「AIで自動化」の落とし穴と境界線。ベテランSEが教える、AIに任せていい仕事・ルール型で組むべき仕事

「AIで自動化」の落とし穴と境界線。ベテランSEが教える、AIに任せていい仕事・ルール型で組むべき仕事

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IT・テクノロジー
こんにちは。MicoaLab(ミコア)です。IT業界で約40年になります。
30年あまりはシステムを作る側で、残りの10年は経営企画と人事という事務方にいました。

最近、いろいろな場面で「生成AIで自動化しよう」という声を聞くようになりました。

問い合わせ対応や予約受付を自動化したい。
そう考えたとき、「AIチャットボットを入れたほうがいいのかな」と迷う方は多いと思います。

仕組みを作る側と、手作業で回す側と、両方にいました。
その両方から見て、ひとつだけ先にお伝えしたいことがあります。

お客様に届く連絡と予定の登録は、賢さではなく、何度動かしても同じ結果になる確実さで選んでください。


■ 1. AIは「もっともらしい嘘」をゼロにできない

生成AIはとても賢いのですが、ハルシネーション(もっともらしい嘘)という特性があります。

社内の壁打ちやアイデア出しなら、間違いが混じっても笑い話で済みます。
ですが、お客様への受付完了メールや予約確定の通知、カレンダーへの日程登録だとどうでしょうか。

・間違った日時がカレンダーに入り、ダブルブッキングが起きる
・送るつもりのなかった文面が、そのままお客様へ送信される

少人数で回している事業では、この手のミスは一度で信用に響きかねません。

連絡や登録の自動化に必要なのは、賢さではありません。
100回動かしたら100回とも同じ動きをすることです。


■ 2. 実務で強いのは、動きが読める「ルール型」

そこで私が組んでいるのが、Googleの無料枠(Google Apps Script、通称GAS)を使った
ルール型の仕組みです。

「この条件でフォームが届いたら、この文面を返し、この場所にカレンダー登録する」と
決めておく形です。プログラムの世界では、結果が一つに決まることを決定論と呼びます。

・動きが読める:書いたとおりにしか動きません。AIのように文面を作り変えないので、
 想定していない文章がお客様に届くことがありません
・内容が外に出ない:仕組みはあなたのGoogleアカウントの中で動きます。
 外部のAIサービスへ本文を渡さないので、お客様の情報が社外を経由しません
・月額がかからない:Googleの無料枠の範囲で動くため、作ったあとのランニングコストが出ません
・手放しで動く:フォームが届いた瞬間だけでなく、毎朝や1時間ごとといったタイミングで、
 パソコンを閉じていてもGoogleのサーバー側が処理します


■ 3. ただし、ルール型にも境界線があります

前回の記事でも書きましたが、都合のいい話だけをして買っていただくつもりはありません。
先に3つお伝えします。

・時刻の指定には1時間ほどの幅があります。Googleの仕組み上「9時台のどこか」で動くため、
 9時ちょうどには動きません(フォーム送信をきっかけにする場合は即時です)
・メールの自動送信には、Google側で1日あたりの上限があります。
 上限はお使いのアカウント種別(無料のGmailかGoogle Workspaceか)で変わります
・文脈を読んで気の利いた返事をすることはできません。
 決めた条件に、決めた文面を返すのがルール型です

分単位の正確さが要る業務や、大量の一斉送信が必要な業務には、この形は向きません。
そこはAIや別の仕組みの出番です。

逆に、決まった手順を決まったとおりに回したいのであれば、ルール型がよく効きます。


■ 本当に減らしたいのは「覚えておく仕事」

問い合わせ対応や予約管理の大変さは、作業の手間だけではありません。

「あ、返信忘れてた」
「カレンダーに入れ忘れてないかな」

この確認し続けるプレッシャーのほうが、実は重いのだと思います。

私自身、事務方にいたころは、メールを1通出すのにずいぶん時間をかけていました。
宛先と本文を何度も見直してから送っていたからです。

幸い、大きなミスをした記憶はありません。
ただそれは注意し続けることで守っていただけで、そのぶん時間を使っていました。

決まったとおりに動く仕組みに預けてしまえば、覚えておく仕事が一つ減ります。

これは昔の話ではありません。
いまも自分の事業で、経理まわりの事務を早く仕組みに預けたいと思っています。


■ ご相談ください

「うちのこの連絡、ルール型で回せる?」
「9時ちょうどに動かないと困るんだけど、大丈夫?」

そう気になった方は、今の連絡・登録の手順を添えて、メッセージでご相談ください。
フォームを使っているか、どんな文面を送りたいか、どの予定を登録したいかが分かると話が早いです。

30年の経験をもとに、できること・できないことをお伝えします。


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