小論文の書き方と構成を例文で紹介!ルールや注意点も確認しよう

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作文から入試小論文まで手掛けております。じぃたむです。
皆様から多く質問を受ける小論文について、簡単にまとめています。
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「受験科目に小論文があるけれど、どうやって書けばよいかわからない」
「記述問題が苦手なのに、長い小論文なんて書けるわけがない」
このように、「小論文」と聞くと難しく考えてしまう受験生は少なくありません。
しかし、小論文には決まった書き方や構成があるので、型を学び、例文を見ながら理解を深めていけば、うまく書けるようになります。
この記事では、論理性のある文章を書けるように、小論文の基本的なルールやおすすめの構成、やってはいけないことについて解説します。

▶もくじ
【小論文の書き方①】構成の基本を理解しよう
【小論文の書き方②】構成に沿って書く内容を洗い出そう
【小論文の書き方③】原稿用紙の使い方や小論文独自のルールを理解しよう
小論文の書き方を構成ごとに例文でチェック!
小論文で話を展開させるテクニック
小論文でやってはいけない書き方や構成

【小論文の書き方①】構成の基本を理解しよう

まずは、小論文を書くうえで基本となる知識を押さえていきましょう。
小論文と作文の違いをチェック
「作文は書いたことがあるけれど、小論文を書いたことはない」という人のなかには、「そもそも小論文と作文の違いがわからない」という人も多いのではないでしょうか。
作文と小論文の大きな違いは、「視点」と「目的」です。
作文が主観的に自分の思ったことや感想を述べるための文章であるのに対して、小論文は自分の意見とデータや資料に基づいて、客観的な視点で相手を説得するために書かれる「説明文」のような文章です。
小論文を書く際に戸惑うのは、文章中に自分の意見を含めるにもかかわらず、客観的に書くことを求められるからです。
また、試験では設問に対する答えを論理的に説明する必要があります。まずは自分の意見を提示し、その意見が正しいことを証明するために客観的な事実やデータなどの根拠を述べる、という構成で論理を展開していきます。
難しく感じるかもしれませんが、小論文を書くための構成にはある程度の型があるため、書き方を学べば誰でも書けるようになります。
まずは、その書き方から学んでいきましょう。

小論文は4部構成が基本

小論文の書き方で最も重要なのは、「構成」です。
小論文をうまく書けない人の多くは、構成を決めずに書き始めてしまいます。
構成は大きく4部に分かれ、問題提起→意見提示→論拠提示→結論という順になっているのが一般的です。
この4部構成は、「序論→本論①→本論②→結論」と呼ばれることもあります。
それぞれの概要を確認していきましょう。

■問題提起(序論)
与えられた設問に対して問題点を見つけ出し、論文のテーマと結論を決める。
■意見提示(本論①)
決めたテーマに対する自分の意見を述べる。
■論拠提示(本論②
自分の意見を掘り下げ、自分の意見を証明するための体験談や客観的な事実、データを提示し、論理を展開していく。
■結論
もう一度自分の意見と結論を述べて、締めくくる。
それぞれの詳しい書き方は、後ほど例文を出しながら説明します。
まずは、「小論文を書くためには構成を作ることが必須であり、構成は大きく4部に分かれる」ということを覚えておきましょう。
小論文の問題は600~800字が一般的なので、構成を決める際は序論100字、本論①200字、本論②300字、結論100字など、段落ごとの文字数を事前に割り振って考えることができます。

【小論文の書き方②】構成に沿って書く内容を洗い出そう

小論文で書く内容を決める際は、構成に沿って考えていくことが重要です。
順番に見ていきましょう。
出題の主旨を理解する
まずは出題の主旨、すなわち「何を聞かれているのか?」を把握することが大切です。
主旨を理解したうえで、「結論をどうするのか」「結論を導き出すために、どのような構成にすべきか」を考えましょう。
また、問題の条件を確認することも重要です。
「資料を読んで」「賛成・反対の立場をはっきりと示したうえで」「具体例を挙げて」など、問題によっては条件が提示されていることがあります。
条件に沿って解答しなければ減点の対象となるため、問題文を読む際は必ず条件を確認しましょう。
・何を聞かれているのか
・問題の条件
この2点をしっかり確認して、出題の主旨を理解してください。
主張したい内容を決めて小論文の骨組みを作る
何を聞かれているか」を理解できたら、次は「自分が主張したいこと」を決めましょう。
これは小論文の結論にあたる部分であり、構成を考えるうえで不可欠な要素です。
主張が決まったら、いよいよどのような構成にするかを考えます。
小論文がきちんと書けるかどうかは、構成をうまく組み立てられるかどうかにかかっている、といっても過言ではありません。
構成は文章の「設計図」のようなものであり、小論文を書くための骨組みといえます。
設計図がないまま書き始めると、途中で文字数が足りなくなったり、論点がずれてしまったりして、質の高い小論文を書くことができません。
「自分の主張」をしっかり決めて、構成を組み立てましょう。
論点や意見の整理にはメモを活用
小論文の構成が固まってきたら、具体例や根拠などの材料を集めて小論文を書いていきます。
その際、「メモ」を活用するのがおすすめです。
「メモを書く時間がもったいない」と思うかもしれませんが、メモを書かずに小論文を書こうとすると考えがまとまりません。途中で手が止まってしまったり、書く内容を変更する必要が出てきたりして、かえって時間がかかってしまうこともあります。
構成が固まったら、どんどんメモを書いて文章に肉づけしていくことが、結果的にうまく、早く書くことにつながるのです。 メモを書く際は「キーワードだけ書いていく」「図や記号を使って視覚的に見やすくする」など、自分に合った方法を見つけて取り入れることが重要です。

【小論文の書き方③】原稿用紙の使い方や小論文独自のルールを理解しよう

構成の組み方を理解できたら、次は実際に小論文を書くうえで知っておきたいルールを学んでいきましょう。
段落分けや1文字下げのタイミングを守る
わかりやすい小論文を書くためには、適切な段落分けが必要です。
意味や内容が区切れるようなタイミングで段落を分けるのが一般的で、1つの段落で伝えるメッセージは1つに絞ることを意識しましょう。
また段落が変わったら、必ず行頭を1文字下げます。
段落は2文以上でなければならないので、1文だけで終わってしまう段落がないよう注意してください。
文学的表現を避ける
「文学的表現」とは、詩歌や小説に用いられる倒置法や体言止め、比喩表現などを指します。
小論文は説明文なので、作文のような文学的表現を使ってはいけません。
また、かっこも小論文では引用以外に使えず、会話文や格言を文中で使いたい場合は間接話法を用いる必要があります。
促音や句読点、「」などの記号は1マス使う
「っ」や「ゃ」、「ぅ」などの促音や拗音も1文字として扱い、1マスを使って記入しなければなりません。
同様に、句読点やかっこなどもそれぞれ1文字として扱います。
ただし、句読点や閉じかっこ、閉じかぎは行頭に置くことができません。その場合は前行末のマスの文字とあわせて、2文字を1マスに書きます。
小論文として適切な日本語を使う
小論文として適切な日本語を書くために、以下の点にも注意しましょう。
カタカナの使い方に気をつける
カタカナは、日本語で表現できない外来語に用いるのが基本です。適切な表現がある場合は、日本語を使いましょう。
また、もともと日本語だった言葉をカタカナで書くことも避けましょう。
例:「ショック」→「衝撃を受ける」、「ウソ」→「うそ」など
略語を使わない
省略表現や略語を使ってはいけません。公的機関や条約名などを書く際は特に注意してください。
例:「コンビニ」→「コンビニエンスストア」、「WHO」→「世界保健機関」など
口語体を使わない
小論文では話し言葉は使わず、書き言葉を使いましょう。
例:「~だと思う」→「~だと考える」、「だから」→「したがって」など
オノマトペを使わない
擬態語や擬音語のことをオノマトペといいます。
小論文ではオノマトペを使ってはいけないので、適切な言葉に書き換えましょう。
例:「コツコツ」→「堅実に」、「スラスラ」→「流暢に」など
近接同語や重複表現を使わない
文章内で同じ言葉を繰り返す「近接同語」を使うと、単調で無駄の多い文章になってしまいます。
また、繰り返しを避けるという意味では、「重複表現」も使ってはいけません。
「頭痛が痛い」「まず最初に」などは重複表現の代表例です。

小論文の書き方を構成ごとに例文でチェック!


ここまで、小論文の構成の作り方やルールについて説明してきました。
ここからは実際の問題を想定して、例文とともに小論文の書き方を紹介します。
「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用について、あなたの考えを600字以内にまとめてください」という問題が出題されたとします。
序論の書き方
テーマは「SNS」なので、まずは序論としてSNSに関する問題提起から始めます。
【例文】
学生がソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下SNSと略す)を利用することを規制すべきだ、という意見をたびたび見かける。しかし、規制するのではなく、大人たちが正しい使い方を教えていくべきなのではないだろうか。
この例文のように、序論で重要なのは「結論を述べること」「あまり主観を入れないこと」です。
今回は「SNSの規制」について書きますが、「規制するのではなく、大人たちが正しい使い方を教えていくべき」が結論、そして主張になります。
ただし、序論はあくまで問題提起を担う部分なので、ここで主観を入れすぎないように書くことが大切です。

意見提示の書き方
本論①の意見提示では、「自分はこう思う」という意見を書きます。
【例文】
確かに、近年SNSを原因とした事件に学生が巻き込まれるニュースを目にすることが多い。インターネット上でのやり取りが当たり前になり、知らない人に気軽に連絡先を教えることに対する警戒心が薄くなっていることが原因だと考えられる。私の周りでもSNSで知り合った人と実際に会った友人がいる。しかし、そもそも私たち学生には「正しいSNSの使い方」について学ぶ機会がない。自分の身を自分で守るためにも、どこかで使い方を学ぶ必要があるのではないだろうか。
この例文では「しかし」以降が意見、主張です。
小論文では話題を広げるために自分の意見を明確にする必要があり、序論で軽く触れ、次の段落で深く掘り下げていく、という書き方が一般的です。
テーマに対して自分は賛成なのか、反対なのかを決めておくと、意見をまとめやすくなります。

論拠提示の書き方
本論②の論拠提示では、1つ目と内容がかぶらないようにします。
ここでの本論は意見の根拠となり、小論文全体の中心になるので、表面的な部分からさらに掘り下げていく必要があります。
文字数が多い場合は適宜段落を変え、情報が不足する場合は体験や経験を盛り込んで文章に肉づけしていきましょう。

【例文】
 実際、大人たちはビジネスツールとしてSNSを有効活用している。総務省が行っている「通信量動向調査」によると、20~50代がSNSを利用している割合は約8割と高く、ビジネスパーソンにとってSNSは必要不可欠なものであることがわかる。大人になってから必ずといってよいほど使うSNSを、学生の間だけ規制する理由はないといえるだろう。むしろ早い段階から、正しい使い方を学んでおくべきだ。
この段落では、根拠となる「客観的なデータの提示」が求められます。今回の例文では、総務省が行っている調査を根拠として提示しています。
結論の書き方
最後に結論で締めくくります。

【例文】
 このように、SNSは誰しもがいずれ利用するものであるため、臭いものに蓋をするように学生のSNSの利用を規制するのではなく、実際に利用している大人たちが正しいSNSの使い方を教えていくことが重要だと考える。
小論文の結論は「まとめ」ではなく、あくまで問題に対する答えを書くことが求められます。
そのため、追加の内容や感想などを書く必要はありません。
今回の例文では、「SNSの利用に関するあなたの考え」が問題で、「大人たちが正しいSNSの使い方を教えていくべきだ」が答えにあたります。序論と結論で答えを述べ、本論で理由を説明する構成になっていることがわかるでしょう。
小論文の構成を簡単に説明すると、序論と結論が「伝えたいこと」で、本論は「それを証明する証拠」です。 覚えておきたいのは、基本的に序論と結論は同じ内容になるということです。
小論文で話を展開させるテクニック
書き方がわかっても、いざ自分で書いてみると何を書いてよいのかわからず、手が止まってしまうものです。
そんなときは、次に紹介するテクニックを使って話を展開してきましょう。
話題を広げるときには疑問を使う
小論文を書いていて手が止まったときは、自分の意見に対して「なぜそう思うのか?」という疑問を投げかけていくと、話題を広げるヒントが見つかります。
例えば、「本を読むことは大切だ」→「なぜ大切なのか」→「インターネットでは得られない深い知識を得られるからだ」→「なぜ本だと深い知識を得られるのか」という流れで、「なぜ?」を繰り返すことで伝えたいことが掘り下げられ、内容を深めていくことができます。
また、自分の意見に対して常に疑問を投げかける習慣を身につけておくと、客観的な事実に気づきやすくなるため、論理性のある論文を書けるようになります。
ただし、接続詞を多用するのは禁物です。
ばらばらな内容をつなぎあわせているように見えるだけでなく、リズムも悪くなることがあるので、文章が読みにくくなってしまいます。
「そして」や「したがって」など順接の接続詞はないほうがよいケースも多いため、接続詞が多いと感じたら省略できるものがないか考えるようにしましょう。

問題点の解決方法にあえて反論を入れる
小論文の構成は、問題点に対して自分の意見と根拠を提示し、解決方法を論じるのが一般的です。
しかし、あえて自分の意見に対して反論する方法もあります。
よく使われるのが、「確かに~」「しかし~」という書き出しです。
自分の意見のメリットを提示する→「確かに~という面もあるが、一方で~」→「しかし~なので、やはり~である」と、反論の内容よりも自分の意見のメリットのほうが強いことを伝える流れで書いていきます。
反論を入れることで、広い視野をもっていることを伝えられますし、ネガティブな要素をカバーできる解決策を提示できれば、結論に説得力が増します。
難しそうに思うかもしれませんが、紹介した型にはめるだけで意外と簡単に書くことができます。
小論文に慣れてきたら、「反論を入れる」という手法を取り入れてみましょう。

小論文でやってはいけない書き方や構成
小論文を書くうえで、やってはいけない書き方や構成がいくつかあります。
文字数不足や大幅な文字数オーバー
求められる文字数に足りない、あるいは大幅にオーバーすると減点の対象になります。
出題によって書くべき文字数は変わりますが、以下を参考におおよその文字数を知っておきましょう。
■必要な文字数の目安
・○○字以内:〇〇字の9割以上(例:800字以内→720字~800字)
・○○字程度:○○字の前後1割以内(例:700字前後→630~770字)
・○○字~●●字:その範囲内
小論文に慣れない間は、必要な文字数に達しないことが多々あります。
その場合は構成力が不足している可能性が高いので、あらためて構成を組み立てる練習をしましょう。
逆に文字数がオーバーしてしまう場合は、簡単に表現できる箇所や省略できる箇所を見つけて修正することで、密度の濃い文章に変えることができます。
「誤字脱字」や「い抜き・ら抜き言葉」
誤字・脱字があると国語力がないと判断され、減点の対象になります。
時間制限があるからといって焦って間違うことがないよう、ていねいに文章を書くことを心がけましょう。
また、「い抜き言葉」「ら抜き言葉」も厳禁です。
「い抜き言葉」は、「している」「走っている」などから「い」を抜いた言葉です。
同様に「ら抜き言葉」は、「食べられる」「見られる」などから「ら」を抜いた言葉を指します。
「してる」「食べれる」などは、くだけた稚拙な表現といえるでしょう。
もちろん、「マジで」「ガチ」などの若者言葉も避けるべきです。
採点者は言葉の使い方もよく見ているので、細心の注意を払いましょう。
論理に一貫性がない
小論文は、読んだ人を納得させられるかどうかが重要で、必要なのは「論理の一貫性」です。
「論理的な文章」は、文のつながりにずれがありません。
つながりがずれると文章のバランスが崩れて、説得力がなくなってしまいます。

論理的ではない文章の例を見てみましょう。
【例文】
勉強の効率を上げるためには、十分な睡眠時間を確保することが重要だ。
だが、朝は脳が覚醒しているので、早起きして勉強することも重要である。
睡眠時間を確保しつつ、朝は早起きして勉強の効率を上げるべきだ。
一見、おかしなところがない気もしますが、この文章は結局何をいいたいのかわかりません。
「勉強の効率を上げる」ことと「睡眠時間の確保」の因果関係があいまいですし、「睡眠時間の確保」と「早起き」のどちらを優先させるべきなのか、よくわかりません。
この文章で読者を納得させるのは難しいでしょう。
文章を書く際、「なぜそうなるのか?」を常に問いかけるようにすると、徐々に論理性のある文章を書けるようになります。
事実と推測が区別されていない
客観的な事実と自分が推測したことは、区別して書く必要があります。
両者が混ざってしまうと、どの部分が根拠なのか、それに対して受験生がどのような意見をもっているのかがはっきり伝わりません。
採点者にも「この受験生は自分の意見をもっていない」「根拠となるデータを自分の意見のように書いている」と思われて評価が下がってしまうので、事実と推測ははっきり区別して書きましょう。
以下のような表現を用いると、事実と推測を区別できます。
■事実を述べるときの表現
・~である
・~という結果が出ている
・実際に~
■推測を述べるときの表現
・~と考える
・~ではないだろうか
・~と推測する
具体性がなく説得力がない
繰り返しになりますが、小論文は「説得力」が何より重要です。
したがって、本論の根拠となるデータや具体例は信頼性の高いものでなければなりません。
具体例が弱い、あるいは具体例に対する掘り下げがないと、途端に説得力のない小論文になってしまうので注意が必要です。
そもそも具体例が自分の主張に結びついていないこともあるため、以下の点に気をつけましょう。
■具体例を挙げる際のポイント
・具体例がテーマや結論とどう結びつくのかを説明する
・誰もが知っているようなニュースや現象などから具体例を挙げる
・根拠とするデータや資料は公的機関が発行しているものを参照する
まとめ
小論文は作文とは異なり、客観的な視点で書くことが求められる「説明文」です。
慣れるまで難しく感じるかもしれませんが、書き方・構成の基本的なルールを理解することで、誰でも簡単に小論文を書けるようになります。
この記事を参考にして、小論文の問題にどんどん挑戦していきましょう。
添削も随時受付中です!

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