こんにちは、精神科ナースの優(ゆう)です。
「友達は『もう半年経つよ、いい加減切り替えなよ』って言うんです」
「自分でも分かってる。でも、ふと思い出して泣いてしまう」
精神科看護師として様々な相談を受けていると、こういう声をよく聴きます。
失恋から「うまく立ち直れない」自分を、ひっそり責めている人。
今日はそんな方に届けたい話を書きます。
■ そもそも立ち直りに正しい速度はない
3年付き合った人と別れて、3日で復活する人もいれば、3年経っても抜け出せない人もいます。
それは「強い・弱い」の話ではありません。
人が誰かを好きになるとき、私たちの脳と心は、その人と過ごす時間を「自分の一部」として取り込んでいきます。
一緒に観た景色、よく行ったお店、習慣になった連絡、未来の約束。
失恋とは、その「自分の一部」が、突然欠けるということ。
体の一部を失ったときに「3日で完全回復しろ」と言われたら、誰でも無理だと思いますよね。
心も、本来はそれくらいの重さで受け止めていい喪失です。
■失恋のつらさは「ホルモンの離脱症状」
神経科学的にも、興味深い話があります。
恋愛中の脳では、
ドーパミン(快感)
オキシトシン(愛着)
セロトニン(安心)
など、強い報酬系のホルモンが分泌されています。
それが急に途絶えると、脳は「禁断症状のような状態」を経験します。
落ち込み、食欲不振、不眠、ふとした瞬間の涙――
これらは「気合いで治せる」ものではなく、神経伝達物質のリセットに必要な時間です。
つまり立ち直れないのは「弱いから」ではなく、人体としてごく自然な反応。
あなたは、正しく傷ついています。
私の好きな物語「ドライブマイカー」村上春樹 著
にもこのようなセリフがあります。
「僕は正しく傷つくべきだった」
自分の傷と向き合うことが人生を前へと進めてくれるのです。
■忘れるより、大切にしまう
よく「早く忘れて、新しい人を探しなよ」というアドバイスを受けるかもしれません。
でも、私はこれを言いません。
なぜなら、人は本当に大切だった記憶を、
「忘れる」ことができないからです。
忘れたフリをしても、ふとした拍子に戻ってきて、また心を揺らします。
代わりに私が大切にしているのは、
「自分の中に、しまう場所を作る」
という考え方。
その人と過ごした時間が、自分の中で「思い出してもいい場所」に整理されると、不思議と「日常」が動き始めます。
無理に消そうとせず、丁寧にしまう作業。
これに時間がかかるのは、当然です。
■立ち直れない自分を責めない
私が考える幸せの4要素――「所属」「お金」「希望」「健康」――
のうち、失恋では「所属」と「希望」が同時に壊れます。
「あの人と一緒にいた自分」という所属の感覚。
「この人とこれから先を歩く」という希望。
両方が同時に欠けるのですから、心が揺らぐのは当然です。
ここで「私は弱い」「いい加減立ち直れ」と自分を責めると、揺らぎはさらに大きくなります。
責めることは「否認」――
現実を直視せず、固定化させる行為
だからです。
代わりに、こう言ってみてください。
「うん、私は今、所属と希望を同時に失っている。
だから時間がかかるのは、当たり前なんだ。」
これは弱さではなく、受容です。
そして、受容こそが、次の希望が芽吹くスペースになります。
■最後に
ここまで読んでくださってありがとうございます。
失恋から立ち直るのに、特別な技術はいりません。
必要なのは、
「立ち直れない自分を責めるのをやめる」
「時間がかかるのは普通だと、自分に許可を出す」
このたった2つです。
そして、もし誰かにその時間を一緒に過ごしてもらいたくなったら、
ココナラで悩み相談を受けています。
評価せず、急かさず、あなたのペースで聴かせていただきます。
精神科ナース 優(ゆう)