こんにちは。MicoaLab(ミコア)です。IT業界で約40年になります。
30年あまりはシステムを作る側で、残りの10年は経営企画と人事という事務方にいました。
毎月や毎週の締めのたびに、こんな作業をしていませんか。
・取引先から届いたファイルを、自分の集計用シートに1件ずつ貼り付ける
・複数のシートに分かれた売上を、1枚のレポートにまとめ直す
・入金の明細と請求の一覧を見比べて、済んだものに手で色を付ける
続けているうちに「そろそろちゃんとした業務システムを入れないといけないのかな」と
考え始める方は多いです。
仕組みを作る側と、手作業で回す側と、両方にいました。
その両方から見て、ひとつだけ先にお伝えしたいことがあります。
その手作業が道具と道具の隙間なら、表を作り直さずに無くせます。
■ 1. あなたが埋めているのは「道具と道具の隙間」です
いま使っている道具そのものが足りていない、ということは実はそれほど多くありません。
取引先から届くファイルの形は、相手が決めています。
自社の集計のルールは、自分たちで決めています。
その二つをつなぐ決まりは、どの道具の中にも入っていません。
だから人が間に立ちます。
開いて、コピーして、貼って、形を整える。
この「道具と道具の隙間を人が埋めている時間」が、締めのたびに増えていきます。
この隙間は、件数では変わりません。
1件でも100件でも、埋めているものは同じです。
量が増えたから新しいシステムが要る、とは限りません。
減らしたいのは集計そのものではなく、この隙間の作業です。
■ 2. 隙間をつなぐだけなら、いまの表は触りません
ここで使うのが、Googleの無料枠(Google Apps Script、通称GAS)です。
いまお使いのスプレッドシートの裏側に、決まった手順を書いておきます。
「このファイルが来たら、この列を、この台帳のこの位置へ移す」と決めておく形です。
プログラムの世界では、結果が一つに決まることを決定論と呼びます。
・いまの表のまま使えます:列の並びも、見慣れた集計の形も変えません
・動きが読める:実行のときにAIを使いません。書いたとおりにしか動かないので、
何度動かしても同じ結果になります
・内容が外に出ない:あなたのGoogleアカウントの中で動くので、売上や取引先の情報を
外部のサービスへ渡しません
・月額がかからない:Googleの無料枠の範囲で動くため、作ったあとのランニングコストが出ません
Googleスプレッドシートが中心です。Excelのマクロについては、内容によって工数が変わるので
個別にご相談ください。
■ 3. ただし、いまの表のままにも境界線があります
前回の記事でも書きましたが、都合のいい話だけをして買っていただくつもりはありません。
表を作り直す話になるのは、次の2つです。
・入力の間違いを、その場で止めたい
表計算はどのマスにも自由に打ててしまいます。入口で止めるなら、
入力する場所を表から画面へ移すことになります。表そのものを作り直す仕事です
・誰がいつ何を変えたかを追いたい、人によって見せる範囲を変えたい
表計算で分けられるのはシートの単位までです。行や項目で分けたいとなると、
やはり表の外に置き場所が要ります
この2つに当てはまるなら、画面のある仕組みを作る仕事です。
そちらは別のサービスとしてお引き受けしています。
もうひとつ、表を作り直しても解決しないものがあります。
毎回データの形が変わる場合です。
人が見て判断している作業は手順が決まっていないので、表を直しても自動化できません。
先に手順を決めるところからになります。
逆に、いまの表をそのまま使えるのであれば、隙間を埋めるだけで足ります。
道具を乗り換える必要も、表を作り直す必要もありません。
■ 私も、同じ隙間を埋めていました
事務方にいたころ、毎月の請求書を手作業でExcelからPDFにしていました。
一枚ずつ開いて、名前を付けて、保存する。
難しい作業ではありません。ただ、毎月必ず来ます。
この手のものは、時間が惜しいだけではないと思っています。
締めの時期になると「あれを片付けないと終わらない」が、頭の片隅に居座り続けます。
決まったとおりに動く仕組みに預けてしまえば、その一つが消えます。
空いた時間より先に、気にし続ける仕事が一つ減るほうが大きいと感じています。
■ ご相談ください
「うちのこのコピペ、今の表のまま無くせる?」
「入力の間違いを止めたいんだけど、それは画面が要る話?」
そう気になった方は、いまの作業手順を添えて、メッセージでご相談ください。
何を、どこから、どこへ移しているかが分かると話が早いです。
お渡しするときは、ソースを開示して、後からご自身で直せるように引き継ぎメモを添えます。
作業時間が前後でどれだけ減るかも、数字でお見せします。
30年の経験をもとに、いまの表のままでいけるか、作り直す話になるかをお伝えします。