLPジャパン主催の「NLPプロフェッショナルコーチ」コース修了
2024年:ココナラでコーチング1000セッション達成
これが全てといえば全てなのですがそれではわかりにくいので特に最初のきっかけにすいて少し詳しくお話ししていきます。
もう10年近く前のことになるのですが、当時私は人材会社で働いていました。派遣を中心とするビジネスモデルの会社でしたが、そこで派遣社員として働いてもらう方の採用面接をしていました。リモートのビデオ通話や対面で1時間ほどの面接をして、その結果をリポートにまとめ、面接官としての判断を書き添える、といった仕事です。
そのような業務の合間に学生さん向けの就活サイトに掲載する「採用ブログ」というのを書く仕事もしていました。10話くらいのテーマのストックを考えておいて、その中から毎回一つを選んで短い文章を書いてアップする、という流れです。
そのテーマの一つに「すぐやる」というのがありました。モチベーションを題材にした一連のシリーズの中のある回だったかもしれません。何かをしようとする時に「サクッ」と始められるといいのですがズルズルと先延ばししたり、「重要だけれど緊急ではない」ろいう仕事の性質のためについ他の仕事の後まわしになったりということがままあります。どうしたら、そんなことにならずにすぐ初めてさっさを終わらせられるか、といったことについて書いてみようと思いました。その下調べとして「すぐ始める」をテーマとした本を検索してみたところ、70冊ほどの本がヒットしました。その中の1冊がマイケル・ボルダックの「行動の科学(ボルダック 2015a)」でした。「先送りする自分をすぐやる自分に変える最強メソッド」というキャッチーなサブタイトルにも惹かれました。今見てもなかなか興味をそそる副題ですね。
この「行動の科学」でボルダックは自身を振り返り、
・自分が7歳の時に父が母を殺すというショッキングな出来事が起きる
・親類のもとを転々とする
・母方の叔父のもとで育てられるが16歳の時にそこを追い出される
・ショックで重度の吃音になる
・ゴルフ場の芝刈りで生計を支える生活を送る
・NLPとコーチングに出会う
・コーチとして大成功を収める
という人生を歩んできたと述べています。
この「NLPとコーチングに出会う」というくだりが私がコーチング、特にNLPをベースにしたコーチングに興味を持った直接のきっかけです。
人材会社の仕事というのは全社が普通の会社の人事部のようなものです。当時の私の直接の担当は採用の仕事でしたが、それは採用後の研修、配属、さらに長期的な人材育成と続いていく一連の流れの入り口のような仕事です。正社員として学生を採用して派遣先で仕事をしてもらう、というビジネスモデルでは派遣先の企業や研究機関などを配属先と呼んでいます。この配属先の決定は学生が就職先を選ぶ感覚とはかなり違って、派遣社員の学生時代の習得内容と派遣先の仕事ニーズをマッチングさせて決めるという形をとります。このために本人が「積極的に決めた」という意識はどうしても薄くなりがちで、どうしたら仕事に対するモチベーションを高く保ってもらえるかが課題となります。この「モチベーションを高める」ということのためにもコーチングはとても興味深いアプローチでした。
そんなわけで最初は派遣社員のモチベーション向上という課題から生まれたコーチングへの私の興味でしたが、あらためて冷静に考えてみると自分自身も「高い目標をかかげて燃えるようなモチベーションに駆られている」かというとそれほどまでではないように思います。この「あらためて考えてみた」ところから、コーチングする側としてだけではなく自分自身を対象とするセルフコーチングのスキルを学びたい、そしてコーチングを学ぶための第一歩として自分自身もコーチングを受けてみたい、と思ったのが私がコーチングに対して興味を持った最初のきっかけです。
【参考書籍】
文中に挙げたのは下のリスト中の「行動の科学」ですが、これは「達成の科学」との二部構成で「行動〜」が基本的な考え方、「達成〜」が具体的なメソッドを詳述しています。最初にボルダックを読むのでしたらコンパクトに全体像が書かれている「目標達成する技術(ボルダック 2008)」から入るのも良いと思います。
ボルダック 2008:
マイケル・ボルダック [著], 堀江 信宏 [翻訳] 2008, 目標達成する技術, フォレスト出版
ボルダック 2015a:
マイケル・ボルダック[著], 高野内謙伍[監訳], 吉田裕澄[訳] 2015, 行動の科学――先送りする自分をすぐやる自分に変える最強メソッド, フォレスト出版
ボルダック 2015b:
マイケル・ボルダック[著], 吉田裕澄[訳], 高野内謙伍[訳] 2015, 達成の科学――確実にゴールへ導くステップ・バイ・ステップの招待状, フォレスト出版