野生の猫はネズミを食べていれば水分は足りている!?

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自由研究のヒント:
猫は乾燥したもの1gあたり2mlの水を必要とする。これはネズミなどの獲物の体から獲れる水分と同じだよ。

つまり気温が高くなければ猫はネズミなどの獲物をとって生活していれば水そのものはあまり取らなくても生きていける構造になっているよ!砂漠に適応したすごい特徴だね。
気温や運動量によっても変わるから飼い猫にはお水をたっぷりいつでも飲めるように与えようね。

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ここ最近動物の体温調節の中で猫は肉球からしか汗をかけないとご説明しました。
猫の先祖はリビアヤマネコという野生の猫と考えられています。
この猫はアフリカや中近東などの暑くて乾燥した地域に生息しています。こうした場所では雨も少なく、川や池も少ないので動物にとって水の確保はとても大変です。この過酷な環境でリビアヤマネコたち家畜の猫の祖先はどうやって生き抜いてきたのでしょうか?

実は猫は腎臓の機能がかなり発達しています。腎臓は体の老廃物を血液からこしとり、おしっことして排出する機能を持っています。猫の腎臓はおしっことなる水分の量を節約できるようになっています。具体的には腎臓を構成する尿細管という細胞が水分や栄養素を再吸収して体に再利用できるようにし、少ない水分で老廃物を尿として排出します。

猫は乾燥したもの1gあたり2mlの水分を必要としますが、これはネズミなど猫が野外で獲物としている生物に含まれる水分量と近くなっています。つまり積極的に体温を下げる必要がない気温の場合はネズミなどの小動物を捕食することで必要な水分を補えるため、水そのものを積極的に飲まなくても足りるようになっています。

飼育されている猫ちゃんでは寄生虫感染の危険など様々なリスクがあるので、ネズミなどと遭遇しないように完全室内飼で、総合栄養食の表記があるものを与えましょう。ドライフードをメインの場合は水分が少ないので、お皿にお水をたっぷり用意していつでも飲めるようにしておきます。

しかしこの強力な尿濃縮能力は諸刃のつるぎで、猫に尿路結石や腎疾患が多い原因となっています。飼育されている猫ちゃんにはなるべくたくさんお水を飲んでもらう工夫が重要です。

参考資料
『臨床栄養学』左向敏紀、阿部又信、大島誠之助、徳本一義、百田豊、森昭博
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