なぜうさぎは自分のうんちを食べる!?

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コラム
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自由研究のヒント

なぜうさぎは自分のうんち を食べるの?

盲腸で微生物が作った栄養素を吸収したり、効率よく吸収サイクルを回すためだよ!

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野生のうさぎも家畜のうさぎも、自分のうんちを肛門に口をつけて直接食べる行動がみられます。これは正常な行動で、食糞(しょくふん)あるいは糞食(ふんしょく)と呼ばれます。なぜこのような行動をするのか説明していきます。

うさぎのうんち は2種類あります。どちらのうんち も食べることが知られています。

・軟糞:やわらかいうんち です。臨床現場では盲腸便と呼ぶこともあります。かたいうんち(硬糞)に比べてビタミンとタンパクが豊富に含まれています。これは餌である草に含まれているものというより、うさぎの盲腸にすむ微生物の発酵によってできたものと考えられます。

・硬糞:かためのうんちです。結腸で食物の中の消化の難しい粗い粒を体外へ排出することで消火の効率をアップさせています。

食糞は盲腸で微生物が作ったビタミンやタンパク質などの栄養素を再度取り込むためにとても重要です。栄養素は主に小腸で吸収されますが、植物を餌にしてビタミンやタンパク質を作る微生物は小腸よりもっと肛門に近い場所である盲腸で作られるためです。盲腸では栄養素をたくさん吸収することが難しいので、もういちどうんちを食べて小腸に送り込むことで吸収しているのです。

参考文献
平川浩文(1995) 『ウサギ類の糞食』哺乳類科学34(2):109-122


Noteでは”獣医さんとやってみよう自由研究”というテーマで子供向けに記事を投稿しています。
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