業務の自動化や仕組み化に興味はあるけれど、実際に誰かに相談するとなると、最初の一歩がなかなか踏み出せない。
そんな声をよくいただきます。
「相談するときって、何を伝えればいいの?」
「どこまで自分で準備しておかないとダメなの?」
「専門的なことを聞かれて、答えられなかったら気まずい…」
「途中で『その内容では無理です』と言われたらどうしよう」
「だいたいいくらかかるのか、イメージが全然湧かない」
こういう不安、とてもよくわかります。
ご飯屋さんでも美容室でも、初めて行くお店は緊張しますよね。それと同じです。「中で何が行われているか」がわからないと、入り口の前で立ち止まってしまうのは自然な反応だと思います。
なので今回は、業務自動化や仕組み化を誰かに相談したときに、実際どんな流れで進んでいくのかを、できるだけ具体的にお伝えしようと思います。
読み終わる頃には、「あ、こういう感じなら相談してみてもいいかも」と思っていただけたら嬉しいです。
ステップ1:「困っていること」をふわっと送るところから始まる
まず最初のステップは、メッセージを1通送るだけです。
このときに、整理された依頼内容を書く必要はまったくありません。
たとえばこんな書き方で十分です。
「毎日お問い合わせ対応に時間を取られていて、何とかしたいです」
「営業リストを作るのに半日かかってしまいます。これって自動化できますか?」
「予約管理がアナログで、ミスが起きそうで怖いです。どうにかなりますか?」
このくらいの粒度で大丈夫です。
むしろ、最初から完璧に整理された依頼書を作ってしまうと、本当に困っている部分とズレることもあります。「ふわっとした困りごと」のままで送ってもらった方が、実態に合った提案ができることが多いのです。
「依頼内容がまだ整理できていないんですけど…」という前置きも不要です。
整理するのが、こちらの仕事の一部だと思っています。
ステップ2:今の作業の流れを聞かせてもらう
メッセージのやり取りが始まったら、次は「今、どんな流れで作業しているか」を教えていただきます。
ここで聞くのは、難しい話ではありません。
・1日のうち、どの作業に時間がかかっているか
・何の作業を、どんな順番でやっているか
・どこでミスや漏れが起きやすいか
・使っているサービス(スプレッドシート、Gmail、LINE など)
・「これだけは絶対に変えたくない」というポイントがあるか
・最終的に、どうなれば嬉しいか
このあたりを、雑談みたいなテンポで聞いていきます。
「業務フロー図を書いてください」みたいな硬い話ではなく、「最近どんな作業がしんどかったですか?」くらいの感覚で大丈夫です。
このときに大事にしているのは、お客さま自身も気づいていない"本当のボトルネック"を見つけることです。
「コピペが面倒」と言われていたけれど、よく聞くと本当に大変なのは「コピペした後のチェック作業」だった、というケースは意外と多いです。
実際に進めてみないとわからない部分があるので、最初の段階で時間をかけて聞かせていただくことを大切にしています。
ステップ3:「どこから手をつけるか」を一緒に決める
業務の流れが見えてきたら、次は「どこから手をつけるといちばん効果が出るか」を一緒に整理します。
ここで、いきなり全部を自動化する提案はしません。
むしろ逆で、「最初にやるなら、ここの1か所だけで十分です」というご提案をすることが多いです。
理由は3つあります。
1つ目は、効果が出やすいからです。一気に全部を変えると、慣れるまでに時間がかかります。1か所だけ変えると、変化が分かりやすく、効果も実感しやすいです。
2つ目は、コストを抑えられるからです。最初から大きく作るより、小さく作って動かしてみる方が、無駄が出にくいのです。
3つ目は、続けやすいからです。人は急に大きく変わるものに対して、無意識に抵抗を感じます。小さい変化なら、自然に日常に馴染みます。
このタイミングで、おおよその費用感もお伝えします。「これくらいの内容だと、だいたいこれくらいです」という目安です。
ここで「思っていたより高い」「予算が合わない」となれば、その時点で無理なくお断りいただいて構いません。
押し売りされる心配はないので、安心して相談してください。
ステップ4:実際の制作と、確認のやり取り
進めることが決まったら、実際に作る段階に入ります。
ここでも、いきなり最終形を渡すことはしません。
途中で何度か、「今こういう形で動いています、使ってみてどうですか?」という確認を入れさせていただきます。
このときに、「ここの動きはもう少しこうしてほしい」「この画面はもっとシンプルでいい」といったフィードバックをもらいながら、お客さまの実務に合った形に整えていきます。
完成形を渡してから「やっぱり違った」となるより、途中で何度も小さく調整した方が、結果的に使いやすいものができます。
専門用語を使った難しいやり取りはしません。
「この画面、押すボタンが多くて迷いそう」「この通知、もう少し早く来てほしい」みたいな、感覚的な言葉で大丈夫です。それを形に落とし込むのが、こちら側の仕事です。
ステップ5:納品して、使い方をお伝えする
完成したら、納品と使い方のご案内をします。
ここで意識しているのは、”「専門知識がなくても、明日から使える状態でお渡しする」”ということです。
たとえば、
・どこを開けば、何ができるのか
・動かなくなったときに、どこを見ればいいか
・ちょっとした変更を、自分でやりたいときの手順
・やってはいけないこと(権限まわりなど)
このあたりを、文章や画像、必要なら動画でわかりやすくお渡しします。
「使い方がわからなくなった」というご連絡をいただいたときも、難しい説明はしません。「この画面のここを押してください」という、できるだけ具体的な伝え方を心がけています。
よくある不安に、先にお答えしておきます
最後に、相談前によく聞かれる不安に、先にお答えしておきます。
「ITが本当に苦手なんですが、大丈夫ですか?」
大丈夫です。むしろ、ITが苦手な方の感覚を大事にしながら作る方が、結果的に使いやすいものができます。「黒い画面が苦手」「英語のメッセージが出ると固まる」といった感覚も、遠慮なく教えてください。
「途中で『この内容では無理です』と言われませんか?」
最初の段階で、できること・できないことをはっきりお伝えします。途中で急に「無理でした」と投げ出すことはありません。もし対応が難しい部分があれば、別のやり方を一緒に考えます。
「相談だけして、頼まなかったら気まずくないですか?」
全然気まずくないです。話を聞いて「やっぱり今は必要ない」と判断されるのも、立派な答えです。むしろ、無理に進めて後悔するより、ずっと健全だと思っています。
「予算がそんなにないんですが…」
ご予算に合わせて、できる範囲をご提案できることが多いです。「全部やる」ではなく「ここだけやる」という形で、無理のない範囲から始められます。
結局のところ、相談は「健康診断」みたいなものです
業務自動化の相談は、健康診断に似ているなと思うことがあります。
「悪いところがあったらどうしよう」と思って先延ばしにしているうちに、症状が大きくなってしまう。
でも、早めに見てもらえば、ちょっとしたことで済むことも多い。
そして、見てもらった結果「特に問題ないですよ」と言われることもある。
それでも、見てもらったこと自体に意味があります。
業務の流れも同じです。
「困っているけど、何とかなっている」状態のまま放っておくと、気づいたときには負担が大きくなっています。
早めに整理する機会を持つだけで、毎日の余裕が大きく変わります。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
「相談するときの流れ」が少しイメージできたでしょうか。
何度もお伝えしますが、最初のメッセージは「ふわっとした困りごと」で大丈夫です。
専門用語も、整理された依頼内容も、いりません。
「こういう作業に困っていて…」のひと言から始められます。
私が相談をされる時、お客さまから『相談していいですか?』というメッセージで始まることがいちばん多いです。
もし気になるものがあれば、私のプロフィールからお気軽にメッセージください。
「こういう状態なんですけど、相談していいですか?」という入り口でも大歓迎です。
難しい専門用語は使わず、今の業務の流れを一緒に整理しながら、無理のない形を考えます。
業務ツールディレクター はせ